【日本の美しい禁足地vol.9】入ると恐ろしい祟りがある!?~東京都大田区・新田神社の「御塚」〜

Posted by: あやみ

掲載日: Jul 10th, 2022

歴史や宗教的な背景などで立ち入ってはいけない場所。それが「禁足地」です。今回は、東京大田区にある新田神社の新田義興塚をピックアップ。幼少期より優れた武将だった新田義興(よしおき)を祀るこの神社の拝殿の後ろには、入ると祟りがあるといわれている円墳があります。さて、なぜこの場所は禁足地になったのでしょうか?

新田神社の鳥居
image by Hykw-a4 from Wikipedia

 

新田神社とは?

東京都大田区矢口にある「新田神社」は、雲を開き、幸せに導くとされる霊験あらたかな神社です。祀られている新田義興は、幼少期より知・勇ともに優れた武将でした。そのため、「運を守る神」として多くの人たちから今日に至るまで、崇敬を集めています。

非業の死を遂げた新田義興

新田義興は南北朝時代の武将で、新田義貞の次男です。北畠顕家が足利尊氏らを討つために上洛した際、その軍勢に加わり、功をあげるほど、強い武将でした。しかし、1358年、畠山国清に誘い出され、多摩川の矢口ノ渡 (やぐちのわたし) で謀殺されました。

新田義興は当時の武将が恐れをなすほど強く、戦では勝てないと悟り、味方に翻ったように見せかけた武士に騙されて、返り討ちに!

その義興の怨霊を鎮めるために建立されたのが新田神社です。

入ると祟りがあるとされる「御塚」

新田神社の拝殿の後ろにあるフェンスに囲まれた「御塚」は、新田義興公のご遺体を埋葬した直径約15mの円塚です。この塚に入ると祟りがあることから、「迷い塚」「荒山」ともいわれています。

江戸時代の文献によると、盗賊がこの御塚の中に逃げ込んで隠れようとしたところ意識不明となり、村人に助けられたと書かれています。

また、この御塚後部には昔から決して神域を越えることがない不思議な篠竹が生えていて、江戸時代に平賀源内がこの篠竹で、厄除開運・邪気退散の破魔矢「矢守」を作成。以来、ご祭神のご神徳があるとされ、毎年、多くの人が初詣で授かっているそうです。

境内には、大きな破魔矢のオブジェがあるので、新田神社を訪れる機会があったら、ぜひ注目を!

狛犬が唸った!? 新田神社には七不思議がある

なんと新田神社には禁足地だけでなく、七不思議まで存在します。


江戸遠江守の上司・畠山国清の一族や子孫が新田神社付近に来ると、決まって雨が降り狛犬が唸ったそうです。


また、樹齢700年の欅の御神木は、雷が落ち、戦災で真っ二つになっても生き残っています。この御神木に触れると健康長寿、病気平癒、若返りのご利益があるといわれていて、上部には珍しい宿り木が生息しているとのこと。

ほかにも、新田義興が亡くなった後、七日七晩、雷が鳴り続き、謀略で手柄を得た江戸遠江守が矢口ノ渡に再びさしかかると、にわかに空が曇って雷が轟き、黒雲の中より義興の怨霊が出現!それに驚いた江戸遠江守は落馬して狂死した、など。

新田神社の七不思議については、境内にある看板に詳細が書かれていますので、ぜひチェックしてみてください!

これだけ強い力(霊力)をもつ新田義興を祀る新田神社だからこそ、参拝することで運を味方にできそうですね。

新田神社
住所:東京都大田区矢口1-21−23
アクセス:東急電鉄東急多摩川線「武蔵新田駅」から徒歩約3分
公式サイト:https://nittajinja.org/jinja/jinja.html

 

PROFILE

あやみ

Ayami ライター

フリーライター。劇団員、OL、WEB編集ライターを経て、フリーランスになる。辛い食べ物、東南アジアが大好き。旅するように生きるのが人生の目標。

フリーライター。劇団員、OL、WEB編集ライターを経て、フリーランスになる。辛い食べ物、東南アジアが大好き。旅するように生きるのが人生の目標。

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