10:30 祖師谷大蔵駅

今回の旅のはじまりは自宅の最寄り駅、小田急線の祖師谷大蔵から。予算は交通費含めて5,000円。都内のお出かけという極めて日常の行為も、予算内でやりくりするというのは不思議と高揚感が高まります。それはさながらアノ遠足の掟「おやつは300円まで」のよう。それでは賢くお金を使って、日帰り旅を謳歌しましょうか。まずは人形町駅へ向かいます(交通費390円)。
11:30 天ぷら 中山

ランチは人形町駅のほど近くにある「天ぷら 中山」にて。ドラマ「孤独のグルメ」を見て以来、筆者が恋い焦がれていたお店です。
ランチメニューは全て千円台前半と、何かと敷居が高い天ぷらをリーズナブルに提供。ご家族で営まれているのもなんかイイ。人気店ゆえにお昼時は行列必須ですが、回転率が良く、すぐに順番が回ってくるのでご安心を。

名物の「天丼」(1,320円)をオーダー。しじみのお味噌汁とお新香がセットになっています。特筆すべきは女将の手作りお新香。おいしさとやさしさが融和した、日本人の心に響く逸品です。ドラマで主人公の井之頭五郎さんが、このお新香を食して「この時点で俺的に名店確定」と言ってましたが、激しく同感!

別名“黒天丼”とも称される名物の天丼は、蓋を開けると予想以上に真っ黒なビジュアル。海老天2本、穴子天、キス天、にんじんのかき揚げがやや固めのご飯に鎮座。このボリュームで1,320円とは、なんともうれしい。

しっかりタレが染み込んでいるのに衣はサクッ、フワッ。ご主人が毎朝市場で仕入れるという魚介は上質な旨味。鮮度の良さがわかります。エビはプリっと、キスと穴子はふっくらと揚げ具合も絶妙。タレは見た目ほど塩辛くなく、心地よい濃厚感。食べ進めるごとに食欲が増してくる極上の天丼でした。
12:00 清洲橋

ランチ後は腹ごなしも兼ねて歩いて清澄白河方面へ。こちらは隅田川に架かる清洲橋。古い倉庫や建物をリノベしたショップが続々登場していることから、巷で“日本のブルックリン”とも称されている清澄白河。隅田川は「イーストリバー」なのだそう。個人的には、なにかと海外に例えることに一抹の違和感を覚えなくもないのですが、大きな橋を渡るというのは東京であれニューヨークであれ気分が高まります。
12:30 アライズ コーヒー ロースターズ

人形町から歩くこと約30分で清澄白河に到着。「アライズ コーヒー ロースターズ」にてひと休み。

コーヒー豆は常時10種類以上のラインナップ。タイやミャンマー、ラオス、東ティモールなど他店ではあまり目にしない産地も。オーナーのお兄さんによると近年のアジアは設備投資が進んでいて、豆のクオリティが格段に上がっているのだそう。
店内に流れるBGMはタイの伝統音楽。世界各国のオブジェやスケートボードが飾られていたりと、オーナーの趣味が散りばめられた空間も必見です。

自家焙煎豆で淹れるアイスコーヒー(400円)は2種類用意。インドネシアとブラジル豆のブレンドは、すっきりした酸味と濃厚なコク。程よいボディの強さを感じます。秋の午後にピッタリな一杯。
13:00 清澄庭園

続いて「清澄庭園」を散策。明治11年に三菱財閥の創業者・岩崎弥太郎が荒廃した邸地を取得し、社員や貴賓を招待する場所として造園したのがはじまりの回遊式林泉庭園です。季節の花々やクロマツが池の周囲を彩り、まさに都会のオアシス。全国から取り寄せられた名石など見所も充実(入園料150円)。

木立から眺める清らかな池。木々の香りや水面に映るリフレクション、野鳥のさえずりが心に潤いをもたらしてくれます。
14:30 フカダソウ カフェ

自然美を堪能した後は本日2回目のコーヒータイム。こちらは築50年のアパート兼倉庫をリノベーションした「fukadaso(フカダソウ)」。2階には雑貨店などのショップが入居。101号室はカフェスペースに。錆びたトタン壁など、建物の持つ時間も継承されています。

“壊さず、つくり込まず、手入れした”という「fukadaso cafe(フカダソウ カフェ)」。アンティーク家具やモダンアートが配され、新旧が美しく調和。時の流れがゆるやかで、日々の忙しさを忘れさせてくれそう。

カフェメニューも豊富な品揃え。自家製ジャムが添えられたスコーン(300円)は、バターの風味が濃厚でサクッとした食感。コーヒー(480円)は深いコクとビターな味わい。スコーンとの相性抜群です。
15:30 リカシツ

次にfukadasoの102号室にある「リカシツ」へ。理化学ガラス製品の老舗卸問屋「関谷理化」のアンテナショップです。

店内には試験管やビーカーなどのガラス製品がズラリ。さらに日常使いしやすいオリジナルアイテムも幅広くそろいます。

学校の理科室でお馴染みのフラスコも使い方次第でおしゃれ雑貨に。好奇心がくすぐられる空間でした。
16:00 深川江戸資料館

続いて「深川江戸資料館」へ。展示室には1840年頃の深川の町並みが実物大で再現。長屋や商家、船宿、当時のファストフードであった稲荷寿司や天ぷらの屋台なども立ち並びます(入館料400円)、

庶民が住んでいた長屋。驚いたのは、6畳ほどの小さな部屋に子持ち家族が住んでいたということ。各家ごとの家族構成や職業も設定されており、それぞれの暮らしに合った調度品を配置。リアルな日常が感じられるのも魅力です。
17:00 ガゼボ

1日の終わりはワインバーで締めくくることに。こちらは古い倉庫を改装した「ガゼボ」。半オープンエアな雰囲気は、さくっと一人飲みしたい時にピッタリ。

アルザスのリースリングをオーダー(1,000円)。花のような香りで繊細な甘み。キリッとした酸味が1日の疲れを癒やしてくれます。
帰りは清澄白河駅から帰宅(交通費440円)。本日の出費は4,880円也。天丼、コーヒー、自然、歴史、ワインと充実した内容になった模様です。5,000円で街を楽しみ尽くす新企画「東京さんぽ」。次回をお楽しみに!
[All photos by Nao]
※記事中の価格は全て税込です。

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Nao ライター
メーカー、ITベンチャー勤務を経てフリーランスに。
学生時代から旅を続け、渡航国は現在50カ国。
特技は陸路国境越え。グルメレポート翌日に大学の最先端研究を取材したり、ロシア州知事にインタビューしたり。幅広い対応力とフットワークの軽さが自慢。日本ソムリエ協会認定資格ワインエキスパート保有。
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