福砂屋・松翁軒・文明堂!長崎「三大銘店のカステラ」を食べ比べレポート

Posted by: わたなべ たい

掲載日: Jun 11th, 2022

長崎のお土産といえば、やっぱりカステラ! 1500年代半ばにポルトガル人によって伝えられた南蛮菓子のひとつ。長崎の街を歩けばそこかしこにカステラを販売する店はありますが、今回は、その中の三大銘店のカステラを実食してその味を比べてみました。あなたはどのお味が好みですか?

 

江戸時代創業!きめ細やかなしっとりもちもちカステラの「福砂屋」

金平糖やカルメラなどの南蛮菓子とともに、ポルトガルに人よって伝えられた長崎のカステラ。そのカステラの三大銘店といわれるのが福砂屋・松翁軒・文明堂総本店(文明堂)。そのスタンダードなカステラを食べ比べてみました。


まずは、寛永元年(1624年)創業の老舗中の老舗、蝙蝠(コウモリ)のロゴが印象的な「福砂屋」。1本売りで売られることが多いカステラですが、福砂屋では「フクサヤキューブ」270円(税込)という2切れタイプのキュートな小箱を販売。


ノスタルジー感あるパッケージや手提げ袋もかわいいですが、どうですかこのフォルム! コロンとしていてカステラのイメージが変わりそう。生地が乾燥して風味を損なうなどの理由から他社ではなかなかカット売りはしないのですが、福砂屋さん、スゴイ! 内包紙でしっかりくるまれ、しっとり吸い付くような、みずみずしさあるしっとり感。


1切れの大きさは、幅約4.7cm、高さ約5.4cm、厚さ約2.6cm。3つの中では一番小ぶりですが、生地が詰まっていてきめ細やか。小さいながらずっしりした重みすら感じる印象。1切れで大満足できるしっとりもちもちした風味が際立ちます! 

これはミキサーなどの機械を使わない「手わざ」にこだわる製法や、卵の白身と黄身を別々に泡立てる別立法などを駆使し、熟練の職人が1本1本丁寧に焼き上げるからこそできる豊かな風味。


1箱270円という手ごろなお値段に加え、そのビジュアルもお土産にぴったり。明治初期に建てられたという、白壁に瓦屋根を乗せた風情ある本店も魅力的です。

卵がふわりと香るふんわりカステラの「松翁軒」


能面のおじいさんのロゴで親しまれている「松翁軒(しょうおうけん)」は、天和元年(1681年)の創業。こちらも江戸時代創業という老舗。カステラが伝来したときを思わせる洋風イラストのパッケージ。


「カステラ0.3号」は594円(税込)。5切れ入っており、1切れ幅約5.7cm、高さ約5.5cm、厚さ約2.5cm。生地の黄色みが1番強く、豊かな卵の風味を強く感じるおいしさ。空気を多く含んでいるのか、ふんわりと優しい口当たりも軽やか。


その優しい生地に、ジャリジャリとしたザラメがアクセントをつけて小気味よさを演出。手焼きにこだわった一品です。石×レンガの洋館風の本店2階には、喫茶室も設けられゆっくりとそのお味を楽しむことも。

口どけなめらかな卵と小麦の余韻を楽しめる「文明堂総本店」


明治33(1900年)創業の「文明堂総本店」。「カット包装カステラ(プレーン)5個入」は810円(税込)。長崎の風物をイメージしたイラストが描かれた黄色のパッケージもかわいらしい。


1切れの大きさは、幅約7cm、高さ約5.9cm、厚さ約2.3cm。やや甘みは強いのですが、卵と小麦の豊かな香りが口の中に広がり、後味の余韻感は群を抜く存在。口どけなめらかで、しっとりとしたケーキに近いような口当たりが特徴。1番食べやすく、万人受けする風味をもっています。


もちろん底部にはシャリシャリのザラメが。唐破風の玄関をもった黒塗りの本店は、100年を超える歴史に育まれた堂々とした佇まい。

福砂屋 長崎本店
住所:長崎県長崎市船大工町3-1
URL:https://www.fukusaya.co.jp/

 

松翁軒 本店
住所:長崎県長崎市魚の町3-19
URL:https://shooken.com/

 

文明堂総本店 本店
住所:長崎市江戸町1-1
URL:https://bunmeido.ne.jp/

※2022年6月現在、新型コロナウイルス感染症対策のため営業時間やサービス体制などが通常と異なることがあります

[Photos by (C)tawawa]
 

PROFILE

わたなべ たい

TAI WATANABE ライター・エディター・ディレクター

10代のころ、自転車でメキシコ・グアテマラを縦断し多くのことを学ぶ。それをきっかけに情報誌・旅行誌の取材を通じて、中南米・カリブ海を中心に世界各国で豊富な取材を経験。海外を見てきたからこそ日本は大好き! 紙とWEB、ふたつの媒体特性に精通した複眼的視点を持っている。
https://taijin.mystrikingly.com

10代のころ、自転車でメキシコ・グアテマラを縦断し多くのことを学ぶ。それをきっかけに情報誌・旅行誌の取材を通じて、中南米・カリブ海を中心に世界各国で豊富な取材を経験。海外を見てきたからこそ日本は大好き! 紙とWEB、ふたつの媒体特性に精通した複眼的視点を持っている。
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