
お神酒から生まれた“飲む極上ライス”「ミキ」

以前から沖縄に行くと気になっていたローカルドリンク。その豊富さに、文化・歴史的に何か理由があるに違いないと気にはなりつつも、旅行中はわざわざ商店やスーパーに出向いて買うほどの余裕はなかったのです。今回は飲むぞ!と決めて試してみました。

まずは、沖縄を訪れると気になっていた「ミキ」。以前、奄美大島で飲んだ「ミキ」は乳酸菌発酵飲料とのこと。沖縄では昔から穀類や芋類をすりつぶして飲む習慣があったそうで、それを商品化したのがこの「ミキ」120円(税別)です。コンビニにはなく、街中の商店で購入しました。
「ミキ」とは“神酒(みき)”のことで、元々は神事の際にすりつぶした米や麦を発酵させて作っており、戦後に自家製の神酒を販売する人が現れて、ローカルドリンクとして定着したそうです。こちらは宮古島の「マルマサ」製です。

飲んでみるとドロっとしたのど越しで、“飲む極上ライス”と缶に記されている通りほんのりと甘味を加えたお粥のような、甘酒のアルコール分が含まれていないような舌ざわり。葛湯をも思わせます。原材料は砂糖、白米、もち米、麦、乳酸。
コクのある“飲む玄米”「黒糖玄米」

こちらは「黒糖玄米」128円(税別)の名前の通り、すりつぶした玄米を黒糖で味付けしたドリンク。昔から健康飲料として家庭で作られていたものが商品化されたようです。家庭では、ショウガのしぼり汁を加えることが多いそうです。
「ミキ」と比べるとコクがあります。トロリとしたのど越しは同様です。玄米と黒糖でこの色になっているのでしょう。原材料は玄米、黒糖、砂糖、ショウガ、食塩。こちらも「ミキ」と同じ「マルマサ」製です。
「ミキ」と「黒糖玄米」は、ドリンクというよりは飲料と固形食の中間のような存在です。お粥をよりなめらかにしたような感じ。地元では、風邪をひいた時や食欲がない時、時間がない時の栄養補給や健康食品として利用する人も多いようです。常備しておくと、困った時に重宝しそうですね。
青汁のような「からだにユーグレナ」

次は、石垣島の中心街にある“ユーグレナモール”や“ユーグレナ石垣港ターミナル”でおなじみの「ユーグレナ」。以前、ショッピングモールの近くにある「ユーグレナ ガーデン」というカフェに入ったことはありましたが、ドリンクを飲んだことはなかったのです。


今回気付いたのが、石垣港離島ターミナルに「ユーグレナ」という名前がついていたこと。2018年4月から5年間、この愛称で呼ばれるようになったそうです。どうりで港に自動販売機を見かけたわけです。

ユーグレナモールだったと思いますが、街中でも見かけました。宣伝効果たるやすごいですね。一度は飲んでみたい気になってしまいます。

「からだにユーグレナ」260円(税込)の果実スムージー。“ユーグレナ”とは何だろう?と思っていたら“ミドリムシ”のことなんですね。ですが、こちらの“ユーグレナ”はプランクトンではなく、藻の一種だそう。食物繊維、亜鉛、鉄、ナイアシン、β-カロチン、ビタミンB1、B2、B12、E、Kなど59種類の栄養素が含まれており、最近ではサプリメントとしても人気なようです。
筆者が飲んだのは、ヨーグルト10個分(1個100gあたり)の乳酸菌入りユーグレナ。飲んでみた最初の感想は、見た目同様「青汁みたい」。リンゴやキウイの果汁をミックスしているので、フルーティで飲みやすいです。ビタミンCも同時に取れます。パンプキンピューレとほうれん草も入ってるので、「青汁みたい」なのはそのせいでしょうか。
ビタミン、ミネラル、食物繊維がバランスよく含まれているとのことで、1本で数多くの成分がとれるので毎日飲んだら確かに身体に良さそうです。太陽とミネラル豊かな石垣島で育ったユーグレナを使用し、無添加、ノンカフェインです。
島んちゅに愛されるソウルドリンク「ゲンキクール」

キャラクターのゲンキ君がかわいらしい「ゲンキクール」75円(250ml・税別)。石垣島限定の乳酸菌飲料です。沖縄本島でも手に入らないレアな一品。創業昭和32年(1957年)の八重山ゲンキ乳業の商品です。コンビニで購入できます。
とにかくヴィヴィッドな色使いのパッケージがインパクト大!コンビニのドリンクコーナーでも目立っていました。石垣島では小さい頃からみんなが飲んでいるおなじみの飲み物とか。
少しピンクがかった色合いが乳酸菌飲料としては珍しい。わりと濃厚な味わいですが、後味はスッキリとしています。くどくなく、バランスがいいです。
ちなみに“クール”とは、竹富島の方言で“倉庫(庫裏)”を意味し、穀物などが貯蔵されていたとのこと。
このゲンキ君グッズを扱うお店が石垣島にあります。キュートなグッズが満載です。
>>>石垣島でしか手に入らない!超ご当地キャラクター“ゲンキ君”グッズの店「ゲンキ 石垣さかい商店」
ほかにも多彩なご当地ドリンクが!

なぜ沖縄、石垣島にはこんなにも独自の飲み物が多いのでしょう?「ミキ」はお神酒から、「ゲンキクール」は元々は宮崎県で人気の乳酸菌飲料から着想を得て発展したとの説があります。暑い時期が長いことも理由かもしれません。「からだにユーグレナ」はオンラインショップもあり全国展開なようですが、あとの3種は今ではすっかり石垣島のソウルドリンクとして定着しています。
ほかにも「マリーブ」(石垣島限定)「ヨーゴ」「メイグルト」「元気の子」(宮古島限定)など、沖縄にはさまざまな乳酸菌飲料が販売されています。他社製の「ミキ」もあるようです。みなさんも沖縄本島周辺や宮古諸島、八重山諸島を旅したら、島ならではのご当地ドリンクを味わってみてはいかがですか。
[All photos by Yo Rosinberg]
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ロザンベール葉
主に横浜・東京で育ち、縁あって京都に在住。美術書出版社勤務を経て、フリーランスライター歴20年余り。フランス人のパートナーと共に、フランスとイタリアを中心に気ままな旅をする。海はどこも好きだけど、「地中海」という響きに憧れる。マイペースが好き。
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