ナンやフォカッチャなど、世界のパンは日本でも親しまれています。中でも、人気のものは日本でもよく手作りされているようです。では日本では、いったいどんな世界のパンが家庭で多く手作りされているのでしょうか。そこで、巨大なレシピサイト「クックパッド」を参考に、特にレシピを作った人の数(「つくれぽ(みんなのつくりましたフォトレポート)」)の多かった世界のパンをご紹介します。
ナン(インド・その他)
日本では「インドカレーにはナン」というイメージが定着し、親しまれています。しかし、ナンはインドだけでなく、パキスタンや中央アジアのタジキスタン、中国新疆ウイグル自治区、ウズベキスタン、アフガニスタン、イラン、クルディスタンなど広い地域で食べられているのです。
日本では薄い三角形の形が定番ですが、実はこの形状はインドのみで、他の国では円形だったり、ベーグル型だったりします。
■材料は?
基本的には小麦粉と塩、水、酵母で作られます。ヨーグルトが入ることも多いようですね。
特にインドでは、薄く平べったく伸ばした生地を、タンドゥールと呼ばれる窯の内壁に貼り付けて焼く方法が有名です。
■こうやって食べられている!
ナンというと、インド人の主食というイメージがありますが、実際はタンドゥールという特殊な釜のある家庭は少ないため、あまり作られないそうです。多く作られるのは、むしろチャパティという薄い円形のパンだそうです。インドの人たちも日本人と同様、ナンはレストランで食べているそうですよ。これは意外ですね!
ポンデケージョ(ブラジル)
ポンデケージョは、ブラジルのミナス・ジェライス州で生み出されたといわれています。ポルトガル語では「ポン」がチーズ、「ケージョ」がパンの意味で、いわゆる「チーズパン」のことを指します。丸いボール型で、表面はバリっと固く、中はもちもちという食感が特徴のパンです。
■材料は?
あのタピオカをつくるキャッサバ粉という粉とチーズ、 卵、塩、牛乳、食用油(オリーブオイル)などが主な材料です。時には砂糖を入れたり、さまざまに味付けされたりと、その種類が豊富なのも特徴です
■こうやって食べられている!
ブラジルでは家庭でも手作りされていて、朝食の定番の一つとなっているそうです。コーヒーとの組み合わせで食べられることが多いそうですよ。これも意外ですね。
グリッシーニ(イタリア)
グリッシーニは、イタリアのトリノで14世紀頃に生まれたといわれる、歴史あるスティック状の細長いパンです。その食感はクラッカーのようにカリカリしているのが特徴です。
■材料は?
小麦粉に塩や水、ドライイースト、オリーブオイルなどこれといって特別な材料ではないようです。家でも簡単に作れそうですね。
■こうやって食べられている!
サクサクとしていて、スープなどのお共にぴったり。そのままでも食べられますが、プロシュートという生ハムなどを巻き付けて食べることも多いようです。
ところで、グリッシーニの正しい食べ方を知っていますか?手で適当な長さに折って食べるのが正解。間違っても棒を持って、そのままチュロスのようにかじりついてはいけません!
フォカッチャ
日本でも人気の高いおなじみのフォカッチャは、イタリア生まれのパンです。
皮はパリッとしているのに、中はモチモチとしているのが特徴です。ブラジルのポンデケージョと食感が似ていますね。でもフォカッチャにはチーズは入っていません。この食感を出すためにはゆっくりと生地を発酵させるのがコツだそうですよ。
■材料は?
強力粉に塩、オリーブオイル、水、ドライイーストが基本の材料ですが、ジャガイモを入れるとより、もちもち感が増すそうです。
■こうやって食べられている!
現地では、ハムやチーズ、野菜などと一緒に食べることが多いそうです。日本ではパン単独で食べることが多いですよね。
コーンブレッド(アメリカ)
ちょっぴり甘いコーンの香りが美味しさを引き立てるコーンブレッド。その由来の地は、はっきりはしていないものの、アメリカ先住民族がトウモロコシを主食にしていたことから、ヨーロッパの文化との交流が始まった頃が発祥ではないかといわれています。
■材料は?
トウモロコシ粉(コーンミールもしくはコーングリッツ)に砂糖、塩、卵、牛乳、ベーキングパウダーなどを加えて焼きます。深くて肉厚のスキレットというフライパン状の鍋で焼くのが伝統的なコーンブレッドだといわれています。
■こうやって食べられている!
朝食に焼かれることが多く、マーマレードや、ブルーベリー、ラズベリーなどのベリー系のジャムや、メープルシロップなどをかけて食べられるのがスタンダードだそうですよ。朝から甘い物・・・なんだかアメリカらしいですね。