昔からずっと変わらず“日本の心”を詰めた京菓子の老舗「笹屋伊織」
1716年創業の京菓子の老舗「笹屋伊織」。京都御所、神社仏閣、茶道お家元の御用達で、弘法大師様の月命日(21日)にあわせて、毎月3日間限定で販売している代表銘菓「どら焼」でおなじみの和菓子屋さんです。近年は「京都イオリカフェ」や「嵐山SASAYAIORI+(ササヤイオリプラス)」の甘味処もプロデュースし、和菓子の美を伝えています。
2020年7月にオープンした「笹屋伊織 別邸」は、京都鉄道博物館や京都水族館のある梅小路エリアの「ホテルエミオン 京都」の1階に入っています。
大きな暖簾をくぐると、壁一面のガラス張りの窓からは自然光が差し、天井は高く、一瞬にして心は解放的に。外では竹の笹が風に揺れ、京都らしさに触れられるのも観光客としてはうれしいものでした。
左側では笹屋伊織のお菓子が販売され、右側のイオリカフェプレミアムではお食事や甘味をいただけます。手前にカウンター席、奥にテーブル席とあり、白銅色がにじみ輝く静かな空間です。
和菓子職人さんのアイデアが生む食事と甘味
「和菓子なごはん」をテーマに、どら焼の皮でソーセージや手亡豆のサラダを挟んだお食事サンド、桜餅などでおなじみの道明寺を使ったリゾット、京茄子のボロネーゼなど、和菓子の材料を使った斬新なカフェメニューです(600円台〜)。
笹屋伊織の和菓子や限定菓子など、すべてを味わい尽くせる和のアフタヌーンティー(右)、弘法大師様の月命日(毎月20・21・22日)に登場する「どら焼」(左)のほか、抹茶や黒蜜きなこのパフェ、こだわり卵のフレンチトースト、あんみつ、ダルゴナ抹茶かき氷や宇治金時など、季節の甘味も豊富。お飲み物も、コーヒー、紅茶、ほうじ茶、抹茶、ダルゴナ抹茶ラテなど揃っています。
グラスの中、一品ごとが洗練された抹茶パフェ
屋号の「笹」の字がパフェの頂きを飾る「抹茶パフェ」(1,200円・税抜)。パフェグラスの中の層に見惚れます・・・。
空気のように軽い最中。気づかない内にサクッと音を立て、この食感だけでも価値がある!と言っていいほど。
ふわっとやわらかな抹茶クリームの中にはバニラアイスが隠れて、一緒にいただくと抹茶はミルキーに。
さらに最中で仕切り、その下には新緑を表現した青紅葉型の羊羹、白玉団子、粒あん、生クリーム、グラノーラ、抹茶クリーム、抹茶ゼリー、寒天と続きます。砕いたグラノーラはコリコリと素材の味が香ばしく存在感があり、ゼリーと寒天で最後をさっぱりと締めくくります。
一見王道の内容ですが、ひとつずつの味わいが良く、重なり具合・空間具合も美しく、その様子からも丁寧に創られたことが伝わります。さらに、パフェに添えてあった季節のお手紙が心の隙間に充足感を与えてくれました。
美術鑑賞をするようにお土産選びを
床の間のような壁にはお菓子の木型を飾っています。壁の蓮や菊のモチーフはこの木型で押されているそうです。
こだわりのあんをスプーンですくって食べる「伊織のおはぎ」や関西限定洋菓子も販売されています。
カフェでゆるりと過ごしたら、美術館のようなお菓子の販売エリアも、ぜひのぞいてみましょう。梅小路エリアの散策の途中や、京都駅で新幹線待ちの時間に立ち寄って、京都の余韻に浸ってみてはいかがでしょう。
住所:京都府京都市下京区朱雀堂ノ口町20-4 ホテルエミオン 京都1F
電話:075-322-8078
営業時間:10:00~18:00(ショップ)、11:00〜18:00(カフェ)
定休日:無休
交通:JR嵯峨野線「梅小路京都西駅」から徒歩約2分
HP:https://www.sasayaiori.com/
[all photos by kurisencho]