今なお下町風情が残る本郷界隈
東京都文京区にある本郷は、樋口一葉や夏目漱石、坪内逍遥や谷崎潤一郎など、数々の文豪が居を構えた場所。迷路のように入り組んだ狭い路地を歩くと、今なお往時の面影をしのぶことができます。
©Akiko Imai
修学旅行生や受験生が泊まると思われる、木造の旅館。レトロですね。
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樋口一葉が通ったとされる伊勢屋質店。もう営業はしていませんが、建物は保存されています。
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明治・大正時代から時が止まったままなのではないかと錯覚しそうな路地裏。思わず「すごい!」と歓声を上げたくなりますが、住居が密集した地域なので、路地を歩くときは、そこに住んでいる方の迷惑にならないようお静かに。このように、古い建物がたくさん残っていますし、あちこちで「○○旧居跡」という看板を見かけます。
歩き疲れたら、休憩がてら訪れたいのが、「金魚坂」というカフェ。もともとは、加賀前田家に金魚を卸していた問屋で、今はその敷地の一部がカフェとして営業されています。金魚の販売は今も行っており、生簀や水槽の中には金魚がたくさん。東京大学その愛らしさに、思わず顔がほころんでしまいます。
住所:東京都文京区本郷5-3-15
電話:03-3815-7088
営業時間:平日11:30~21:30(L.O 21:00)、土日祝11:30~20:00(L.O 19:30)
定休日:月曜、第3火曜(祝日の場合は営業。翌日振替休日)、年末年始
東京大学は自然いっぱいの散歩スポット
本郷のもうひとつの散歩スポットといえば、東京大学です。
紅葉の時期は、キャンパス内の銀杏並木が見事です。
東京大学本郷キャンパスのある場所には、もともとは加賀前田家の藩邸がありました。キャンパス内には屋敷にあった庭園の心字池が残っており、夏目漱石の小説「三四郎」の舞台となったことから、「三四郎池」とも呼ばれています。大学の中にあるとは思えないほどの、豊かな自然ですね。
東京大学のキャンパスのすぐ近くには、弥生美術館・竹久夢二美術館があります。
高畠華宵や竹久夢二などの、明治・大正・昭和の挿絵画家の作品がたくさん展示されています。
当時の少女雑誌やその付録などを見ていると、女学生の楽しげな笑い声が聞こえてきそうです。
住所:弥生美術館 東京都文京区弥生2-4-3、竹久夢二美術館 東京都文京区弥生2-4-2
電話:弥生美術館03-3812-0012/竹久夢二美術館03-5689-0462
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)、展示替え期間中、年末年始
入館料:一般900円、大・高生800円、中・小生400円
※ 二つの美術館は同じ建物内で見学ができ、上記料金で二館併せて見学できます。
とにかく、本郷という街には、何度も飽きずに訪れたくなる魅力があります。本郷ゆかりの作家の作品を読んでから行くと、小説に描かれた世界を追体験できそう。まさに、読書の秋にぴったりの散歩スポットですね。