暑さが続く中、口に出るのは「暑い」という言葉ばかり。蒸し暑くて、体力が消耗する夏本番。酷暑に満員の電車やバスに揺られ、汗だくになる通勤は辛いものです。食欲も落ち、口当たりの良いものを求める傾向がありますね。
プラネットでは、2017年6月21日〜7月7日の間3,834人の20代〜70代男女に「夏をのりきる食べ物・飲み物に関する意識調査」を実施しています。その中で、男女共圧倒的人気で選んだ、暑い夏に食べたくなるものとは。合わせてトリビア、トップブランドなどの情報をお届けします。
暑い夏に食べたくなるもの トップ3
男性は「冷たい」、女性は「さっぱり」したものを求める傾向。 男女ともに好まれるトップ3は、日本の夏には欠かせないものでした。
第3位 冷奴
暑くて食欲が減退していても、「冷奴」ならするりと口に入ります。爽やかなおろし生姜やねぎの薬味に、食欲を刺激されますね。あなたも夏の間は、お豆腐を冷蔵庫にストックしてあるのでは。
第2位 冷やし中華
ラーメン屋さんで「冷やし中華、始めました」の表示を見ると、嬉しくなりますよね。胡麻油の香りと酢の酸味が効いたタレを冷たい麺に絡め、彩りきれいなたくさんの具と一緒にいただくのは、夏の楽しみですね。
第1位 そうめん
第1位は、日本の夏を代表する食べ物「そうめん」でした。冷水でよくさらしたそうめんのひんやりした喉越しを楽しむのは、夏ならでは。シンプルイズベストで美味しいそうめんと好みの出汁つゆがあれば、他には何もいらないくらいです。しかしながら正直そうめんの美味しさが分かるのは、大人になってから。10代や20代の若い頃は、筆者のように苦手な人も多かったのでは。
(C)プラネット
そうめんトリビア
もしかしてあなたが知らないかもしれないそうめんトリビアを、ご紹介しましょう。
そうめんの「古物」「大古物」とは?
そうめんの「古物 (ひねもの)」とは、2回の梅雨を越す(製造から2年目を迎える)そうめん、「大古物(おおひねもの)」は3回目の梅雨(製造から3年目を迎える)を越すそうめんのこと。熟成させたそうめんは、新物のそうめんに比べてコシが強い麺に変化するそうです。
そうめんは細い物ほど高級品になる
そうめんは細い物ほど高級品。「極細品」は熟練の素麺師でなければ作れず、大量生産はできません。そのため価格も高くなりますが、贈答品には喉越しが良く、つゆがよく絡む極細品を差し上げたいものです。標準的な麺で10g当たり約70本~80本程度に対し、極細は約130本。超極細では約300本にもなるそう。超極細の場合は、料亭などで椀だねや小鉢の一品として用いられます。
「手延べ製」「手延風」の違いは?
小豆島手延べそうめん
(C) (公社)香川県観光協会
手延べ製は、よりをかけながら細く引き延ばしていく人の手で伸ばす手打ち麺。手延風・手打風・準手延等「風(ふう)」や「準(準ずる)」が付くそうめんはほとんど機械製。手打ち麺は1本1本の太さ・形・切り口などがそれぞれ微妙に異なりますが、機械製は切断面が同じ太さです。また手打ち麺は、製造時の天候条件等によって、若干黄色み(飴色)がかることがあります。
三輪素麺山本「そうめんとは」
そうめんブランド
奈良県の三輪そうめん、兵庫県の播磨そうめん、香川県小豆島のそうめんが、「日本三大そうめん」と言われています。
奈良県 三輪そうめん
(画像はイメージです)
1,200年も前に誕生したそうめんのルーツといわれる奈良県三輪。コシがあるため、茹でても伸びにくいことが特徴。江戸時代中期までは、2メートル近くの長さがあったそうです。
兵庫県 播磨そうめん
(画像はイメージです)
そうめん生産量が日本一の兵庫県 播磨そうめん。「揖保乃糸そうめん」で有名ですね。良質の小麦粉・揖保川を中心とした播磨地方の清流・赤穂の塩が原料。600年も前から作られていたようですが、寺院や宮中のご馳走であり、庶民の口に入るようになったのは江戸時代頃になってからのようです。
香川県 小豆島そうめん
小豆島素麺
(C) (公社)香川県観光協会
日本3大そうめん産地のひとつ、小豆島。そうめんが干してある風景は、小豆島の風物詩にもなっています。約400年前から受け継がれている小豆島のそうめんは、三輪(奈良県)で製造技術を学び、小豆島へ持ち帰ったのが始まりとか。木箸を使い丁寧に極細の糸状になるまで引き伸ばす手間をかけたそうめんは、つるつるもちもちで風味豊かです。
長崎県 島原そうめん
島原市 島原手延べそうめん
一般社団法人長崎県観光連盟
島原の乱(約380年前)の後、瀬戸内海の小豆島などから移住してきた人々によって製造が始まったとされています島原の雲仙岳麓の湧水を使用して、年間を通して生産されています。全国で二番目の生産量。
美味しいそうめんを食べるには、たっぷりの湯で強火で茹でことがコツ。1,200年も前から存在していたそうめん。長い歴史に思いを馳せながらそうめんを食べると、また味が違ってくるかもしれませんよ。
[Vol.67 夏をのりきる食べ物・飲み物に関する意識調査]
[三輪素麺山本「そうめんとは」]
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