満足度の高いレストランチェーンは?
今回取り上げるレストラン部門(レストランチェーン)では、かっぱ寿司、ガスト、木曽路、くら寿司、ココス、サイゼリヤ、ジョイフル、スシロー、デニーズ、はま寿司、バーミヤン、びっくりドンキー、ロイヤルホスト、いきなり!ステーキがノミネートされています。
満足度の評価を下す人は、過去半年以内で2回以上、自分で会計を払って利用した人たち。さらに個人の好みが強く反映された調査結果にならないように、各飲食店に対する評価は、300人以上から集まるように工夫されています。その回答数が十分に集まらなかった飲食店として、今回の調査では、いきなり!ステーキが残念ながらランキングの対象外となってしまいました。
以上の背景を踏まえ、顧客満足度の最も高かった飲食店はどこだったのでしょうか。
第5位・・・くら寿司(74.6)
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最初はGo To Eatキャンペーンにおいて「無限くら寿司」で話題になったくら寿司です。くら寿司といえば、100円ずしをメインに提供する回転ずしチェーンですね。調べてみると本社は大阪。521のお店を出す中で、台湾やアメリカなど海外にも進出しています(2020年10月末現在)。
「JCSI(日本版顧客満足度指数)」では、顧客満足度評価の内訳として、評価ポイントの詳細にも触れています。
くら寿司の場合、知覚価値(コストパフォーマンス)が6位、推奨意向(口コミ)が7位、ロイヤルティ(将来への再利用意向)が6位と、いくつかの分野でポイントを重ね、総合的な顧客満足度評価で5位に入りました。
やはり、100円皿を中心とした経済性と、同社が大切にするスローガン「安心・美味しい・安い」が実現されているとして、口コミや再利用意向が高まったのかもしれませんね。
第4位・・・スシロー(76.7)
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すしチェーンとして、スシローも第4位に入りました。くら寿司と同じく、スシローも100円ずしをメインに提供する回転ずしチェーンで、なんと本社も大阪です。くら寿司、スシローともに、大阪発祥のレストランチェーンだったのですね。
公式ホームページによれば、お店の数は583店舗(2021年3月31日現在)。くら寿司よりも少し多いイメージでしょうか。
スシローの評価の内訳については、顧客期待(企業ブランドへの期待)が第4位、知覚品質(全体的な品質評価)が第5位、知覚価値(コストパフォーマンス)が第2位、推奨意向(口コミ)が第5位、ロイヤルティ(将来への再利用意向)が第3位と、幅広い分野で評価を得ているとわかります。
特にコストパフォーマンスの評価が全レストランチェーン店の中で第2位ですから、「安いのにおいしい」という印象が徹底して消費者の中に浸透しているようですね。
第3位・・・木曽路(77.7)
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第3位には木曽路がランクインしました。木曽路といえばネーミングからもなんとなくわかるように、日本料理のレストランチェーンです。
特にしゃぶしゃぶが有名ですが、中には木曽路と聞いて、同時に数年前の「牛肉偽装」の問題を思い出す人もいるかもしれません。しかし、過去5年の調査を見ると、木曽路の顧客満足度は着実に右肩上がりです。
今回の調査結果を部門別で見ると、顧客期待(企業ブランドへの期待)が第2位と高く、推奨意向(口コミ)については並み居るライバルをおさえて、第1位を獲得しています。言い換えれば、過去のトラブルを着実に乗り超えているのですね。
木曽路は関東、中部、関西、九州と広く店舗を展開しています。これらの地域で食事に困ったら、木曽路も有力な選択肢になってくれそうですね。
第2位・・・サイゼリヤ(79.8)
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2位にはサイゼリヤがランクインしています。サイゼリヤといえば、言うまでもなくイタリアンのレストランチェーン。ピザもエスカルゴも「この値段で?」と驚きの味わいを実現をしているお店ですよね。
案の定、顧客満足度の内訳を部門別に見てみると、知覚価値(コスト・パフォーマンス)とロイヤルティ(将来への再利用意向)の部門でサイゼリアは、第1位を獲得しています。
「この値段でこのクオリティー?」という驚きに似た称賛の声が、多くのリピーターを生んでいるみたいですね。
個人的には、何かイタリアにプチ旅行した気分にもなれて大好きです。新型コロナウイルス感染症の影響で、海外に行けない今は、サイゼリヤで「海外旅行」を楽しんでみてはいかがですか?
第1位・・・びっくりドンキー(81.3)
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これまでに紹介した素晴らしい飲食店をおさえて、見事に第1位を獲得した企業は、びっくりドンキーです。2019年度調査ではサイゼリヤ、リンガーハット、木曽路よりも下位に甘んじていましたが、1年でごぼう抜きを果たしています。
びっくりドンキーといえば、やはり真っ先に思い浮かぶ食べ物はハンバーグです。
ハンバーグはそもそもドイツ生まれの食べ物なのに、なんとなくハンバーグ=アメリカというイメージがありませんか? その日本人が考える「本場」のノスタルジックな雰囲気を意識した(と思われる)店内の内装も、気分を盛り上げてくれます。
調査結果を部門別に見ると、顧客期待(企業ブランドへの期待)と知覚品質(全体的な品質評価)が第1位、知覚価値(コスト・パフォーマンス)、推奨意向(口コミ)、ロイヤルティ(将来への再利用意向)が第2位となっています。
サイゼリヤと同じく、びっくりドンキーはちょっとだけ外国の雰囲気を楽しませてくれる要素もあります。
新型コロナウイルス感染症の影響で、自由にアメリカに行けない日々が続いています。「ああ、アメリカに行きたいな」という思いを満たす意味でも、今度の週末はびっくりドンキーでハンバーグを食べてみてもいいかもしれませんね。
以上、飲食店における顧客満足度調査の結果でした。旅先の食事に限らず、遠出できない日々のストレス解消をしたい場合は、顧客満足度調査の結果が高かった飲食店に行ってみるといいかもしれません。また数年たった時に、この評価がどのように変化していくのか、時には外食を楽しみながら引き続き注目していきたいですね。
[参考]
JCSIプレスリリース
JCSI 日本版顧客満足度指数 第4回調査 詳細資料 – 日本生産性本部サービス産業生産性協議会
[Photos by Shutterstock.com]