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名物プロデューサーがサポート!地産地消の美しいおやつ「加賀パフェ」【石川県】

Posted by: 坂本正敬
掲載日: Jan 29th, 2020.

2020年(令和2年)は東京オリンピックの年ですが、2023年(令和5年)に控えた北陸新幹線の福井延伸も、少しずつ近づいてきました。2015年(平成27年)の北陸新幹線開業時には、沿線を紹介するメディアがたくさんありました。かなり気が早いですが、延伸した沿線にある加賀の名物をTABIZINEではご紹介します。

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ご当地グルメの名物プロデューサーによる加賀のおやつ


写真提供:加賀ご当地グルメ推進協議会(※写真のコラージュは筆者による)

全国にはいろいろとご当地グルメがあります。自然発生的に地域の事業者によって生み出されたケースだけでなく、市民団体が生み出した、市役所が主導して生み出したなどさまざま。

中には地域おこしの一環で、ご当地グルメをプロデュースする専門家がリーダーシップを発揮したグルメもあります。石川県西部の加賀市で生まれた加賀パフェもその一例ですね。

プロデューサーはヒロ中田さん。全国各地で話題の食をプロデュースしてきた方で、加賀の場合は先行してヒロ中田さんサポートによる「加賀カニごはん」が生み出されています。

そのヒロ中田さんのサポートによって、再び考案されたご当地グルメが「加賀パフェ」。今では「加賀乃酒」と、さらにプロデュースグルメは増えていますが、加賀市のおもてなし喫茶メニューとして、見た目も華やかなご当地パフェが、加賀のご当地グルメ3部作の第2弾として2016年3月にデビューを果たしたのですね。

加賀パフェのルールとは?


左:はづちを、右:フルーツランドの加賀パフェ 写真提供:加賀ご当地グルメ推進協議会(※写真のコラージュは筆者による)

ヒロ中田さんのプロデュースらしく、加賀パフェは、

・地場の食材
・ストーリー性の重視、または提供スタイルの徹底
・お店中心のレシピづくり
・ご当地グルメのブランド管理のための組織づくり

が徹底されています。加賀パフェは、一般的なご当地グルメとは違って、独自のアレンジが禁じられています。例えばお隣の福井県にあるご当地グルメ、ボルガライスはオムライスにトンカツをのせたメニューが基本でありながら、ヒット後の今では鍋や押しずし、山崎製パン『ランチパック』などにも発展していきました。

一方で加賀パフェに関しては、いい悪いは別として、勝手なアレンジは認められていません。加賀パフェを出せるお店も決まっていて、加賀パフェと名付けていいパフェのルールも決まっています。

例えばパフェは5層と決まっていて、各層には何を入れるかもルールが決まっています。加賀パフェの場合は正直に言えば、ストーリー性が少し弱いので(なんで加賀でパフェなのかという話が弱いので)、逆に提供の仕方で加賀の必然性を強調しています。

例えば、パフェだけでなく急須に入れた献上加賀棒茶を出してます。指定のパフェグラス、九谷焼の受け皿を用意するなど、パフェの出し方に加賀を感じさせる工夫が施されてるのですね。そのルールの中で、公認のお店は自由にパフェを表現できるのですね。


左:ふるさと、右:べんがらやの加賀パフェ 写真提供:加賀ご当地グルメ推進協議会(※写真のコラージュは筆者による)

加賀パフェは長い年月をかけたブランドづくりのために、加賀ご当地グルメ推進協議会を関係者同士で設立しています。

プロジェクトに参加する飲食店からの運営費、売り上げからの天引きなどで協議会を運営し、各店舗の提供するパフェの品質管理などを相互チェックできる仕組みをつくっているのだとか。

運営協議会には飲食店を公認する権限も持っています。ある種の参入障壁を設けて、勝手に独自の見解で模倣できないように、ブランドを守っているのですね。

運営協議会の審査においては、店舗の雰囲気や清掃状況なども公認・非公認の決定に影響を与えるといいます。トータルで見て公認できる飲食店しか、パフェを出せない環境が整えられているのですね。

加賀パフェの公認店6カ所はどこ?


左:まちカフェ、右:加佐ノ岬の加賀パフェ 写真提供:加賀ご当地グルメ推進協議会(※写真のコラージュは筆者による)

現在、加賀パフェを食べられる公認のお店は6店舗。

・片山津温泉総湯にある『まちカフェ』
・フルーツ狩り体験で有名な『加賀フルーツランド』
・カニの水揚げが有名な橋立港近くの岬の入り口にある『カフェ・ランチ 加佐ノ岬』
・加賀温泉駅前にある『くいもん家 ふるさと 加賀店』
・山代温泉にある『ギャラリー&ビストロ べんがらや』
・同じく山代温泉にある『はづちを茶店』

これらのお店の近くには、片山津温泉、山代温泉などの温泉地が密集しています。加賀市は加賀温泉郷の一部として、市内に片山津温泉、山代温泉、山中温泉などの温泉街を持ちます。隣接した小松市の粟津温泉だとか、福井県あわら市の芦原温泉などを加えれば、加賀市周辺は有名温泉地のメッカ。

さらに山中漆器なども伝統工芸も盛んで、旅行コンテンツがいっぱいです。その中に「加賀パフェ」というご当地グルメを生み出して、まちおこしを加速させようとしているのですね。

個人的には、家族と訪れた片山津温泉総湯の『まちカフェ』で、加賀パフェを口にした経験があります。細かくまでは覚えていませんが、カラフルで華やかなパフェだったと、目の前に広がる柴山潟の美しい景色とともに記憶しています。

公式ホームページによれば、1層目にカラフルなゼリー、2層目にはちみつの入った真っ白い生クリーム、3層目に野菜スポンジケーキ、4層目にポン菓子、5層目にアイスと見た目の華やかなとトッピングをパフェには入れなければ駄目だと書かれています。

その情報を頼りに思い起こしてみると、確かにその通りの上品な味わいのパフェだったような気もします。

加賀市は、北陸新幹線の現時点の終着駅である金沢からも車で1時間ほどの距離。石川県の玄関口である小松空港からも、車で30分ほどと近いです。

関西方面からは、JRの特急サンダーバードで2時間ほど。福井と石川の県境にある自治体で、周辺には温泉地がいっぱいありますから、北陸に温泉を目当てに遊びに行く場合は、真っ先に考えたい旅先です。

その際、周辺の温泉地を転々としながら、休憩がてらに先ほどの飲食店に入り、加賀パフェにもチャレンジしてみてください。どちらかと言えば子ども向きではなく、大人の女子向きのパフェだと思います。

[参考]
「B級ご当地グルメ」その現状と今後の課題 – 牛田泰正
加賀パフェ – 加賀ご当地グルメ推進協議会
Vol.60  ヒロ中田さん、「新・ご当地グルメ」提唱 – 水産経済新聞社
“おいしい”だけではなかったヒットの秘訣、リクルート式 地産地消「新・ご当地グルメ」の作り方 – JB press

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター
翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。


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