調査で判明!?実は知らない桜の知識
近所に咲く桜の木や、誰もが知っているような桜の名所に咲く桜、さまざまな桜が私たちの目を楽しませてくれますが、それらは何という種類の桜の木なのか、あなたは答えられるでしょうか。
また、「お花見スポット」としてはその桜の木の多さに注目しがちではありますが、1本の桜の木がとても貴重であるケースもあります。日本三大桜などがそうですが、どこの何という桜の木が該当するかご存じでしょうか。
日本三大桜のように、その1本の木がとても貴重なものとして親しまれているケースもありますよね。そこで今回は、阪急交通社が全国500名以上の人を対象に実施した、「桜やお花見についてのアンケート」の結果を見ながら、そんな桜にまつわるさまざまな知識をあらためてチェックしていってみましょう。
お花見目当てで遠方まで旅行したことはある?
日本全国には桜の名所がたくさんあり、毎年たくさんの人が訪れます。実際どれくらいの人が、お花見目当てで遠方まで旅行しているのでしょうか。
お花見が目当てで遠方まで旅行したことが「ある」と答えた人の割合は30.9%で、「ない」と答えた人の割合は64.4%となっています。
お花見が目当てで行ったことのある旅先は、「京都」「弘前」「河津」と回答した人が多数。日本三大桜の三春滝桜や、吉野山を挙げた人も多くいました。
京都は、神社仏閣に咲く桜はもちろん、円山公園、嵐山などの誰もが知る桜の名所があるので、、各所の桜を観賞して巡るのも楽しいはずです。
弘前城のある弘前公園で楽しめるのは、日本の代表的な桜・ソメイヨシノなど2600本もの桜。リンゴの剪定技術をもとに剪定をすることで、ひとつの房から咲く花の数が通常より多くなり、ひときわ美しい姿になっていると言われています。
https://www.hankyu-travel.com/kokunai/sakura/hokkaido/hirosaki/?p_baitai=9599
桜の種類名は「ソメイヨシノ」が知名度1位
桜にはいろいろな種類があり、それぞれに特徴があります。とはいえ、代表的なソメイヨシノくらいしか認識していないかもという人も多いはず。今回の調査では、次のような結果が報告されています。
「ソメイヨシノ」の場合は、「よくわかる」と「なんとなくわかる」を合わせると75.3%と、ほかを圧倒する知名度となっています。さすが日本の桜の7割を占める品種ですね。
なお、ソメイヨシノは漢字にすると「染井吉野」で、江戸時代に染井村(現在の東京都豊島区駒込あたり)の植木職人が「吉野桜」として売りに出したのがはじまりだと言われています。種からではなく接ぎ木によって増やされているのが特徴で、ソメイヨシノはすべて1本の原木からのクローンだと言われています。
有名な花見スポット・北海道の五稜郭では、4月下旬頃より星形要塞のいたるところでソメイヨシノが咲き乱れ、見事な絶景を楽しむことができますよ。
「シダレザクラ」は枝が垂れた桜の総称、もしくはエドヒガンという桜の変種のことを指します。名前から形状がイメージしやすいこともあってか、「よくわかる」割合はソメイヨシノと同じくらいで33.8%となりました。
秋田県の角館(かくのだて)では4月中旬頃から、武家屋敷の町並みにシダレザクラが咲き誇ります。樹齢300年以上というシダレザクラもあり、一部は国の天然記念物にも指定されています。
花が何枚も重なる八重咲きをする桜「ヤエザクラ」は、どの桜を指すのかまではわからないものの、「名前だけ知っている」という人が32.3%と高い結果となっています。
ヤエザクラが見事なのは大阪の造幣局。毎年4月中旬の1週間だけ全長約560mある通路が解放され、桜の通り抜けとして親しまれています(令和4年度は事前申込制で開催予定)。
こちらはソメイヨシノなどとは異なり、自生することで知られる「ヤマザクラ」。明治時代より前は、桜といえばこのヤマザクラで、お花見の主な対象となっていたそう。しかし今では「名前だけ知っている」「名前も知らなかった」の合計が50%近くと、あまりよく知られていない種類となりました。ソメイヨシノとの見た目の違いとしては、ヤマザクラは桜と共に赤い葉っぱも花と同時期に出てくることが挙げられます。
日本一の桜の名所とも言われる奈良の吉野山を埋め尽くすように咲く桜も、このヤマザクラ(白山桜)です。
もっとも知名度が低い結果となったのは「カワヅザクラ(漢字では河津桜)」で、「名前も知らなかった」割合が33.6%となりました。静岡県河津町で発見された早咲きの桜で、2月上旬から咲き始めます。原木のある河津町では約8,000本ものカワヅザクラが咲き、多くの観光客で賑わいます。ソメイヨシノよりも濃いピンク色の花びらが特徴的です。
国の天然記念物「日本三大桜」とは?
桜には、その1本1本に名前が付けられた木もあり、日本三大桜がその代表格とも言えそうです。いずれも国の天然記念物にも指定されていますが、その知名度はどれ程でしょうか?
日本三大桜で一番知名度が高かったのは三春滝桜(みはるたきざくら)で「知っている」が21.7%。
今回の調査において、知っている人が21.7%ともっとも知名度が高い日本三大桜は、「三春滝桜(みはるたきざくら)」となりました。次いで、「根尾谷淡墨桜(ねおだにうすずみざくら)」が17.7%、「山高神代桜(やまたかじんだいざくら)」が16.6%という結果です。
福島県田村郡三春町にあるのが「三春滝桜」です。推定樹齢は1,000年を超え、四方に伸びた枝から、薄紅色の小さな花を無数に咲かせた様子が流れ落ちる滝のように見えることから「滝桜」と呼ばれるようになったと言われているそう。場所はJR磐越東線の三春駅から約8km。開花の時期には臨時バスが運行されます。
こちらは推定樹齢1500年以上とも言われている、岐阜県本巣市の「根尾谷淡墨桜」。散り際に薄い墨色になるのが名前の由来です。
山梨県北杜市の「山高神代桜」は、樹高10.3m、根元・幹周り11.8mという見事な巨木。ヤマトタケルノミコトが東征の折に植えたという伝説が、名前の由来になっているそうです。
有効回答数:554名
調査期間:2021年12月21日~2021年12月28日
調査対象:全国、20代以上の男女
調査手法:Webアンケート
今回は、「お花見」についての知識やアンケート調査の結果を紹介しました。桜の種類にも詳しくなっておけば、お花見をより満喫できそうですよね。近くの小さな公園でお花見もいいものですが、全国的に有名なお花見スポットに訪れたり、国の天然記念物である日本三大桜の観賞を目的とした旅行もおすすめです。