利用者満足度ランキング【9】旅にも役立つみんなが大好きなファッションブランドは?

Posted by: 坂本正敬

掲載日: Apr 15th, 2021

旅先にどのような服を着ていきますか?日本人の旅行者に海外で出会うと、特に女性の場合はすごく着飾っている印象があります。しかし、旅先にはそんなに高価な服を着て行かないほうがいいという意見もありますよね。その意味で旅先のファッションは、納得できるおしゃれさがありながら、一方でコスト的にも手軽なアイテム選びが鍵になってくると思います。では、おしゃれでありながら値段も安い、皆の満足度が高いファッションブランドと言えば、どこになるのでしょうか。今回は「JCSI(日本版顧客満足度指数:Japanese Customer Satisfaction Index)」の2020年度版(最新版)の情報を基に、皆が大好きなファッションブランドを紹介します。

服をパッキング

満足度の高いファッションブランドは?

スーツケースの中の服

洋服選びには、さまざまな要素が関係してくると思います。デザイン、価格、接客などなど。幾つもの要素で「このブランドが好き」という気持ちが生まれてくると思いますが、今回は顧客満足度という切り口で、人気の洋服ブランドをまとめてみます。

「JCSI」の2020年度版では、earth music&ecology、H&M、GAP、ZARA、GU、しまむら、Honeys、UNIQLO、AOKI、はるやま、洋服の青山、コナカを評価の対象に、過去1年で2回以上、会計を伴う利用をした人たちに対して、知覚品質(全体的な品質評価)、顧客期待(企業ブランドへの期待)、知覚価値(コスト・パフォーマンス)、推奨意向(クチコミ)、ロイヤルティ(将来への再利用意向)などを聞き、総合的な顧客満足度を割り出しています。

評価に個人の好みが強く反映されないように、1ブランドに対して300人以上の回答者が集まるような設計もされています。

ファッション業界は、以上に挙げたブランド以外にも山ほど選択肢があるわけですが、少なくとも上述のラインアップでは、どこの顧客満足度が高かったのでしょうか。

第5位・・・H&M(74.8)

H&Mの紙袋を持って歩く人

(C) Sara Sette / Shutterstock.com

第5位には、海外のファストファッションブランド、H&Mが入りました。同社はスウェーデン発のアパレルメーカーで、名前の由来は「Hennes & Mauritz(エネス・アンド・モーリッツ)」の頭文字からきているそう。

もともとHennes社としてスタートした後に、Mauritz社を買収し、両者の名前を名乗るようになったのですね。ただ、毎回この名前を呼ぼうと思っても大変です。略称が正式名称になってくれて、消費者としてはありがたい気もします。

同社は2008年に日本に進出を果たし、今では100店舗を超える広がりを見せています。評価の内訳を見ると、知覚価値(コスト・パフォーマンス)の部分で第6位と健闘している様子が目に留まります。

海外のファストファッションは生産から販売までが早く、流行の最先端を楽しめるものの、品質に難があるという専門家の意見も聞きます。しかし、その品質の弱点を差し引いても、流行の衣類が安く買えるという点で、知覚価値(コスト・パフォーマンス)が高く評価されているのかもしれません。

とりあえず流行を取り入れたファッションを気軽に海外に来ていきたいという人は、買いのブランドかもしれませんね。

第4位・・・UNIQLO(76.4)

ユニクロ

(C) August_0802 / Shutterstock.com

日本を代表するファストファッションのユニクロが、第4位にランクインしました。ちなみにカッコ内の数字は、顧客満足度のポイントです。ユニクロはもはや説明不要のファッションブランド。顧客たちには、何が評価されたのでしょうか?

評価の内訳を細かく見ると、知覚品質(全体的な品質評価)が他のブランドを押さえて第1位となっています。例えばジーンズなどパンツの品質の高さは、衣類の専門家たちが口をそろえて評価するポイントです。

そうしたユニクロの品質の高さが、知覚品質における第1位の評価につながっていると考えられます。

第3位・・・GU(77.6)

GU

(C) Ned Snowman / Shutterstock.com

ユニクロと同じファーストリテイリングが手掛ける日本のファストファッションブランドです。

ユニクロはあくまでもベーシックなデザインの洋服が並び、GUはよりトレンドを意識したファッションアイテムをリリースしています。お店に若者が多い理由は、トレンドを重視した品ぞろえだからなのですね。

評価の内訳を部門別で見ると、ロイヤルティ(将来への再利用意向)が第1位と際立っていて、知覚価値(コスト・パフォーマンス)も第3位と高いです。ファッション性に加えて、驚くほど安い価格設定が、「また利用したい」というファンを多く生み出しているようですね。

せっかく日本人として、「日本人代表」として海外旅行をするのです。旅の服は日本のGUで決めると、特に若い人はいいかもしれませんね。

第2位・・・earth music & ecology(78.1)

 

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「アース」の通称で知られる女性向けファッションブランドが、第2位にランクインしました。同調査における同ブランドの評価は常に高く、「JCSI」の2016年度、2018年度版では、顧客満足度調査で第1位を獲得しています。

評価の内訳を詳しく見ると、カジュアル部門ではearth music&ecologyの顧客期待(企業ブランドへの期待)、推奨意向(クチコミ)が第1位です。

筆者は男性なので同社の服を買いませんが、earth music&ecologyの売り場の前を通るだけでも、CMキャラクターである宮﨑あおいさん、鈴木京香さん、広瀬すずさんの雰囲気を通じて、ブランドが打ち出すエイジレスなイメージが伝わってきます。

それでいて知覚価値(コスト・パフォーマンス)も第2位と高いので、価格の面からも高い評価を得ているのですね。

第1位・・・Honeys(79.6)

earth music&ecologyとの競争に打ち勝ったブランドが、Honeysでした。製造から小売りまでを一貫して手掛けながら、「高感度、高品質、リーズナブルプライス」を実現する、福島発のヤングカジュアル婦人服のブランドですね。

評価の詳細を見ると、カジュアルブランドの部門では知覚価値(コスト・パフォーマンス)が第1位、知覚品質(全体的な品質評価)が第2位です。「高感度、高品質、リーズナブルプライス」のスローガンが、評価にも反映されているのですね。

週刊エコノミストの取材で、同社の経営者・江尻義久さんは、「価値あるものを安く」をモットーに挙げています。まさに旅人が求める旅に必要な服としても、最適な候補になってくれるのではないでしょうか。

以上、旅に不可欠なファッションアイテムの顧客満足度調査を紹介しました。ファッション性と品質と安さ、この点を意識しながら上手に旅先の衣類をチョイスしたいですね。

[参考]
JCSI 日本版顧客満足度指数 第2回調査 詳細資料 – 日本生産性本部サービス産業生産性協議会

PROFILE

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

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