カニの水揚げ量日本一を誇る「蟹取県」
カニの水揚げ量日本一を誇る鳥取県。秋冬のシーズンには「蟹取県」として「ウェルカニキャンペーン」を実施しています。11月19〜20日には六本木ヒルズで観光物産展が開催され、蟹釣り体験や特産品の販売などが行われました。初日には鳥取県の平井信知事も参加。「スタバはないがスナバはある」などのダジャレ発言で親しみやすいお人柄として知られる同氏ですが、この日も「カニも元気で『カーニバル』の状況ですね」などのギャグを連発。積極的にPRに努めていました。
鳥取食材の魅力に触れるレストランフェア
松葉ガニのみならず、和牛、ジビエ、乳製品、ブランド米「星空舞」など豊かな食に恵まれた鳥取県。レストランフェア「六本木ヒルズ×冬の味覚」では、そんな魅惑の鳥取食材を使った特別メニューを提供します。参加するレストランは「六本木うかい亭」や「毛利サルヴァトーレ クオモ」など13店舗。
「ラトリエ ドゥ ジョエル・ロブション」では、鳥取和牛オレイン55や松葉ガニ、白バラ牛乳を使ったスペシャルコース(1万円・税込)を用意。鳥取とフランスが融合するお料理とは、どんなものなのでしょうか? 期待を胸に膨らませつつ入店してみました。
アミューズ ブッシュは「豚のリエット」。ホロホロと崩れる柔らかな豚肉は旨味の奥行きが絶妙。カリッと焼かれたバゲットとうっとりするほどよく合います。
麗しき見た目に心も弾む「松葉ガニとアボカドのカネロニ仕立て」。とろとろクリーミーなアボカド、ぷりっぷりの甘い松葉カニ。対極の食感のハーモニーが秀逸で、新鮮な驚きに満ちた一品です。
ちなみにズワイガニは水揚げされる地域によって名称が変わり、山陰地方で11月上旬から3月に獲れる雄を「松葉がに」、雌を「親がに」と呼びます。東京にいながらにして鳥取の冬の味覚を、さらにはミシュラン二つ星フレンチで味わえるなんて最高この上なしでしょう。
皮がパリッと香ばしいミニバゲットはじめ、麦の風味豊かな自家製パン
メインは「鳥取和牛オレイン55フィレのポワレ」。こんがりと仕上がった均一の焼き色に食欲もそそられます。
実は鳥取県は和牛の隠れた名産地。赤身と脂身のバランスの良い「鳥取和牛」の中でもA4ランク以上、かつオレイン酸を55%以上含むものが「鳥取和牛オレイン55」と呼ばれるそう。年間販売頭数は400頭程度。流通量が少ないため貴重なブランド和牛としても名を馳せます。
表面はカリッと芳ばしく、ナイフで刃を入れた瞬間、すっと切れるほど柔らか。想像以上に肉質は繊細で、噛むほどにピュアな旨味と甘味が口中に浸透していきます。A4ランク以上ながらも脂感は上品。それでいて風味が華やかで、心躍るおいしさです。
肉にあしらわれているのはフランス料理用語でいう「ジュ(jus)」。肉汁のみで作るソースのようなものだそう。濃厚なコクながら、聞けば赤ワインやバターは一切使っていないというのだから驚きです。
ロブションのスペシャリテ、ポテトピュレは牛乳とバターが見事にマリアージュ。多彩な感動が詰まった一皿でした。
サラダは野菜1枚1枚の葉先がピンと張っていて、鮮度の良さがうかがえます。ディルの清涼感が絶妙なアクセントに。さすがはロブション、細部まで抜かりありません。
デザートは「大山 白バラ牛乳のクレームブリュレにフランボワーズのソルベをのせて」。
白バラ牛乳とは鳥取県の名峰・大山の清らかな自然の中、栄養たっぷりな牧草で育つ牛が作り出す牛乳。ほんのり甘くすっきりした味わいが特徴だそう。
キャラメリゼされた表面は期待値以上にパリッパリ! 牛乳の甘味とコクが際立つクリームはとろーり滑らか。バニラビーンズの芳醇な香りも心地よく、口に入れるたびに幸福感で満たされる一品です。
食後のドリンクはコーヒー、紅茶、エスプレッソからセレクト可能。柔らかな苦味のコーヒーは素朴なミニャルディーズ(小菓子)とも相性抜群でした。
至福の料理の数々にお腹もココロも大満足。鳥取食材とフレンチがこれほどまでおいしくカップリングするとは! この魅惑のレストランフェアは12月2日(木)まで。未知なる食体験に感動すること請け合いですよ。
期間:11月19日(金)〜12月2日(木)
使用食材:松葉がに、親がに、紅ズワイガニ、鳥取和牛、とっとりジビエ、ブランド米「星空舞」、乳製品(大山乳業)など
開催店舗:小割烹おはし、澄まし処 お料理 ふくぼく、ぴんとこな、串の坊、天蒼々、六本木 Kappou ukai、六本木うかい亭、レグリス、老四川 飄香小院、毛利サルヴァトーレ クオモ、KOREAN BBQ 水剌間、ビキニ シス、ラトリエ ドゥ ジョエル・ロブション
[All photos by Nao]