心をリセットする信州の美「戸隠神社奥社」の神聖な白い世界をレポート【長野県】

Posted by: kurisencho

掲載日: Jan 3rd, 2020

信州のパワースポットとして有名な戸隠は、戸隠神社五社巡り、戸隠古道(神道・かんみち)と、自然と歴史と伝説の残る一度は訪ねたい場所。バスに揺られ1時間ほどで到着する「戸隠神社奥社」。杉並木を抜けると、険しい山がそびえ立つ神聖な白い雪の世界。そこには癒しの空間があるだけでなく、未来についても考えてしまう神々の生んだ信州の自然の美がありました。

戸隠神社奥社

善光寺から続く霊山・戸隠山の戸隠神社

戸隠神社奥社参道

戸隠山の麓に創建以来二千年余り歴史を刻む「戸隠神社」。天照大神が天の岩屋にお隠れになった時、天の岩戸を開き、天照大神をお導きになった「天の岩戸開きの神事」に功績のあった神々を御祭神にお祀りしています。

戸隠神社奥社掲示
奥社・中社・宝光社・九頭龍社・火之御子社の五社からなり、五社を巡拝する「五社参拝」。その道は、古来から善光寺と戸隠山をつなぐ「戸隠古道(神道)」として、今でも利用されています。

江戸時代、徳川家康の側近・天海により境内竹木の伐採が厳禁とされ、400年近く開発や破壊から守られてきた信仰と威厳ある地です。

神の領域「杉並木」を歩く

戸隠山
今回目指すは戸隠神社の「奥社」。訪れたのは11月の終わり。バスを降りたら雪で真っ白!奥社への参道の鳥居を前に、戸隠山がそびえ立ち、気持ちが引き締まります。約2㎞の参道を歩く前に、こちらでお手洗いを済ませておきましょう。

道中には子供からお年寄りの方まで幅広い年代の方々がいらっしゃいました。大自然の中、心は開放的に、足元に気を付けて出発です。

戸隠神社杉並木狛犬
ゆるやかな坂道の参道を15分ほど歩むと、神域に邪悪なものが入り込むのを防ぐ「随神門」が見えてきます。茅葺きと朱色の御門。荘厳な空気に背筋が伸びます。

戸隠神社奥社 随神門
御門をくぐると、樹齢約400年を超える「杉並木」が約500m続いています。広大で圧巻の杉並木に、辺りは心地よい緊張感に包まれ、力が沸いてきます。

戸隠神社奥社への参道
この先は電気と水が引かれてない俗世と離れた神の領域。呼吸を整え進みましょう。

生命力満ちる「奥社」

だんだん雪の量も増え、勾配ができ、石段を登ります。「随神門」から約20分ほどして、いよいよ「奥社」に到着です。

戸隠神社奥社鳥居
御祭神は、天照大神をお導きになった「天手力雄命(あめのたぢからおのみこと)」。

戸隠神社奥社からの景観
その名の通り、日差しはポカポカと、太陽に雪が反射しキラキラと。見上げると鋭い戸隠山。

暖かくも、威厳ある神聖な白い世界はまばゆく、疲れが一気に吹き飛んでいく、不思議な感覚。「来てよかった、ずっとここにいたい」素直にそう思える光景が広がっています。

戸隠神社奥社の雪景色
最後に、奥社すぐ近くの「九頭龍社」への参拝もお忘れなく。御祭神の「九頭龍大神(くずりゅうのおおかみ)」は地主神であり、心願成就の御神徳が高く、水の神、雨乞いの神、虫歯の神、縁結びの神として信仰されています。

誇りある杉並木、未来へつなぐ信仰と観光

戸隠神社奥社の雪景色

遠い昔から厚い信仰ある戸隠神社、地域を見守ってきた巨樹の杉並木は、先人たちが支えてきた、地元の方々の誇り。

戸隠神社奥社杉並木
地球温暖化・自然災害による被害、観光客増加による踏圧が杉並木の育成に影響しているという問題がある現実。

しかし今、地元の方が先人の知恵に加えた技術と知識を集結し、全力で護っています。観光客1人1人がマナーあるふるまいで、尊敬と感謝の念をもつこと。それが、自分にできるささやかな一歩ではないかと感じます。

戸隠神社杉並木
いよいよ未来に目を向ける時が来た。そう実感する残したい風景と感動がここにはありました。

戸隠神社奥社
住所:〒381-4101 長野県長野市戸隠奥社
交通:「長野駅」から路線バス・タクシー(長野駅7番乗り場(アルピコ交通バス長野駅前総合案内所前)から「ループ橋経由戸隠高原行き」乗車約1時間)
HP:https://www.togakushi-jinja.jp/about/index.php#a01

[All photos by kurisencho]

PROFILE

kurisencho

kurisencho ライター

熊本県天草の凪いだ海と潮の香りの中で育ちました。東京に住むことで、新しいもの、昔からあるものの良さを再発見し、今まで見てきた世界が広がりました。デジタル化の中で生きるアナログの力を確信し、儚いけど美しい、人と風景の一瞬をとらえたいと思い写真を撮っています。

熊本県天草の凪いだ海と潮の香りの中で育ちました。東京に住むことで、新しいもの、昔からあるものの良さを再発見し、今まで見てきた世界が広がりました。デジタル化の中で生きるアナログの力を確信し、儚いけど美しい、人と風景の一瞬をとらえたいと思い写真を撮っています。

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