
多民族社会のシンガポールならではの食文化
シンガポールに住む人は、中華系が74%、マレー系14%、インド系が9%。また、海外からの短期滞在者や観光客も多くて、様々な民族の人たちが、東京23区ほどの土地にワイワイと集まっているといった印象です。様々なバックグランドの人たちがそれぞれの文化を持ち込んで、それがミックスされて独自の食文化が生まれてきました。
街中どこにでもある屋台街・ホーカーズって?

忙しいシンガポール人の多くは、毎日のように、人によっては一日三食、外食しているそうです。そんなシンガポールの人たちの胃袋を支えているのが「ホーカーズ」です。ホーカーズはマーケットの2階や、高層マンションの1〜2階、高層マンションの間の土地など、シンガポールのどこにでもある屋台街のことをいいます。
以前はストリートに出ていた屋台を集めた半屋外の建物で、屋台街とは言いますが、上下水道、ガス・電気が整備されていて、清潔なトイレももちろんあります。その中の区画を借りて、屋台のように飲食店が軒を連ねます。
行列ができるラクサのお店へ

アラブ人街とインド人街の間にある、「Sungei Road Laksa (スンゲイ ロード ラクサ)」に出かけました。スンゲイ ロードという通りの近くですが、実際には タウンシェンド ロードにあります。いくつかのお店が入っている小さめのホーカーズの中の、黄色の看板が鮮やかなお店です。日曜日の午後1時ごろでしたが、このお店には30人くらいの列ができていました。
炭火で温めるスープにアサリで3シンガポールドルという安さに驚愕!

カウンター横には真っ赤に焼けた炭、その上には大きなポットが置かれていて、中にはスープが煮えています。奥にはピンク色のボールに麺を入れたものがいくつも準備されていました。
ピンクのボールを一つ手に取って、入っている麺にスープをかけて麺をほぐして、もう一度丁寧にスープをかけたら隣のカウンターへ。そこで具を乗せたら出来上がりです。フィッシュケーキ(かまぼこ)に生に近いアサリをたくさん、香草を振ります。ボールの縁に、サンバルというチリを添えて出来上がりです。

価格は3シンガポールドルですから、一杯約250円ほど。サイズは一般的な日本のラーメンの半分くらいです。
海鮮出汁ベースでとココナッツミルクたっぷりのスープが濃厚で、中華麺によく絡みます。アサリの食感がチュルっと、フィッシュケーキはプリッと。このアサリを使うところが、このお店ならでは。海鮮出汁にアサリの旨味が加わって、濃厚ながらもすっきりした味わいです。

隣のテーブルには若いカップルが座っていましたが、ふたりで4つ頼んでいました。また、ホーカーズにある他のお店の食べ物を一緒に食べている人も。そうそう、ホーカーズにあるテーブル席はお店ごとにエリアが決まっているわけでなく、どこに座ってもいいのです!そのフリースタイルも楽しいですよね。
日本でも楽しめる!インスタント ラクサをお土産に

さて、定番のラクサは、エビなどで出汁をとって作るココナッツミルクたっぷりのスープに中華麺、そこに海老、つみれ(かまぼこ)などを乗せます。スーパーマーケットで売っている袋入りのインスタントラクサのパッケージにも、確かにそのような具が乗っています。このPrima Tasteのラクサは2.26シンガポールドルで約180円でした(販売店によって価格差があります)。

こちらが、そのインスタントラクサを日本に買って帰って筆者が作った典型的なラクサです。一袋で一般的な日本のインスタントラーメンくらいのボリュームになりました。麺はしっかりとモチモチとしていて、液体スープは海老の香りと旨味が濃厚です。5袋入りでも売っていて、お土産にいいと思います。
ラクサを食べ歩くのも楽しい!
シンガポールにはラクサのお店がどこにも会って、日本のラーメン屋のように味を競っています。お店ごとにスープもいろいろ、具もいろいろです。正統派から、今回紹介したアサリ入りまで。ラクサを食べ歩くのも楽しそうです。
Sungei Road Laksa
住所:27 Jln Berseh, #01-100, Singapore 200027
営業時間:9:30~16:00
定休日:日曜日・水曜日
[All photos by Atsushi Ishiguro]
Atsushi Ishiguro ライター&フォトグラファー
旅するフードフォトグラファーです。そして、食生活について考えて、レシピを開発して料理もします。「おいしいものをおいしく伝えたい」をテーマに、世界のおいしいものを食べ歩き、写真におさめて、日本で再現し、みなさんと一緒に食べたいというのが、私のビジョンです。
【世界ひとり飯!人気ランキングTOP10】世界一有名なミシュラン屋台から
Mar 6th, 2023 | TABIZINE編集部
世界60カ国以上を一人旅した、旅するフードフォトグラファー 石黒アツシが、世界で出会い心に残った食べ物をつづる連載「世界ひとり飯」。これまで掲載した42回の中から、人気記事のランキングTOP10を紹介します。あなたのお気に入りの料理や、食べてみたい料理が入っているかもしれません。
【成城石井おすすめ惣菜】スープ麺ラクサをドライに!海老4尾で食べ応えあり
Nov 23rd, 2021 | 石黒アツシ
スーパーマーケット「成城石井」で、2021年11月30日(火)まで開催中の「シンガポールフェア2021」。目玉のお惣菜の一つが、「成城石井自家製シンガポール風ドライラクサ(海老の汁なしラクサ)」です。スープありの「シンガポール風ラクサ」は人気ですが、汁なしは初登場。味にこだわる筆者が実食レポートします。
【成城石井おすすめ惣菜】エビたっぷり「ピリ辛焼ビーフン」は今食べたい逸品
Nov 22nd, 2021 | 石黒アツシ
スーパーマーケット「成城石井」では、2021年11月30日(火)まで「シンガポールフェア2021」が開催中! 同フェアでは、お惣菜「成城石井自家製 シンガポール風ドライミーシャム(海老のピリ辛焼ビーフン)」(539 円・税込)が目玉の一つ。ということで、今回は、色合いも華やかな品を、グルメにうるさい筆者が実食レポートします!
【成城石井エスニック惣菜レビュー】鶏の煮込み「アヤムシオ」は隠し味が味噌
Nov 14th, 2021 | 石黒アツシ
11月30日まで開催中、成城石井の「シンガポールフェア2021」で登場した2つの「丼」のうちのひとつが、「シンガポール風アヤムシオ丼」。「Ayam Sioh」と書いて「アヤムシオ」。Ayamはチキンのことで、Siohはタマリンドとコリアンダーを使った煮込み料理のことのようです。今回は、これをいただきました!
【成城石井エスニック惣菜レビュー】ビーフルンダンはスパイシーでご飯に合う
Nov 7th, 2021 | 石黒アツシ
11月30日まで開催中、成城石井の「シンガポールフェア2021」の目玉お惣菜のひとつが「ビーフルンダン」。「シンガポール風ビーフシチュー」ともいわれる牛肉の煮込み料理ですが、そこはやっぱりシンガポール風ということで、9つのスパイスやココナッツを使ってあり、しっかりエスニック。今回はこれをいただきます!
成城石井「シンガポールフェア」に36品登場!駐日大使お墨付きの新作惣菜も
Nov 3rd, 2021 | Nao
なかなか海外に行けない今。せめて食で旅気分を味わいたい!という人におすすめなのが、現在開催中の成城石井「シンガポールフェア2021」。中華とマレー料理が融合した“プラナカン料理”など、現地さながらのグルメが勢ぞろい!さらにシンガポールの人気バーとコラボしたカクテルが登場するなど、前代未聞の充実ぶりと話題となっています。早速、その実態を調査してきました。
【成城石井エスニック惣菜レビュー】「シンガポール風ラクサ」はスープの旨さ
Oct 10th, 2021 | 石黒アツシ
世界中から選りすぐられた食品がそろうスーパーマーケット「成城石井」で人気のジャンルがお惣菜。中でも、エスニック系の惣菜が充実しているのが特徴です。そんな成城石井のエスニック惣菜を、世界中を食べ歩いたフードコーディネーターが実食ルポで紹介します。今回は「お弁当・お惣菜大賞2015」の麺部門で最優秀賞に輝いた「シンガポール風ラクサ」を、シンガポール現地で食べたラクサと比較してみました。
シンガポールの「バクテー」とは?現地の老舗の実食ルポ&家で簡単に作れる再
Jun 17th, 2021 | 石黒アツシ
シンガポールは食の宝庫!一流の三つ星レストランから、地元の人たちでにぎわうフードコート「ホーカーセンター」の毎日の食事まで、特徴があるレストランや屋台がいろいろ。中国系にマレー系、インド系に、その昔、中国からやってきた移民が現地の女性と結婚して、さまざまな文化を取り込んできたプラナカンと、多彩な食文化が息づいています。そんなシンガポールの人たちのソウルフードのひとつが「バクテー(肉骨茶)」です。「肉骨茶」と書きますが、もちろんお茶ではなく、お茶も使わず、スパイスがきいた豚のスペアリブのスープです。
【簡単レシピ】炊飯器で作る「シンガポールチキンライス」を3つのソースで激
Apr 12th, 2021 | 石黒アツシ
シンガポールに旅するならこれを食べないと!というリストに必ずと言っていいほど入っているのがシンガポールチキンライス「海南鶏飯(ハイナンチーファン)」です。「海南(ハイナン)」は今なら中国の海南省のことで、その昔シンガポールに渡ってきた海南の人たちが海南鶏飯を伝えたといわれています。世の中にシンガポールチキンライスのレシピはたくさんありますが、今回はシンガポールチキンライスに必須ともいわれる3つのソースを家でも簡単に作れるレシピを紹介します。
【世界ひとり飯17】世界一有名なシンガポール・チキンライスを、ミシュラン
Jun 21st, 2020 | 石黒アツシ
世界50カ国以上を一人旅した筆者が、世界で出会い心に残った料理をご紹介。今回は「シンガポール・チキンライス」。日本にもシンガポールレストランや、チキンライスの専門店などがあるので、食べたことがある人も多いと思います。また、炊飯器で作れるというレシピもWebにいろいろありますが、本場の味はどんななんでしょうか。