九谷焼で有名な石川県能美市には「九谷陶芸村」や将来の九谷焼を担う人材を育てる「九谷焼技術研修所」などがあります。しかし、もっと身近に九谷焼を感じたいのなら「九谷焼ネイル」を試してみるのもいいでしょう。指先を彩れば、素敵な旅の思い出の1ページを作れそうです。そこで今回は、九谷焼ネイルの体験ルポをお届けします。
九谷焼ネイルって?
九谷焼とは360年を誇る石川県の伝統工芸品の色絵磁器です。五彩(赤・緑・黄・紫・紺青)や赤色などを中心とした和絵具の優美な色彩が特徴的。そんな九谷焼の伝統的なデザインをネイルで楽しめます。
所要時間15分で九谷焼ネイルは完成
九谷焼ネイルをするために訪れたのは、赤絵細描の第一人者である福島武山(ふくしま ぶざん)氏の工房。その一室で福島氏の娘である、赤絵細描の女流作家、有生礼子(ありせ れいこ)さんに九谷焼ネイルを施してもらいました。
有生さんに「どのようなデザインが良いですか?」と聞かれ「お任せで」と伝えると、両薬指の爪には白のネイルポリッシュ、それ以外の指の爪には淡いピンクのネイルポリッシュが塗られていきました。
両薬指の爪にはそれぞれ異なる九谷焼の伝統的な絵柄が描かれていきます。
所要時間は約15分。あっという間に九谷焼ネイルは完成しました。
洋服にもマッチしますが、着物や浴衣にもピッタリなデザインです。女性は指先を彩るだけで、不思議と気分が高揚しますね。
4倍速で見る九谷焼ネイル
九谷焼赤絵の繊細で優美な絵柄が爪にスピーディーに描かれていく様子はこちらの動画をご覧ください。4倍速でお楽しみいただけます。
福島武山氏の作業風景を見学
九谷焼ネイルをしていただいた後、福島武山氏の作業風景を見学することに! 先人の残した優れた作品を師とし、研究を続け、赤絵細描の技法を習得した福島氏。平成10年には、第23回全国伝統的工芸品コンクールで内閣総理大臣賞(グランプリ)も受賞しています。そんな「美の巨匠」とも言える方の作業場にお邪魔するのは、正直なところ少し緊張しました。
しかし、作業場の中に一歩足を踏み入れると、福島氏は温かく迎え入れてくれました。
細い筆を使って赤絵を描いていく福島氏。間近で絵付けをしている様子を見学させていただきましたが、ほとんど下絵もない状態で、一寸の狂いもなく、文様意匠が描かれていく様に驚きを隠せませんでした。思わず福島氏に「インスピレーションで描いているのですか?」と伺ったところ「自然に手が動き、描くことができる」という答えが返ってきました。生まれ持った才能はもちろんのこと、長年にわたる研究と修練があってこそ、言える重みのある言葉だと思いました。
石川県陶磁器商工業協同組合
住所:能美市泉台町南13番地
電話番号:0761-58-6656
料金:工房見学料は3,000円(別途ネイル料:1,000円)
石川県陶磁器商工業協同組合へ直接電話をして予約してください。
※その際、有生さんを指名いただければOKです。
2019年2月24日(日)~3月5日(火)まで、丸善日本橋店で「福島武山一門展」が開催されます。福島武山氏、有生礼子さんの作品など、九谷焼の赤絵細描を実際に見てみたい、と思われた方はぜひ足を運んでみてくださいね。
開催期間:2019年2月24日(日)~3月5日(火)
時間:9:30~20:30 (※最終日は15時閉場)
入場料無料
HP:https://honto.jp/store/news/detail_041000030977.html?shgcd=HB300
有生礼子さんが制作した九谷焼赤絵のピアスと器
[All photos by あやみ]