
今帰仁城の城下町がルーツの「今泊集落」
沖縄本島の北部、西に突き出た本部半島に位置する今帰仁村。徐々に開発が進んでいるものの、手つかずの自然が随所に残る、素朴なリゾート地として名を馳せます。

村の西端に広がるのが「今泊集落」です。この集落のルーツとなるのは、14世紀〜15世紀初頭、本島北部を治めていた北山王の居城、今帰仁城(なきじんじょう)の城下町「今帰仁」と「親泊」。17世紀の薩摩藩の侵攻により今帰仁城が廃城となったことで、2つの集落は漁業や農業に適した海沿いの現在地へと移転。「今帰仁」と「親泊」の一文字ずつを取って「今泊」と呼ばれるようになったそう。

碁盤目のように整然とした路地には、琉球王国時代からの伝統を受け継ぐ家屋が並び、風情ある景観を作り出しています。また防風林の役目をもつフクギが植えられているのも今泊の特徴。フクギとはフィリピン原産の木で、500年ほど前の南蛮貿易時代に沖縄に伝わったとされます。
台風が多い沖縄ではかつて多くの集落でフクギが植えられていましたが、戦争による破壊や、生活の近代化によって今ではごくわずかに。姿を消しつつある沖縄の原風景に出合える貴重な場所と言えるでしょう。

フクギ屋敷林と青い海のコントラストは清涼感に満ちた美しさ。沖縄の強い日差しも木漏れ日となってひんやり。木々から抜ける風を感じながらノスタルジック気分で散歩を楽しみたいところ。

今帰仁城の歴史と深く関係する今泊には、琉球精神文化を象徴する史跡も点在しています。こちらは「ハサギ」と呼ばれる拝所。2つの集落が合併したという成り立ちから、2つのハサギがあるようです。

細い路地が張りめぐされた今泊において、幅約10mとひときわ存在感を放つこの道路はかつて馬場があった場所。沖縄では走る姿勢や優雅さで勝敗を決める「ンマハラシー」という競馬が琉球王朝時代より行われており、全盛期には150もの馬場があったとか。太平洋戦争の激化に伴い競技は1943年を最後に途絶えていたものの、2013年に沖縄市で復活を遂げたのだそう。


今泊の見どころはコンパクトにまとまっているので、ゆっくり散策しても所要時間は1時間程度。伝統的な家々を眺めたり、フクギのトンネルをくぐったり。スローな時間が流れる集落を訪れれば、きっと新鮮な沖縄の魅力に出合えるはずです。
沖縄産野菜の魅力を体感できる一軒家レストラン

今泊散策後のランチでおすすめなのが、車で3分くらいにある「カフェ&ビストロ 味熟者」。ザ・ブセナテラスなど県内のホテルで10年以上に渡り研鑽を積んだ島塁輝シェフが2014年にオープンした一軒家レストランです。お店があるのはご実家の畑があった場所で、店内から一望する緑豊かな景色も必見。

提供するのは洋食やフレンチをベースにした創作料理。色鮮やかな県内産野菜が彩る「本日のランチプレート」はミラノ風カツレツやサーモンのカダイフ焼きなど、山海の幸が集結。スープ、デザート、フリードリンクがセットになって1,100円(税込)というりリーズナブルな価格も特筆すべきところです。店名に反して、未熟者とは思えない本格派料理をぜひ味わってみてはいかがでしょうか?
取材協力/今帰仁村観光協会
http://www.nakijinson.jp/

Nao ライター
メーカー、ITベンチャー勤務を経てフリーランスに。
学生時代から旅を続け、渡航国は現在50カ国。
特技は陸路国境越え。グルメレポート翌日に大学の最先端研究を取材したり、ロシア州知事にインタビューしたり。幅広い対応力とフットワークの軽さが自慢。日本ソムリエ協会認定資格ワインエキスパート保有。
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