ヨーロッパ旅行といえば、基本的にベストシーズンは夏。とはいえ、冬にしか時間が取れないという人もいるはず。冬であっても、上手に旅先を選べば、凍えることなくお得なオフシーズンのヨーロッパ旅行を楽しむことができます。
冬でも比較的暖かい、ヨーロッパのおすすめの旅先5か所をご紹介しましょう。
マルタ
騎士団の島として知られる地中海に浮かぶ島国・マルタは、ヨーロッパでは避寒地として有名。12月から2月の平均最高気温は約15℃、平均最低気温は10℃ほどで、東京よりも薄着で過ごすことができます。ただし、日本に比べると降水量は少ないものの、10月から3月は雨季にあたるので、雨具の用意は必須です。
首都のヴァレッタは街全体が世界遺産に登録されている要塞都市。マルタストーンで造られた歴史を感じさせる街並みは重厚そのもので、歩くだけで中世にタイムスリップしたかのような感動が味わえます。
ポパイ村
さらに、「静寂の町」と呼ばれるかつての首都イムディーナや、1980年公開の実写版「ポパイ」のセットが残されたポパイ村、エジプトのピラミッドよりも古く、世界遺産にも登録されている地下神殿ハイポジウムなど、知られざる魅力がいっぱい!
海に入らなくても、美しい風景を楽しみながら、悠久の歳月が生み出した歴史文化遺産を訪ね歩くだけで、マルタの魅力を十分に満喫することができます。「【地中海の絶景孤島】マルタ共和国ってどんなとこ?」も参考にしてくださいね。
リスボン(ポルトガル)
「太陽の国」と呼ばれるポルトガルの首都リスボン。ポルトガルのなかでもやや南に位置し、一年を通して温暖な気候で知られています。12月から2月の平均最高気温は約15℃。平均最低気温は9℃程度と、東京よりも暖かいほど。
世界遺産・ジェロニモス修道院
「7つの丘の街」と呼ばれるほど起伏の多いリスボンは、昔なつかしいノスタルジーと、都会の躍動感の両方を併せ持った街。「【ポルトガル】どこを切り取っても絵になる、秋のリスボン」でもその魅力が語られていましたね。世界遺産のジェロニモス修道院やベレンの塔をはじめ、歴史ある教会、ミュージアム、ローカルな雰囲気漂うマーケットや路地散策など、楽しみは尽きません。
世界遺産・シントラのペナ宮殿
リスボン近郊の世界遺産の街シントラや、「谷間の真珠」と呼ばれる可愛らしい街オビドスを日帰りで訪れるのもおすすめ。ただし、夏に比べ秋冬は雨が多くなるので、雨具の用意は忘れないようにしましょう。シントラのペナ宮殿を紹介した【ポルトガル】神秘好きなら一度は訪れたい、謎に満ちた「ペナ宮殿」はTABIZINEでも人気の記事でしたね。
アンダルシア地方(スペイン)
セビーリャのスペイン広場
温暖で雨が少ない典型的な地中海性気候で知られるスペイン南部のアンダルシア地方。フラメンコの本場で、大聖堂やアルカサルが世界遺産に登録されている州都セビーリャ、後ウマイヤ朝の都として栄えた世界遺産の街コルドバ、イスラム支配の面影を残す白い村々など、スペイン観光のハイライトのひとつです。
世界遺産の街・コルドバ
白い村・ミハス
イスラム教とキリスト教の文化が融合した独特の景観はアンダルシア地方ならでは。スペインのなかでもひと味違った異国情緒あふれる地域として、世界中から旅行者を惹きつけています。
年間を通じて比較的温暖なアンダルシアですが、アルハンブラ宮殿で有名なグラナダは山間部のため、他の都市に比べ冷え込みが強くなります。
より暖かさを求めるならば、内陸部よりもマラガなど地中海に近い沿岸部がおすすめ。「太陽の海岸」の意味をもつ「コスタ・デル・ソル」の中心都市・マラガの12月から2月の平均最高気温はおよそ17℃、平均最低気温は8℃程度と、しのぎやすい気候です。
「【保存版】一瞬で恋に落ちる、世界の白い町と村」では、スペインを中心とした世界の白い街を紹介しています。こちらもぜひ参考に。
マヨルカ島(スペイン)
日本ではあまり知られていないスペイン領マヨルカ島は、ヨーロッパでは温暖なリゾート地として有名。年間300日以上太陽に恵まれる気候と美しい自然から、「地中海の楽園」と呼ばれてきました。
マヨルカ島の12月から2月の平均最高気温は約15℃、平均最低気温は4℃前後。最高気温と最低気温の差が大きいので、調節しやすい服装を心がけましょう。
冬は海に入ることはできませんが、マヨルカの魅力は自然だけではありません。マヨルカ島の中心都市、パルマ・デ・マヨルカにはガウディが手掛けた装飾がある大聖堂や、マヨルカの王の宮殿だったアルムダイナ宮殿をはじめ、観光スポットも充実。
郊外に足を延ばせば、ショパンが恋人とひと冬を過ごした中世の面影を残す村・バルデモサ、ボートに乗って神秘的な地底湖を探検できるドラック鍾乳洞など、さらに楽しみが広がります。
バレンシアやバルセロナといった、マヨルカ島から比較的近い沿岸部の都市と組み合わせて訪れるといいでしょう。
シチリア島(イタリア)
イタリア最大の州であり、地中海最大の島でもあるシチリア島は、温暖な気候や7つもの世界遺産、独自の文化により、訪れる人々を魅了しています。シチリア島の12月から2月の平均最高気温は15℃前後、平均最低気温は10℃前後と温暖。
アフリカやアラブ、ギリシャといった国々の近くに位置するシチリア島は、地中海の十字路として諸外国の影響を受けてきたことから、「イタリアのなかの異国」とも呼ぶべき独自の文化と景観を育んできました。
州都のパレルモは、かつてのシチリア王国の古都で、スペインやアラブといった異文化が融合したエキゾチックな香り漂う街。世界遺産に登録されているアラブ・ノルマン様式の建造物群は必見です。
ラグーサイブラ
郊外に足を延ばせば、宙に浮いたように丘の上にたたずむバロックの街、ラグーサイブラや、有史以前からの活火山で、ギリシャ神話にも登場するエトナ山、映画「ゴッドファーザー」のロケ地として知られる中世の雰囲気漂う田舎町・サヴォカなど、訪れる場所はいっこうに尽きません。
イタリア屈指の美食の島としても有名で、シチリアワインや新鮮な魚介類を使った郷土料理も旅の楽しみです。
寒さが厳しいヨーロッパといえど、今回ご紹介したように東京よりも温暖な国や都市もあります。観光客が少なく、航空券やホテルの料金も下がる冬は、お得にゆったりとヨーロッパを旅行をするチャンス。うまく旅先を選んで冬のヨーロッパ旅行を満喫してくださいね。
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