日帰りにちょうどいい距離感の那須町
栃木県の北東部に位置する那須町は、東京から東北自動車道などを使うと2時間ほどで到着でき、最寄り駅であるJR那須塩原駅までは、新幹線だと約1時間10分で到着します(乗車時間は新幹線により前後します)。遠すぎず近すぎず、日帰り旅にちょうどいい距離感ですよね。
筆者は冬にも那須町を訪れており、自然の美しさと清らかな空気に魅せられたひとり。今回は、夏の風景を楽しみにしてやってきました。新幹線利用の場合も、現地の移動は車がおすすめ。JR那須塩原駅前には複数のレンタカーショップがあるので、事前に予約しておくとスムーズですよ。
絵本の中に迷い込んだような「那須テディベア・ミュージアム」
最初に向かったのは「那須テディベア・ミュージアム」。JR那須塩原駅から、30分ほどで到着します。
ここには約1,000体ものテディベアが展示されており、その歴史をはじめ、アンティークものや世界のアーティストが作ったものなど、個性あふれるテディベアを見て楽しむことができます。
一歩足を踏み入れれば、そこはもう夢の世界。「ようこそ」と、ミシンを動かしながら、テッドおじいさんが出迎えてくれます。
当然、どこを見回してもテディベアだらけなのですが、一体一体着ているものも違えば、表情も違い、かなり真剣に見入ってしまいます。
先ほど出迎えてくれたテッドおじいさんの結婚式を再現したこの展示は、なんと教会の窓からものぞき込めるようになっており、2人が愛を誓っているその瞬間を、正面から見ることができるのです! この世界観もたまりません。
こちらに佇むのは、テディ・エドワード君。「那須テディベア・ミュージアム」のアンバサダー的な存在です。
彼は、写真家のパトリック・マシューズさんとともに各地を回り、“世界を最も多く旅したテディベア”と言われています。パトリック・マシューズさんの死後、ここ「那須テディベア・ミュージアム」を活動の拠点とし、新たな生活を始めたのだとか。
壁や棚には、旅先での写真や、旅の際に使っているグッズなどが展示されており、現在も「那須テディベア・ミュージアム」の館長とイタリアへ行くなど、旅を続けているのだとか! 人間と同じように、ドラマがありますよね。
また、2階には「となりのトトロ ぬいぐるみ展」も併設しており、ぬいぐるみたちが映画の名場面を再現しています。トトロと並んで写真撮影ができたり、実際にネコバスに乗れたりと、大人でも思わず興奮してしまいますよ。
テディベアとの相性を鑑定できる!?
「那須テディベア・ミュージアム」で楽しめることは、“見る”だけではありません。
2階のショップでは、自分でテディベアを作る「ぬいぐるみの綿詰め体験」ができるのです! ぬいぐるみ本体を購入し、その中に綿を詰めて完成させるのですが、綿の入れ方で表情も違ってくるのだとか。自分だけのテディベアに出会える場所でもあるのです。
なんと、できあがったテディベアの性格診断や、自分との相性診断までもできます。
この診断は、自分で持参したぬいぐるみでもできるそうなので、お出かけの際は、お気に入りのぬいぐるみを連れてくることもお忘れなく!
そのほか、クッキーの甘い香りが漂うティールームや、緑眩しい中庭など、見どころが満載。館内は撮影が可能なのもうれしく、絵本の中に迷い込んだような可愛らしい世界に、時間を忘れてしまいそうになりますよ。
住所:栃木県那須郡那須町高久丙1185-4
電話番号:0287-76-1711
入場料:大人1,500円/中高生1,000円/小学生800円
(小学生未満無料・75歳以上無料)
開館時間:午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日:2、3、6、12月第2火曜日(2月は第2水曜日も休館)
※祝祭日開館/年末年始・GW開館
HP:https://www.teddynet.co.jp/nasu/
見晴らし抜群!絶景カフェ「かぜの杜 まど花」
那須町に到着して驚いたのは、「嫌な湿気がない」ということ。もちろん暑さはありますが、東京のムワッとまとわりつくような外気と強烈な日差しとは違い、爽やかな空気が漂います。
せっかくなら、この高原らしい気候を満喫しながらランチをしたいと訪れたのが「かぜの杜 まど花(かぜのもり まどか)」です。
お店は「那須湯本温泉」のバス停の近く、温泉街にあります。2020年11月にオープンしたばかりで、この建物の中では「Cafe まど花」と「メリザナ」の2店舗が営業をしています。
なんといっても素晴らしいのが「Cafe まど花」の開放感あふれるウッドデッキ。目の前には山々が広がり、深呼吸したくなるような景色がどこまでも続きます。
青い空に真っ白な雲、そして鳥のさえずりと、これぞ幸せな夏の日といった雰囲気。ぼーっとしているだけでも、体の疲れが抜けていくようです。
素敵なのは店内も同じ。この景色が一望できるため、雨の日でも安心です。
気になるメニューは、ホットサンドやピザ、ドリンクなどの軽食系。今回は、お店のおすすめ商品というホットサンドの「アボカドチーズベーコン」と「バナナジュース」を注文しました。
外側はカリッと絶妙な焼き加減と、中にはトロッととろけるチーズがたっぷり。アボカドもゴロゴロ入っています。ベーコンのほどよい塩味とチーズの風味が重なり、意外にもペロリ。
やさしい甘さで、バナナそのもののおいしさがギュッと詰まった「バナナジュース」は、旅で疲れた体にじんわりと染みわたります。
価格:600円(税込)
バナナジュース
価格:550円(税込)
目の前に広がる大自然を眺めていると、「Cafe まど花」のスタッフさんから「メリザナのかき氷、すごく人気ですよ」とナイスな情報が。「この景色にかき氷って最高なのでは!?」とさっそく注文してみると、人気の理由がすぐに理解できました。
ドーンと存在感抜群で、氷はフワフワ。朝摘みのいちごの「なつおとめ」を使用した自家製ソースと、こだわりたっぷり。この「なつおとめ」とは、夏から秋にかけて収穫できるいちごで、県北で栽培される希少ないちごなのだとか。酸味があり、甘いスイーツとの相性も抜群。体の中から涼しくなり、旅の後半戦に向けて、しっかりとパワーを注入することができました。
価格:800円(税込)
ちなみに「メリザナ」では、ソフトクリームやパフェなどのスイーツ、オリジナルコロッケの「九尾コロッケ」やパスタなどを取り扱っており、食べ歩きにはもちろん「Cafe まど花」の店内でも食べることも可能です。
もともとはラーメン屋さんということで、このかき氷は9月までの限定メニュー。10月からは、ラーメンが復活するそうです。そっちも気になる……!
住所:栃木県那須郡那須町湯本108
電話番号:0287-73-8269
営業時間:11:00-16:00
定休日:木曜日
HP:https://www.kazenomori-madoka.com/
色鮮やかな花畑へ行こう!「那須フラワーワールド」
緑深い山々を眺めたあとは、色鮮やかなお花畑へ移動することにします。これも、自然が多く観光スポットが点在している那須町ならではの楽しみ方。「かぜの杜 まど花」から車で約20分、到着したのは「那須フラワーワールド」です。
「那須フラワーワールド」では、広大な敷地の中に四季折々の花々が咲き誇り、季節ごとに変わる美しい花のグラデーションが楽しめます。夏の主役は「ケイトウ」。赤、黄色、ピンクと、もこもことした花が規則正しく一面に広がり、夏の空とのコントラストはまるで絵葉書のよう。この美しさに胸が高鳴ります。
そのほか、ヘメロカリスやカザニアなども咲いており、散策しながら色々な花を愛でることができます。
遠くにそびえる那須連峰を眺めてみたり、蜂が花の蜜を吸っている瞬間を見つけたりと、穏やかに過ぎていく時間は平和そのもの。パーク内をゆっくりと走るトラックもなんだか絵になりますよね。
オシャレなオープンテラスもあり、風に揺れるケイトウを見つめながらちょっと休憩するもよし。嫌なことはすべて忘れて、自然のパワーをいただいちゃいましょう!
寒い時期には薪ストーブがつき、パチパチと音を立てて雰囲気も抜群なのだとか。夏の期間は休止中ですが、窯焼きピザもメニューに登場するそう。夏以外の季節も訪れたくなりますよね。
住所:栃木県那須郡那須町大字豊原丙字那須道下5341-1
電話番号:0287-77-0400
入園料:大人500円~1000円(季節によって変動あり)
HP: http://www.flower-world.net/
チーズスイーツが多い那須町
那須町にいると、あることに気づきます。それは「もしや、激戦区なのでは……?」と思うほど、チーズスイーツが多く存在していること!
というのも「生乳生産量ランキング」で、栃木県は全国第2位となっており、その多くを那須塩原市、那須町などの県北地域で生産しているのだそう。ならば「チーズケーキを食べて帰りたい!」という強い思いが芽生えます。
©︎MANIWA FARM
「チーズケーキ工房MANIWA FARM(マニワファーム)」では、自家牧場の生乳だけで作られたフレッシュチーズを贅沢に使用したこだわりのケーキがあり、さらには、牧場を眺めながらチーズケーキが食べられるという最高のロケーション!
©︎MANIWA FARM
……のはずだったのですが、ここにきて痛恨のミス発生。なんと定休日に行ってしまい、今回は泣く泣くお預けとなってしまいました。次回の楽しみに取っておくことにして、今回のふらり那須女子旅は終了です。
住所:栃木県那須郡那須町豊原丙4525
電話番号:0287-77-0534
https://www.instagram.com/cheesecake.maniwafarm/
都会ではできない体験をたっぷりと楽しみながら、夜には日常に戻る。暑さで溶けかけていた心に、爽やかな風を吹かせてくれた那須町は、やはり最高の避暑地なのでした。
[Photos by koume]
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