国内で人気の旅先のひとつ、石川県金沢市。たくさんの宿泊先があって、初めての人はどこに泊まっていいかわからないかもしれません。そこで今回は、北陸に暮らす筆者が最近宿泊して見つけた魅力的な金沢のホテル「ハイアット ハウス 金沢」を紹介します。
お手頃な価格でぜいたくな時間を楽しめる
JR金沢駅構内
国内旅行者にとって金沢観光の玄関口はJR金沢駅になると考えられます。自動車で訪れる人は別ですが、最寄りの空港が小松空港になるため、飛行機で石川に訪れた人も金沢駅へ電車で移動する必要があります。
そうなると駅周辺、あるいは駅に直結してホテルがあると、荷物を置いて手ぶらですぐ散策に出られ、とても便利です。
さらに晩秋から北陸は曇天が増え、降水量も増えます。荷物を持ったまま歩き回る時間はとても大変なので、駅に直結してホテルがあると天候の面でも安心です。
金沢駅金沢港口(西口)駅前
ホテルの選択肢はその意味でおのずと限られてきますが、駅前のホテル、駅直結のホテルというと兼六園口(東口)の「ホテル日航金沢」と「ANAクラウンプラザホテル金沢」、いくつかのビジネスホテルが真っ先に思い浮かびます。その並びでもう1つ注目したいホテルが、兼六園口(東口)と反対の金沢駅金沢港口(西口)駅前にある「ハイアット ハウス 金沢」です。
駅前広場には商業施設の「クロスゲート金沢」があり、「ハイアット セントリック 金沢」と「ハイアット ハウス 金沢」がその上層階に隣り合って建っています。
そのうち、2020年(令和2年)8月に国内で初めて誕生した「ハイアット ハウス 金沢」が今回の話題の中心になります。
祝前日の平日(執筆時点)で駅周辺のホテルの料金一覧を見ると、「ハイアット セントリック 金沢」>「ANAクラウンプラザホテル金沢」>「ホテル日航金沢」>「ハイアット ハウス 金沢」>各ビジネスホテルといった感じ。
「ハイアット ハウス 金沢」は、ホテルのスタッフの装いも、スニーカーをコーディネートしたり、個性を生かしたヘアスタイルであったりと、ハイアットの中ではセレクトサービスブランドに位置付けられていて、カジュアルでありながらも洗練された特別感があります。
それでいてお手頃価格なので、旅先でのぜいたくな時間をお得に楽しめてしまうのです。
調理器具や食器の有無で楽しみのバリエーションが一変する
宿泊した部屋。ベッドと枕、硬めのソファの使い心地が抜群
さらに『ハイアット ハウス 金沢』の魅力として、
<自宅にいるような快適な滞在を>(公式ホームページより引用)
と宣伝されているように、キッチン付きの部屋の多さも挙げられます。
例えばキッチンなしのお部屋(デン キング)は28平方メートルで14室、キッチン付のお部屋(キッチン スタジオ)は41平方メートルで58室です。キッチンありの部屋のほうがむしろ多いのですね。
宿泊した部屋とは別のタイプの客室例。宿泊時に筆者は部屋のキッチンでカニのトマトクリームパスタとピザを作った image by 笠原大貴
長期滞在をしながら料理を楽しみたい人はもちろんですが、そこまで本格的に料理しなくても、部屋で飲み直す時に重宝する設備と調理器具、食器類がひとそろい用意されています。
例えば女子同士で金沢旅行を楽しみ、レンタル着物でクタクタになった体で部屋に戻ったとしましょう。日本三大和菓子処にして市民のアイスクリーム消費額が日本一の金沢のスイーツを部屋で食べたり、近江町市場で買った魚介類をさかなにお酒を飲んだりして、もう一押し夜は語るとします。顔にパックでもしながら。
その時に、キッチンありとキッチンなし、気分の上がる食器類や簡単な調理器具の有無で、楽しみのバリエーションが格段に違ってきます。
ロビーに面したテラスの眺め。日没の方角に芝生のテラスがある
お酒やドリンクが足りないと思えば、ロビーの一角に設けられた「H バー」で飲み直しももちろん可能ですし、地元ならではのフードアイテムや日用品等を取りそろえた「H マーケット」で簡単なお酒やお菓子、食べ物を24時間購入できます。
何かが不足した時にロビーへ降りて買い足せる利便性もあるので、悪天の多い北陸の冬場でも安心です。
宿泊先として屈指の選択肢
ロビーの様子 image by 笠原大貴
コワーキングスペースとして、まちの人にも開放されたロビーの充実度も「ハイアット ハウス 金沢」の魅力です。季節と天候が良ければロビーに面した屋外広場との間の窓が解放されます。
「H マーケット」やホテルのバーで買ったドリンクをロビーやテラス、テラスの前に広がる芝生の屋外広場で楽しめますし、筆者の場合は、朝食のコーヒーを紙カップに入れてテラス席に持ち出し、朝のひと時を満喫しました。
秋だったので金沢駅前なのにトンボの姿も見られ、一緒に泊まった子どもたちは大はしゃぎでした。
朝食のバイキングの様子。手づくりオムレツなどのメニューもあり、清潔感のあるNIKKOの白い取り皿を使うなど食器類にもこだわりが感じられる
「ハイアット ハウス 金沢」のチェックアウトは12:00 PM。朝ご飯を食べて荷支度の前に、あるいは荷支度の後に、ロビーや半屋外のテラスでのんびりと出発まで友達と過ごす時間の使い方もあるはずです。
旅行中に「スマホ」を使い過ぎて充電が切れそうになっていたとしても、コワーキングスペースとしてもロビーは使われていますので、USBポートやコンセントがそこかしこにそろっています。
朝食を食べられるレストラン。窓の外には芝生の屋外広場がある
ビジネスホテルでは決して味わえない豊かな体験を手ごろな価格で満喫できる「ハイアット ハウス 金沢」は、宿泊先として金沢屈指の選択肢だと少なくとも現状で思います。
遠方から金沢に来る旅行者の中には、まちの中心部の香林坊周辺に泊まる人もいますが、北陸に暮らすトラベルライターとしては「遠くから来た人が泊まるなら駅前がいい」と思います。さらに駅前であれば、価格的にも楽しみ方の幅広さの上でも「ハイアット ハウス 金沢」を使わない手はないのかなと率直に思います。
もちろんこの先、新たな選択肢が金沢駅前に生まれる可能性はゼロではありません。しかし少なくとも次の金沢旅行では選択肢のひとつに入れてみてくださいね。
窓から眺める電車の行き来(トレインビュー)も楽しい
Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター
翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(
https://hokuroku.media/ )創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。
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