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【実はこれが日本一】世界一の豪雪都市の住民はカップ麺を食べる量もNo.1

Posted by: 坂本正敬
掲載日: Feb 8th, 2022. 更新日: Jul 16th, 2022

意外な日本一を紹介するTABIZINEの連載。別の連載で青森ねぶた祭を取り上げた時、舞台の青森市には意外な日本一の食習慣があると知りました。今回は、その話題を紹介します。

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カップ麺

 


カップ麺の消費量・消費金額において全国No.1

青森県青森市
本州最北端に位置する青森県の県庁所在地は青森市です。「【お祭りトリビア連載1】青森「ねぶた」は「眠たい」が語源だった!?」でも紹介したとおり、青森ねぶた祭の開催地として全国的に知られた土地ですね。

<武者のかぶとのような形をした青森県は、北に向かって(北海道に向かって)2本の角のような半島が伸びています。東が下北半島、西が津軽半島、それらの半島に囲まれてリンゴのような形をした陸奥湾があります。その陸奥湾の奥、いわばリンゴのお尻の位置に青森市があります>(『TABIZINE』より引用)

想像するだけでも寒い土地だとわかりますし、別のTABIZINEの記事では、世界で最も雪の降る豪雪都市ランキングNo.1に輝くとも紹介しました。

関連:世界の豪雪都市トップ3は日本!冬に日本海側に雪が多く降る理由

この青森市はなんと、カップ麺の消費量・消費金額でも全国No.1を誇っているのです。

スーパーには200種類のカップ麺が並んでいる?

青森県のコンビニに並ぶカップ麺
(C) Terence Toh Chin Eng / Shutterstock.com

全国No.1とは、総務省統計局が発表する『家計調査』で明らかにされています。

都道府県庁所在地と政令指定都市の中で、品目別に最も消費量が多いまちはどこかを明らかにしている調査があって、カップ麺に関しては購入金額でも食べる量でも青森市は全国1位だとされています(2018年~2020年平均)。

<全国の世帯の家計内容すなわち収支の内訳やバランスを測定する調査>(岩波書店『広辞苑』より引用)

市内のスーパーマーケットを取材した朝日新聞の記事を読むと、青森市では、スーパーのちらしに目玉商品としてカップ麺が紹介された日に、多くの老若男女が買い求め、箱で買って帰る人も少なくない状況であることがわかります。

カップ麺が売れ筋の商品なら、売り場スペースでの品ぞろえも増えるわけです。お店で目にする機会が消費者に増えれば、買って帰りたくなる状況もさらに生まれます。

一部の報道によると、青森市内のスーパーには200種類のカップ麺が並んでいることもあるそうです。

後で紹介するように、青森市ほどではないにせよ、カップ麺の消費量が上位に入る富山市に筆者は暮らしています。その富山市で近所のスーパーマーケットを試しに何店舗かチェックしてみましたが、50~60種類の品ぞろえがせいぜいでした。そう考えると、青森市の品ぞろえは圧倒的ですよね。

冬場の気候と塩辛い食べ物好きが影響?

青森県の雪の中の自動販売機
(C) ANURAK PONGPATIMET / Shutterstock.com

青森市のカップ麺好きについては過去に調査している人も少なくありません。

青森銀行グループの青森地域社会研究所(青森市)によれば、冬場の厳しい環境が消費量を押し上げる一因となっているようです。外に出られないからこそ、家で手軽に食事を済ませたい、その際にカップ麺が便利だという理由ですね。

青森県立保健大学の先生は朝日新聞の取材に対し、青森県民の食習慣を挙げています。冬場に作物が採れない青森では、塩辛い漬物をおかずに冬場の食事を済ませていました。その塩辛い食べ物を好む県民の舌と、保存食を食べる食習慣が、カップ麺の消費の一因になっているとの説ですね。

カップ麺を食べる量が多い都市ランキングを上位から示すと、

  1. 1位:青森市
  2. 2位:新潟市
  3. 3位:秋田市
  4. 4位:山形市
  5. 5位:富山市

となっています。いずれも冬場の厳しい環境がある土地である点は共通しています。

塩辛い食べ物が好きかどうかで言えば、都道府県別の情報ながら、男性が全国2位・女性が全国5位と、塩分摂取量ランキングでも青森県民は上位に入っています。

新潟県も秋田県も山形県も富山県もほぼ共通して、男女ともに全国平均値より多く塩分を摂取しているとわかります。青森地域社会研究所の説も、青森県立保健大学の先生の説も、いずれも大変な説得力を感じます。

全国ワーストの「短命県」

カップ麺のイメージ

国立研究開発法人の医薬基盤・健康・栄養研究所によると、塩分の摂取源として日本人が最も多く口にする食品は、カップ麺なのだとか。

青森県民は、男女ともに全国ワーストの「短命県」の汚名を着せられています。この「短命県」の悪評に巡り巡って影響を与えるくらい、もしかすると青森の人たちはカップ麺を食べているのかもしれません。

とはいえ、これだけカップ麺が食べられるとなれば、ご当地カップ麺も充実していると予想されます。ちょっと調べるだけでも「マルちゃん 青森味噌カレーミルクラーメン」「マルちゃん 日本うまいもん 青森津軽煮干しラーメン 激にぼ」(いずれも東洋水産)などの情報が出てきました。

新型コロナウイルス感染症の拡大が終息し、自由に青森へ旅行に出かけられる状況になったら、滞在中のホテルでご当地カップラーメンをすすったり、旅の思い出にご当地カップ麺を買って帰ったりするなど、青森ではちょっと変わった旅の楽しみも満喫できそうですね。

[参考]

めん類への支出 – 総務省統計局

カップ麺の購入額、青森市が1位 – 日本経済新聞

家計調査(二人以上の世帯) 品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市(※)ランキング
(2018年(平成30年)~2020年(令和2年)平均) – 総務省

青森市健康寿命延伸計画

カップ麺購入額について 4559 – 安全・安心の横浜へ 「何を言ったかでなく、何をやったか!」

カップめんの購入金額日本一 – 東奥小中学生新聞

カップ麺の購入量、日本一の青森 脱短命県のカギは? – 朝日新聞

青森、なぜ「短命県」日本一? ラーメン店も異例の訴え – 朝日新聞

都道府県別の肥満及び主な生活習慣の状況 – 厚生労働省

塩分摂取1位「カップ麺」、1日5.5グラム 国立研究法人 – 日本経済新聞

都道府県別にみた平均余命 – 厚生労働省

[All photos by Shutterstock.com]

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター
翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。


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