日本を訪れる外国人の数は毎年増加傾向にあります。JTB総合研究所の調べによると2018年8月までにはすでに2000万人を超える訪日外国人観光客が日本を訪れており、今後も外国人訪日客の数は増え続ける傾向にあるそうです。
観光地だけではなく日常生活の中でも以前より外国人と触れ合う機会が多くなった今日この頃。せっかく日本に来たのであれば日本の文化をたっぷり堪能してもらいたいと思うのがおもてなしの国日本人としての想いですが、日本文化の代表として欠かせない温泉では、多くの外国人が直面するタトゥー問題があります。
今回は、増え続ける外国人観光客の多くが直面するタトゥーと日本の温泉の現状についてご紹介します。
タトゥー人口が多い国は?
タトゥーと温泉の話の前に、タトゥーの現状について見ていきましょう。
今年実施された世界各国の14歳から65歳までを対象にした調査では、世界で最もタトゥー人口が多いのはイタリア(48%)、次いでスウェーデン(47%)、アメリカ(46%)という結果になりました。中でもスウェーデンとアメリカでは一人当たりのタトゥー数の平均が最も多く、タトゥーをしている人は4個以上のタトゥーをしている人が多いということが分かりました。
この調査には日本は含まれていませんが、別の調査では日本人でタトゥーをしている人の割合は全体の2.5%にとどまり、他の国と比べて日本でのタトゥーが浸透率にどれだけ差があるかが分かります。
日本の温泉施設はタトゥーがある人の入浴をどう思っている?
タトゥー対してネガティブなイメージの強い日本で増える外国人観光客。彼らを迎える施設は外国人のタトゥーについてどのように考えているのでしょうか。
数年前に観光庁が行った調査によると、回答の得られた日本各地の600のホテル、旅館のうちタトゥーのある人の入浴を断っている施設は半数以上に上りました。
その理由の多くが風紀、衛生面により自主的に判断をしているとのこと。お客様といえどサービスを提供できない場合があるのが事実のようです。
タトゥーのある外国人観光客が温泉に入るには?
せっかく日本に来たのに温泉施設で門前払いを受けたなどのトラブルがあっては、お互いに気分の良いものではないでしょう。そのようなトラブルを減らすためにはどのようなことができるのでしょうか。
タトゥーのある外国人を温泉施設に連れていきたいときは、事前に電話で問い合わせをするのが一番確実です。施設によってはシールでタトゥーを隠していれば利用できるところや、マナーを守れば誰でも利用できるところなど様々です。
また温泉施設自体がタトゥーの入っている人の利用を禁止していなくても、同じ場所を訪れる利用者からクレームが入るという例もあるそうなので、過去にタトゥーでのトラブルがあったかどうかも聞いておくと良いでしょう。
タトゥーがあっても日本の温泉を味わいたいという人のために作られた検索サイトTattoo Friendlyでは、全国の温泉、銭湯、旅館やホテルなどにタトゥーをした人でも利用ができるかを問い合わせ、利用可能な施設をまとめています。タトゥーがある外国人を温泉に連れていきたいときや、タトゥーがあっても入れる温泉を探したいときに便利なサイトです。
その国に根付いた文化を変えることは容易ではありません。日本でタトゥーに対するネガティブな考えが強いのと同様、外国ではタトゥーに対して寛容な文化が根付いていることを理解し、お互いがマナーを守って快適に過ごせるようにしたいものです。
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参考
[JTB総合研究所]
[国土交通省 観光庁]
[Dalia Research]
[HUMA]