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最強の「SNS映え」スポットをカナダに発見!日本人こそ訪れたいトロントの裏通り【カナダ・トロント】

Posted by: 坂本正敬
掲載日: Jan 23rd, 2020. 更新日: Jan 24th, 2020

旅先でSNS映えするスポットを探す、どころか「映える」スポットで写真を撮影するためだけに旅行をする人も居るはずです。そこで今回はカナダ最大の都市トロントで、ストリートアートのツアーガイドを行うTim Benvenisteさんに、トロントきっての「映える」スポットを教えてもらいました。

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(C)Masayoshi Sakamoto


落書きを芸術に変えたトロントの試み


トロントの高層ビル街
(C)Masayoshi Sakamoto

トロントと言えば、どんなイメージがありますか? シンボルのCNタワーだったり、川崎宗則選手が所属したトロント・ブルージェイズだったり、五大湖の1つオンタリオ湖だったり、その五大湖にあるナイアガラの滝だったり、トロント国際映画祭だったりを思い浮かべる人が多いと思います。


(C)Masayoshi Sakamoto

もちろんそうした名所も素晴らしいのですが、トロントにはカナダ最大の街らしく多種多様な魅力があり、そのうちの1つ、ストリートアートも忘れてはいけません。

ストリートアートと言えば、壁や地下鉄の車両などに描かれる違法な落書きと重なる部分もあるため、否定的な意見もあるはずです。


(C)Masayoshi Sakamoto

しかし、トロント市の場合は、市主導で2012年にStART(StreetARTorontoの略称)という取り組みを始め、状況が一変しました。合法で作品を描けるエリアを設けるなど、無秩序に広がる落書きに一定の枠組みを作り、市のブランド戦略に活用するという動きが起こったのですね。

その結果、グラフィティ・アレイ(Graffiti Alley)という一角が誕生し、Uber5000、Elicser、Poser、Skam、Spudなどの有名なアーティストが続々と生まれます。今では「芸術」として市民に認知されるまでに至りました。

壁面全体が水族館のように描かれた建物が「映える」スポット


グラフィティ・アレイ(Graffiti Alley)(C)Masayoshi Sakamoto

グラフィティ・アレイ(Graffiti Alley)はトロントの中心部、エンターテインメント・ディストリクトやファイナンシャル・ディストリクトに隣接したクイーン・ウエストという地区にあります。

クイーン・ウエストは、トロント市を東西に横切るクイーン・ストリート・ウエスト通り沿いに発展する商業地区で、カフェやラウンジ、レストラン、バーなどが軒を連ねた、活気あるエリア。

その通りと並行して走る路地を中心に、壁面がアーティストに開放され、合法的に作品作りができるようになっているのですね。


(C)Masayoshi Sakamoto

個人的な感想を正直に言うと、壁面に描かれた少なくない作品は、好みではありません。無反省な色づかいとデザインが目立つだけで、人間存在を深く見つめる内省的な洞察と振り返りの作業が、欠けているように思えるからですね。


(C)Masayoshi Sakamoto

しかし、StARTの公式地図を眺めると、中には目を見張るほど美しい作品もあると分かります。業者から依頼され、商業施設の壁面に巨大なアートを描いた有名アーティストの作品は安心して見ていられますし、そうではない、個人の発露として描かれたアートワークの中にも、実際に素晴らしいと感じた作品が多々ありました。


遠くから見た「SNS映え」最強スポット(C)Masayoshi Sakamoto

特に印象的だったスポットは、壁面全体に魚などのアートが施されている建物。Uber5000というアーティストが、4階建てのビル全体をアートで覆いつくした、不動産会社の入る商業ビルですね。

ガイド役を務めてくれたTim Benvenisteさんによれば、この場所を使ってウエディングフォトを撮影する若いカップルもいるほど、有名なスポットだと言います。まさにこの建物が、「SNS映え」する名所になります。

日本人のライバルが少ない!?


(C)Masayoshi Sakamoto

この壁面全てにUber5000の作品が描かれた建物は、グラフィティ・アレイ(Graffiti Alley)の路地に面しています。

グラフィティ・アレイを東端から入り、西側に向かって歩くと、オーガスタ・アベニューと言う通りと交差します。その交差点を渡ったすぐ先の左側に、不動産会社が入った4階建て(屋上部分の塔屋を含めて)の建物があります。その建物こそが、まさに「SNS映え」最強のスポット。


(C)Masayoshi Sakamoto

あまりの徹底した描き込みぶりに、「これは屋根まできちんと描かれているのですか?」と聞いてしまったほど。Timさんは「分からない」と笑っていたので衛星写真を調べると、屋上と塔屋(ペントハウス)の屋根には何も描かれていませんでした。

しかし、それ以外の部分は徹底して描き込まれていて、建物に設置された防犯カメラにまで、アートが施されています。


(C)Masayoshi Sakamoto

ちょうど壁面には非常扉があり、その扉の部分だけへこんでいます。その縁に腰を下ろして写真撮影をすれば、カラフルな絵画の一部になったような写真が撮れるようになっているのですね。しかも、色彩がはっきりしているため、加工をすれば、好みのテイストに調整もできるはず。

(C)Yuko Aida

時間的には5分ほど建物の前に滞在していただけでしたが、その間にも次から次へと撮影をする人が現れました。しばらく歩いて振り返ってみても、また別の人が同じ場所に腰かけて、写真撮影をしています。


(C)Masayoshi Sakamoto

ただ、関係者の話によると、トロントは現在、多くの観光客を世界中から呼び寄せられている一方で、日本の若者の旅行者が緩やかに減っている現状があると言います。言われてみると、写真撮影をしている人たちは欧米系を中心に、日本人ではなさそうな人たちばかり。

その意味で、日本人のライバルは少なめです。SNSにあげれば大変なリアクションが返ってくるはず。ぜひとも一度訪れて、SNS用の写真を撮影してみてください。新婚旅行などの目的地としても、向いてそうですね。

今回紹介した「SNS映え」するスポット
住所:577 Graffiti Alley, Toronto, ON M5V 2W1, Canada
グラフィティ・アレイ(Graffiti Alley)の一角

[参考]
StreetARToronto – The Map!

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター
翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。


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