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スウェーデン発!フードロスをレスキューする究極のサステナブルカフェ「SOPKÖKET(ソップシューケット )」の実態を調査【スウェーデン・ストックホルム】

Posted by: 石原あや乃
掲載日: Feb 4th, 2020.

サステナブル大国であるスウェーデン。なかでも、地元民から絶大な信頼を得ているカフェがあるとか。今回はストックホルム内のスーパーやサプライヤーで捨てられてしまう食材を調理して提供している究極のサステナブルカフェ「SOPKÖKET(ソップシューケット)」がどんな仕組みで成り立っているのかを、現地で調査してきました。

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SOPKÖKET(ソップシューケット )


最近よく耳にする“サステナブル”って、何?

最近日本でも“サステナブル”というワードを耳にする機会が増えましたが、実際に取り組んでいる人、意識している人はどのくらい存在するのでしょうか。

そもそも、“サステナブル”の概念って?

社会の動きを見ながら、そんなことを考える人も多いのではないのでしょうか。

今回は、筆者が「これぞ本当の“サステナブル”」と肌で感じた経験から、もっと多くの人に知っていただきたいと思ったスウェーデンのカフェ「SOPKÖKET(ソップシューケット)」の取り組みをご紹介させてください。

捨てられる食材をレスキュー!スウェーデンのサステナブルカフェ「SOPKÖKET(ソップシューケット)」に突撃

SOPKÖKET(ソップシューケット )内観

スウェーデンを代表するマーケット「Söderhallarna(ソーデルハッラナ)」内に位置する「ソップシューケット」は、フードロスをなくすための取り組みから始まった、まさにサステナブルなカフェです。

オープンしてから5年経つこちらのカフェでは、これまで18トンの食品廃棄をレスキューしてきたとか。

一体、どんな仕組みで運営されているのでしょうか? オーナーのFilip Lundin(フィリップ・ルンディン)さんにお聞きしました。

フードロスを無くすため、売れ残った素材を再利用

SOPKÖKET(ソップシューケット )オーナーのFilip Lundin(フィリップ・ルンディン)さん
まず、こちらのカフェでは、ストックホルム内のスーパーやサプライヤーで売れ残った食材を、もらったり買い取ったりして、材料を調達しているといいます。

それらの食材をいかに美味しく食べるかをテーマに、調理師が日々メニューを考案しているとフィリップさん。「毎日提供するメニューの約50%以上は、廃棄されてしまう食材を使用しています」

ソップシューケット内観
毎日提供されるメニューは、当日までわからないとか。「どんな食材が手に入るかは、スーパーが閉まる時間になってみないとわかりませんので、メニューも決められません(笑)。それも理解して賛同してくださるお客さんがスウェーデンではほとんどです」

この日は“チキンと野菜”をレスキュー!

ソップシューケットのメニュー

ソップシューケットのメニュー
筆者が訪れた日に提供されたブッフェスタイルのランチメニュー(一人99 SEK、約1300円)は、チキンと野菜のカレー2種やセロリのマリネ、人参や赤キャベツのピクルス、スープなど。

ソップシューケットのメニュー
「今日は賞味期限切れのチキンをレスキューしました。実は、肉は賞味期限付近が一番柔らかくてジューシーで美味しくいただけたりするのです。我々のチームには、その見極めができる専門家がいるからこそ成り立っています」

マリネなど保存食が多いのは、スウェーデンという土地柄かもしれませんが、栄養バランスが良いだけでなく食べ応えも十分! ブッフェスタイルなので、好きなだけ食べることができるのも嬉しいポイントですね。実際に、男性客も多数訪れていましたよ!

これまでに8500食を寄付!ケータリングでも、廃棄したことがない!?

カフェだけでなくケータリングサービスも提供しているとのことですが、ケータリング先でも、フード廃棄を出したことがないとか! その理由としては、その場で食べるものだけでなく、テイクアウト提供もしているから。それでも残ってしまった場合には、ホームレスに無料配布して、残飯が出ない努力をしているとか。これまでに8500食寄付したというので驚きです!

また、環境のために、車ではなく電動自転車を使用して宅配しているという徹底ぶり。頭が下がりますね。

このビジネスアイディアはどこから?

「祖父がインドに住んでいて、しばらく滞在している時期がありました。インドは貧しく、できるだけ食べ物を残さない、食材を大切にするという文化があったのですが、帰国してみると、逆にスウェーデンは無駄が多過ぎるという風に目に映りました。何かビジネスを始めたいと思っていた時に、このインドでの経験がヒントになったのです」と、フィリップさん。

とあるフェスでフードトラックを出したことがカフェをオープンさせるきっかけになったとか。

フードロスをレスキューする考え方に賛同する人が次々にFBなどでフィリップさんの活動情報をシェアしたことにより、オーガニックスーパーの先駆者であるParadiset(パラディーセット)のトップが直接コンタクトしてくれたといいます。その結果、当時店舗としてお店を持っていませんでしたので、オープンできるよう後押ししてくれるという奇跡的な流れに!

「ソーシャルメディアが拡散してくれたおかげでカフェをオープンさせることができました。現状、冷蔵庫が小さく提供できる食数にも限りがありますので、将来的にはチェーン化できるといいなと思っています」

提供する側のみならず、消費者の意識の高さを改めて感じました。さすが、サステナブル大国と称されるスウェーデンの意識の高さは群を抜いていますね!

いきなり生活スタイルを大きく変化させることは難しいかなと思いますが、私たちにできることから少しづつ、環境保護に寄り添っていけるといいですね。

SOPKÖKET(ソップシューケット)
住所:Medborgarplatsen 3, 118 26 Stockholm, Sweden
電話番号:+46 73 399 63 08
営業時間:【月〜木】11:00~19:00、【金】11:00〜21:00、【土】11:30~16:00
定休日:日曜日
HP:http://www.sopkoket.se

[All photos by Ayano Ishihara]

石原あや乃

ayano ishihara 編集・ライター
ファッション雑誌のスタイリスト・編集者を経て、フリーランスに転身。2019年7月〜2020年3月までTABIZINE編集長を務める。座右の銘は一期一会。「自分の目で見て自分の肌で感じる」ことをモットーに、日々、新しいことを探求。 “人生”という旅を、自分の心が感じるまま突き進む変わり者。


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