イスラム圏では原則として飲酒が禁止されている代わりに、昔から甘いスイーツが発展してきました。オスマン帝国時代は、宮廷のごく限られた身分の高い人しか食べることができなかった甘いお菓子も、現在私たちは旅先のスイーツショップやカフェで口にすることができます。イスタンブール旧市街のシルケジ駅付近で見つけた、オスマンスイーツが美味しいお店をご紹介します。
オリエント急行の終着駅「シルケジ駅」
ご紹介するスイーツショップはシルケジ駅の近くにあります。シルケジ駅はイスタンブール旧市街にあるトルコ国鉄のターミナル駅で、ヨーロッパの長距離夜行列車オリエント急行の終着駅として1890年に開業。ターミナル駅内には1950年代から60年代にかけて著名なジャーナリストや作家たちの待ち合わせ場所となった「Orient Express」というレストランがあり、旅行者にも人気のスポットになっています。
2013年には、ボスポラス海峡の海底トンネルがアジアとヨーロッパを結ぶ鉄道マルマライの地下駅が開業したため、オリエント急行時代から変わらす、旧市街の交通の要所となっている歴史ある駅です。
住所 Hoca Paşa Mahallesi, Hocapaşa Mahallesi Ankara Cadddesi,Halil Lütfü 4. İş Merkezi K: 1 No:113,Hoca Paşa,, 34110 Fatih/İstanbul
数々のスイーツがそろう「アジェムオール・バクラヴァラル」
そんなシルケジ駅から徒歩3分のところにあるのが「アジェムオール・バクラヴァラル」。
店先のショーケースには、バクラヴァをはじめとする甘いトルコスイーツが所狭しと並べられています。スイーツはすべて持ち帰ることもできますし、店内で食べることができます。
ちなみに、表示されている値段は1キログラムあたりの価格。トルコ人は甘党のひとが多いので、老若男女問わずさくっとキロ単位でお買い上げしていく姿をよく見かけます。
店内の様子
ショーケースに並べられていたスイーツ以外にも、店内にはロクム、ピシュマニエ、チャイ、トルココーヒーなどの品々がそろっています。ロクムは量り売りのもの以外にも最初からパッキングされているものもあるので、言葉がわからなくても安心して買い物することができ便利。
イートインスペースでスイーツを堪能
店内にはわずかながらイートインスペースもあり、シルケジ駅周辺の街並みを眺めながらスイーツを楽しむことができます。
生地の上にカシューナッツやピスタチオ、アーモンドなどがぎっしりと乗っているOttoman Karşıkı(オットマン・カルシュク)はナッツ好きにはたまらない一品。店主によれば、ナッツはすべてトルコ産のものだそう。あまーいスイーツを注文したらトルココーヒーやチャイを注文するのも忘れずに!
おわりに
昔はスルタンしか食べることができなかった宮廷スイーツ。歴史あるシルケジ駅を眺めながらいただくと、より一層思い出深い旅行のワンシーンとなることでしょう。食べきれない場合は持ち帰りもできるので、ぜひお気軽に足を運んでみてください。
住所 Hobyar Mahallesi, Ankara Cd. No:243, 34112 Fatih/İstanbul
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