通称「沖縄南米タウン」と呼ばれている、神奈川県鶴見区の仲通商店街をご存知でしょうか? 見た目は地味な印象ですが、ひとたび足を踏み入れるとポルトガル語やスペイン語が飛び交います。
「ここ、ほんとに日本? 」 と、軽いカルチャーショックを覚えるディープな町歩きに出かけてみましょう! 沖縄南米タウンの様子をレポートします。
JR京浜東北線鶴見駅 東口より徒歩15分、住宅街を抜けるとブラジルや沖縄料理などの看板が目に入ってきます。仲通商店街の入り口付近にあるのが、沖縄ボリビア料理のレストラン『エルボスケ』。想像を絶する組み合わせに驚きを感じつつ、歩き進めていきましょう。
遠目から見ると何の変哲もない、どこの町でも見かけるような商店街。実際に歩いてみると南米系のレストランや食材店が多いことに驚きます。ブラジル直輸入の食品やスパイス、キャッサバなどの冷凍食品、雑貨や化粧品などを多数取扱う『Lojinha Da Yuri(ロジニャ・ダ・ユリ)』へ立ち寄ってみましょう。ブラジルのお菓子やアイスキャンディーなどを頬張りながら、街歩きを続けます。
散策の途中で見かけたフリーペーパー。この界隈にあるフリペは主にポルトガル語かスペイン語
ブラジル料理のレストラン『Paraiso Brasil(パライゾ・ブラジル)』。ブラジル料理が味わえるほか、ビタミンやミネラルたっぷりのブラジル産フルーツ「クプアス」や「カシュー」などの珍しいジュースなども。訪れたときには店員さん同士がポルトガル語で会話していました。行ったことはないけれど、まるでブラジルへ来たかのよう! 南米料理と並んで目を引くのが、沖縄料理の看板。
ホクホクした食感の「キャッサバフライ」。ケチャップではなくピリ辛ガーリックソースで食べます。キャッサバはブラジルの主食
この商店街のランドマークとも言える『おきなわ物産センター』へやって来ました。併設のレストラン『ヘルシー沖縄料理の店 おきなわ亭』では、自家製手打ち風の「沖縄そば」や豚の角煮「ラフテー」定食などを始め「タコライス」に「ゆし豆腐」などの本格的な沖縄料理が味わえるほか、物産センターでは沖縄関連の食品や雑貨が多数。
それにしても、なぜ南米と沖縄なの?
鶴見や川崎などの京浜工業地帯の形成とともに、20世紀初頭から朝鮮半島や沖縄から多くの人々が移り住みました。戦後、沖縄では移民計画によって1950年代半ばからボリビアへの移民が行われたのですが、現地での開拓は厳しく、多くの人々がアルゼンチンやブラジルなどへ再移住を試みたといいます。
この結果、南米諸国から戻ってきた沖縄の人たちが鶴見に定住、1990年頃からはブラジルやペルー、ボリビアにアルゼンチンなど南米出身の日系人の方々も増えてきたそうです。
なんともディープではありませんか! 駅からは少し歩きますが、訪れる価値は大いにあると自信を持ってオススメします。
住所:神奈川県横浜市鶴見区仲通1丁目55−5
連絡:045-504-4717
営業:月曜〜金曜 17:00~23:00、土曜 12:00~24:00、日曜 11:00~23:00
住所:神奈川県横浜市鶴見区本町通り3-165-6
連絡:045-521-2311
営業:月〜日曜 10:00~21:00
※ポルトガル語対応
住所:神奈川県横浜市鶴見区栄町通3-26-4
連絡:045-503-6466
営業:月曜~火曜12:00~22:0(L.O.21:30)、水曜~日曜10:00~22:0(L.O.21:30)、無休
※沖縄南米タウン(仲通商店街)へのアクセス:JR京浜東北線鶴見駅東口から徒歩約15分
[All photo by sweetsholic]