海外旅行から帰ってきて入国審査を済ませると、「植物検疫カウンター」が目につきます。何か申請しなければいけないのかな?でも引っかかったら大変そう・・・。そんなモヤモヤを抱えたまま通り過ぎたことがある人も多いのでは?今回は、植物検疫にどんな意味があるのか、意外なNG土産にスポットを当ててみました。
植物検疫って何?
植物には虫がつきものです。海外の各地域で蔓延している病害虫を、植物と一緒に日本に持ち込まないために規制が設けられています。
日本から海外への持ち出しについても、相手の国ごとに規制があります。このようにして、病害虫が世界中に広がらないように努めているのですね。今回は、日本への持ち込みに限ってお伝えしていきます。
ところで、植物とは何を指すのでしょうか。果実、野菜、穀物といった食べ物はまず対象になります。さらに、苗木、切花、種子といった、生きているものもですし、ドライフラワーなど加工されたもの(製茶は対象外)も対象となります。ちなみに、植物ではないですが、土は完全にNGです。土も、土が付いた植物もダメなんですね。
輸入禁止品の持ち込みで2014年から2016年の間もっとも多かったのは、「熱帯果類」でした。チチュウカイミバエやミカンコミバエといった病害虫が発生しているエリアは要注意で、例えば、タイのマンゴー、ライチ、柑橘類は持ち込み不可です。
植物検疫の種類は?
いやおうなしに持ち込みが禁止されている植物もあれば、植物検疫カウンターでの検査が必要なもの、さらに現地の検査証明書が必要なものもあります。
持ち込み禁止はシンプルだとして、現地の検査証明書がない場合はどうなるのでしょうか。
「検査証明書が添付されていない植物は、植物防疫法に基づき廃棄処分となります。検査証明書を添付せずに輸入した場合や輸入時の検査を受けなかった場合は、3年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられる場合があります。(引用:農林水産省 植物防疫所)」
空港の免税店で買えばOKなような気もしますが、それでも検査証明書がないとダメだそうです。
次に、ついつい違反しがちだと思われる、海外の意外なNG土産をみてみましょう。
NG!イギリスのりんご
イギリス人というと、小ぶりなりんごをかじっているイメージがありませんか?またニュートンが万有引力を発見したのはイギリスのケンブリッジにて。そんなイギリスのりんごは持ち込み不可です。
また、殻付きくるみが持ち込み不可になっています。これはイギリス以外でもNGの国がもちょこちょこあります。
要検査!ハワイのマカダミアナッツ!
ハワイのマカダミアナッツ(乾燥)は検査証明書が不要ですが、入国時の検査が必要です。これは、気づかずに植物検疫カウンターを通過してきた人が多そうに思われます。
また、パパイヤ、グアバ、マンゴー、バナナなどのトロピカルフルーツは持ち込み不可になっています。
要検査!イタリアの米
イタリア土産で買いたいものに、リゾット用のお米があります。日本で買うと高価です。これは検査証明書と入国時の審査が必要です。日本では割高ですが、イタリアでは安く手に入る食材である、アーティチョークも同様です。
一方、ポルチーニやトリュフは検査不要になっています。
せっかく買ったお土産を没収されたくはないですよね。現地でお土産を買う前に、「旅行者用簡易検索情報」でチェックする習慣をつけることをおすすめします。また、ほかの国を経由するとOKなものもNGになることがあるので注意しましょう。
参考
[旅行者(携行品)|農林水産省 植物防疫所]
[重要なお知らせ|農林水産省 植物防疫所]
[【統計情報】旅客手荷物から発見された輸入禁止品の実績(全国)]
[よくある質問|農林水産省 植物防疫所]
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