2020年2月オープン。どこもかしこもピカピカ
おもてなし、くつろぎ、和のデザイン、四季の美食をテーマとする、「東京イーストサイド ホテル櫂会(かいえ)」(以下、「ホテル櫂会」)が位置するのは、東京駅から京葉線でわずか3駅の潮見駅の目の前。駅に着いて、電車に乗っている時間はわずかなのに、東京駅周辺とはまったく異なるのどかな雰囲気にまず驚きました。「櫂会」というネーミングは、船を進めるためのオール「櫂」と一期一会の「会」に由来するそうです。
私が訪れたのは今夏の最高気温を記録したことがニュース速報でも流れた、8月の平日。チェックインをしようとフロントに立ち寄ろうとしたその瞬間、お手拭きと冷たい水を「よろしければどうぞ」と差し出してもらい、早くも、「あ、いいホテルだ」と確信しました。新しいホテルということもあり、どこもピカピカなことに加え、掃除も行き届いています。気持ちいい~!
ロビーを入ってすぐのところにはアクアリウムがあり、2階には吹き抜けの庭園も配しています。もう少し涼しくなったらここで和むのも気持ちよさそう! また1階の奥には、小さいながらもコンビニ(ローソン)が。都内かつ駅前のホテルですから、もちろん近くにコンビニはあります。ただ、ホテルを出ずにちょっとした日用品が買えるのはうれしいですよね。
お手製のマスクをしたベアでソーシャルディスタンス
気になるコロナ対策ですが、施設に入る時に検温と消毒。チェックイン時にも健康状態の確認がありました。レストランのメニューは、QRコードで読めるようになっています。何よりほほえましく感じたのは、ソーシャルディスタンスを保つためにソファに座っているクマちゃん。
このクマちゃん、ホテルのスタッフの方が包帯を使って作った、お手製のマスクをしているんです。ここ最近、どこでも見かける、物々しさを感じる「ソーシャルディスタンス」を促す表示もどこか和みます。
レディースプランでセルフエステを満喫
ホテルは9階建てで客室は全226室。2段ベッドを備えたファミリータイプや和洋室などバリエーションも豊富です。基本的にビジネス客は想定しておらず、シングルルームは設けてないそう。潔いです!
今回、セレクトしたのは、7月から販売を開始したという「ホテル櫂会オリジナル レディースプラン」。コチラ、ホテルの女性スタッフが意見を出し合って作ったプランで、客室には、アクセサリースタンドや、温感かっさ、スチーマーナノケア、エアーマッサージャー レッグリフレ、おしりリフレなど、Panasonic製の美容家電が客室に備えられています。さらにこちらは先着で予定の数に達し次第配布終了となりますが、「BULK HOMME」のトラベルポーチやトートがお土産にいただけちゃいます。
また今回は、最上階(9階)の「日本料理 あけくれ」での夕食、そして、「メインダイニング アンサンブル」での朝食が付いたプランを予約しました。さらにレディースプランの特典として、客室には、一保堂茶舗のお茶セット(煎茶・玉露・ほうじ茶・宇治清水)や、プチお重に入ったお饅頭セットも用意されています。おやつタイムもばっちりです。
やるべきこと、食べるべきものがたくさんあって、もはや忙しい(笑)。まずは軽くシャワーを浴び、お茶を淹れたら、フットマッサージをしながら、仕事のメールチェックを。これはたまりません。癖になりそうです。
ゲスト目線のおもてなしがうれしい
ホテルの随所にこだわりが。まずは客室編から。女性スタッフの提言により、ナイトウェアは上下セパレートのものを用意。汚れが目立つ白ではなく色付きにしたり、上は下着を付けていなくても気にならない素材、下はさらっと肌触りがいい素材を採用するなど、きめ細やかな配慮がなされています。「お、肌触りがいいぞ!」と思ったタオルは、今治タオルでした! シモンズ製(ファミリータイプの客室のマットはエアウィーヴ)ベッドは、ダイブしたら瞬く間に夢の中へと誘われること必至です。さらに、エスプレッソマシンがあったり、バスとトイレが別なのも地味にうれしかったりも。コンセントの数の多さには、改めて新築の新しいホテルであることを実感しました。ゲスト目線のおもてなしがうれしいです。
続いては公共スペース編。廊下が広く取られており、また絨毯の色が変わっていることに注目を。スーツケースが転がしやすいように、素材を変え色付けしてあるのだとか。長期滞在者向けに、コインランドリーも備えていました。
また、産学連携の取り組みとして、客室の廊下などに、多摩美術大学と東京コミュニケーションアート専門学校の学生たちによる、約120点の作品を展示しています。展示する作品は毎年変化するとのことで、今年は、多摩美の学生は二十四節気をテーマにした織物や染め物を、東京コミュニケーションアートの学生は都道府県を擬人化した絵画を制作したそうですが、これ、なかなか楽しくてつい見入ってしまいます……。
季節を変えて訪れたい、本格的な京懐石に舌鼓
ホテル内に飲食施設は3つ。1階には、ロビーやカフェ&バー「All Oar(オールオール)」があります。窓が大きく取られ、光が差し込む開放的な空間で、昼はカフェ、夜はバーとさまざまな使い勝手ができるのが魅力です。ウイスキーの品ぞろえも豊富で、夕食後、ナイトキャップを嗜んでみました。
2階の「Ensemble(アンサンブル)」は「HEALTHY & BEAUTY-食から美しく健康に-」をテーマとしたメインダイニング。着席ビュッフェ形式で、朝食、ランチ、ディナーを提供しています。筆者が訪れた時は、感染症対策でセットメニューでしたが、10月からは新しいスタイルでビュッフェの提供を再開するそうです。
最上階の「あけくれ」は、落ち着いた設えの日本料理のレストラン。季節の厳選した食材を使った、京懐石がいただけます。季節を感じる繊細な料理はどれもこれもしみじみ美味。食べながら、また季節を変えて訪れたい、そして、今度、母親を連れてきてあげたいと思いました。接待やお祝いの席などにも使えそうですよ!
お部屋キャンプが楽しめるコンセプトルームがデビュー
最近、客室でキャンプ体験が楽しめるコンセプトルームの販売を開始したとのこと。ホテルの方が、「部屋に入った瞬間に、うわあという声を出してほしいと思って企画しました」と話していて、こちらも気になるところ。客室には絵本プロジェクター、もしくは、プラネタリウムもついていて、大人でも子どもでも楽しめそう! 気の置けない友達同士やファミリーで、お部屋キャンプをしゃれこんでみるのも良さそうです。
東京駅からわずか3駅。そして、トレインビューの宿泊プランも用意するほど駅近の立地、さらには気持ちいいくらいピカピカの施設ときめ細やかなおもてなし。そして、リゾートのムードさえ漂う開放的な雰囲気。ちょっと気分を変えたい時や、籠って仕事をしたい時などにぴったりのホテル、本当は人にあまり広めたくないくらい(笑)。
ステキな点はたくさんありますが、個人的にはホテルスタッフたちの「このホテルを良くしていきたい」「お客様に心地よくステイして欲しい」という気持ちが、ハードからも、接客からも伝わってきて、それが最高に心地よかったです!
[All photos by kelly]