ここって高級フレンチ?と錯覚しそうな豪華さ
成田→ドーハ間、QR807便の食事メニューには、日本語頁もあって安心です。全部試してみたいところですが、夕食にはチーズプレート、前菜、メイン料理をセレクト。
ひと皿目はチーズプレート。「チーズは食後のデザートでは?」とつっこまれそうですが、まずはワインを楽しみたかったので先にお願いしてみました。ともあれ、サーブされたテーブルセッティングに感動! なんでしょう、この美しさ! 高級フレンチのひとりご飯? ほのかなライトの演出に、中東のカスバを思い出しました。
前菜は、ロブスターのポーチメダリオン、帆立のグリル、スモークサーモン。緑のペースト状のサラダは枝豆で、上にはイクラがのせてあります。彩りは美しく量も程よく、パンは温かく、申し分のない味わいです。
メイン料理で選んだのは、ハーブ風味の焼鮭、オリーブとトマトソース。サーモンは熱々です。ディナーでのお酒は、白ワイン1杯のみ。チリのソービニオンブランは、すっきりとして、シーフードのお供には最適でした。
就寝時にはベッドメーキングとパジャマ!
©カタール航空
食事が終わる頃にすでに日本時間の深夜1時前。さすがに疲れていたので自分でシーツを敷きましたが、CAさんに頼めばキルトのマットレスと羽根布団でベッドメーキングをしてもらえます。そして、ドアを締めれば個室になるので着替えもできます。写真はダブルベッド。
こちら、コンプリメンタリー(無料)のパジャマ。綿100%で着心地が良く、出張中も帰国後の施設隔離時も愛用していたので、もうすっかり普段着に。
日本時間の深夜1時から約5時間、一度も起きることなく爆睡して、目覚めたらスッキリ。開閉式のドアで仕切られた、完全な個室空間で誰にも寝姿を見られない、という安心感もありました。
朝食の前に・・・
誰より早く「個室」で身支度をしていると、ドアの隙間から「コーヒーをお持ちしましょうか?」とCAさんの声。なんとも流石のタイミング。朝食のスターターにミックスフルーツスムージーと、フルーツプレートを注文しました。
もう東京は朝の8時過ぎ。アラビア半島に近くなってきました。モニターのフライトインフォメーションは、夜景の様子まで演出され、見ていても飽きません。
朝食のメインは、彩りも鮮やかなバターミルクパンケーキ、クレームアングレーズ(ミックスベリーのコンポートとイチゴのせ)。
実は、軽食のにぎり寿司も気になっていたので、夜のうちにCAさんにキープしておいていただいたものがこちらです。
そして紅茶を頼んだら、ゴディバのチョコが付いてきました!
こちらは、Qスイート専用のお手洗い。いつ入っても美しく掃除されています。この清潔感はホントにうれしいサービスです。
ドーハ到着後は、ハマド国際空港専用ラウンジへ
成田から出発して12時間。カタール時間の早朝5時前に、ドーハ・ハマド国際空港へ到着。
空港内を歩きながら見た光景……。成田のガラーンとした国際空港とはまるで違う活気! 早朝だというのに乗り継ぎ客がセキュリティで列を作っています。世界はオミクロン株感染の拡大中、日本ではまだ海外旅行というと、後ろ指をさされそうですが、世界中の人々は海外旅行を楽しんでいる……。ショックでした。
ここで約3時間のトランジットがありました。次のフライトの搭乗時間が0735だったので、実質的には2時間半。ビジネスクラス専用セキュリティチェックを済ませ、「アルムルジャン・ラウンジ」へ。実はこのハマド国際空港、カタール航空(以下QRと表記)と同様、スカイトラックスの新型コロナ空港安全性評価5つ星を獲得しています!
このアルムルジャン・ラウンジ、成田の例えばJALサクララウンジなどとは比にならないくらい、広大! 食事をとれる広々ダイニングスペースが2カ所、その間にスタイリッシュなブルーの椅子が備わった居心地良いラウンジがあります。もちろん、シャワーや仮眠スペースもあって不自由しません。
食事もハラル料理から、アジアン、和食、中華、洋食、デザートと、何でもそろっています。奥にはベーカリーコーナーも。もちろんアルコール類も。試した料理はどれも納得の味付けでした。
広大なハブ空港。ショッピングはし放題! 免税品や一流ブランドはもちろんですが、アラビア半島らしい絨毯柄モチーフや魔法のランプ風の食器類、銀細工の雑貨類が豊富でおすすめです。
ドーハからモルディブのマーレまではQR674便で
あっという間のトランジットを経て、いよいよ目的地モルディブへの機内に0730頃乗り込みました。QR 674 便はボーイング777-300ER。窓際の席5Kでした。出発は0830。ドーハのヴェラナ国際空港までは4時間20分のフライトでした。隣の中央席は、友人カップルがダブルシートを4席にして楽しく歓談していました。
朝食は、スターターにミックスフルーツスムージーと、ギリシャヨーグルト。メニューにはなかったのですがフルーツも追加で頼みました。
こちらがメインのパストラミのベーグルと、牛ソーセージ。ホウレン草とベイクトポテトも熱々でほどよい塩加減……。あらためてQRの食のクオリティの高さを実感しました。
乗り継ぎアリでも、Qスイートを選びたい理由
今回のモルディブもそうですが、欧州に行く場合は必ずドーハ・ハマド国際空港で乗り継ぎがあります。しかし、聞くところによると他社の航空会社社員であっても、ドーハ経由のQRを使って旅したいという人が多いそうなのです。
その理由も今回、Qスイートとハマド国際空港のアルムルジャン・ラウンジを使ってみて納得。旅好きにとって、機内で過ごす時間は特別です。Qスイートに乗るために旅をする、そんなコアなファンもいるそう。
それと、毎回搭乗して感じるのは、CAのマニュアル的ではないフレンドリーな接客の心地よさです。これこそが、他キャリアにはない「アラビア伝統の最上級のおもてなし」。実は、このおもてなしがEクラスでも同様であるとういことをご存知でしょうか。これこそが世界トップの所以のひとつでしょう。
時期によっては他社エコノミー直行便より安い時も?
最後に気になる運賃について。カタール航空は、ビジネスクラス運賃の種類が多く、例えば座席指定できないチケットやラウンジが使えないチケットなど安く設定しているものがあるため、比較サイトで運賃が他社より安く出てくる可能性があるそうです。
また日本発の場合、燃油サーチャージがないため総額が安くなる可能性もあるとか。Qスイートを利用する旅行会社ツアーも狙い目です。忘れてはいけないのは、2022年秋にドーハで開催予定のFIFAワールドカップ。コロナ共存時代の海外旅行は、迷わず世界一のビジネスクラスQスイートで決まりでしょう。
[All Photos by SACHIKO SUZUKI]
取材協力:カタール航空