降りるときは非常ボタンを押す!?日本人がカナダの観覧車で驚いたこと3つ

Posted by: 坂本正敬

掲載日: Apr 8th, 2019

今回はカナダの観覧車で受けたカルチャーショックを通じて、『La Grande ROUE DE MONTREAL』の魅力を紹介したいと思います。想像以上にカルチャーショックを受ける「ツッコミどころ」満載の素敵な観覧車だと判明しました。

 

カナダ第2の都市で、フランス語を公用語に持つ美しい町モントリオール。その海辺に2017年、カナダ最大の観覧車ができたという情報を知っている日本人は、ほとんど居ないと思います。

しかし、取材を兼ねて乗車すると、想像以上にカルチャーショックを受ける「ツッコミどころ」満載の素敵な観覧車だと判明しました。そこで今回はカナダの観覧車で受けたカルチャーショックを通じて、『La Grande ROUE DE MONTREAL』の魅力を紹介したいと思います。

何周もする

最初に断っておきますが、筆者はカナダで2回しか観覧車に乗った経験がありません。モントリオール・アン・リュミエールという、芸術やグルメ、音楽、演劇などのテーマで町の中心部がアミューズメントパークと化すお祭りで、屋外無料アクティビティとして用意された小型観覧車が1つ目。もう1つは上述したカナダ最大の観覧車、La Grande ROUE DE MONTREALになります。

もちろん、カナダ全土の観覧車について語る資格はないと自覚しています。ナイアガラの有名な観覧車『Niagara SkyWheel』にも乗っていませんし、その他にどのような観覧車があるのか、名前すら知りません。しかし、ナイアガラの観覧車に乗った経験のある知人に確かめてみると、やはりモントリオールの観覧車と一緒でした。カナダの観覧車は、日本と違って何周も乗せてくれるのですね。

日本だと、ゆっくりとしたペースで1周し、それぞれの高さの景観を味わう形になります。最高点は1回しか通過しませんから、観覧車の頂上で恋人同士がキスをするといった情景も、よりロマンティックに感じられます。

セントローレンス川沿いに見えるサンテレーヌ島のバイオスフィア

しかし、カナダではぐるぐると周ります。つまり、何周も乗車を楽しめるのですね。もちろん正確に言えば、La Grande ROUE DE MONTREALはカナダの観覧車とは言えないのかもしれません。オランダの有名なDutch Wheels社が設計を手掛けています。同社が最近手掛けた香港の観覧車も、シカゴの観覧車も、同じく乗客を何周も上空まで運んでくれます。その意味でカナダというより、世界の観覧車と言った正確なのかもしれませんが、少なくともカナダにある幾つかの(もしかすると全ての)観覧車は何回も周ると、事前に頭に入れておきたいですね。

スピードが速く、ときどき不意に止まる

観覧車から眺められる町の全景

上述のモントリオール・アン・リュミエールで乗った小型観覧車のように、サイズが小さい観覧車は、上空での展望というより回転速度で乗客を楽しませる狙いが一般にあるのかと思います。その意味で、回転のスピードは速いです。しかし、高さ約60mというカナダ最大の観覧車でも、日本の大きな観覧車と違って、「せっかち」に周ります。

スピードが速いため、観覧車が動いたまま乗客をキャビンに飛び込ませると、けがをする恐れがあるのかもしれません。毎回、誰かが乗り込むときに、観覧車が止まります。そのたびに上空でゴンドラが止まり、乗客は宙づりのまま放置される格好になります。

VIPキャビンの床はガラス張り

La Grande ROUE DE MONTREALは最新の観覧車らしく、キャビン内は空調が完璧で、音楽も流れていて快適そのものです。どれだけ宙づりにされていても不快ではないのですが、先方のご厚意でVIPキャビンに乗せてもらったため、床はガラス張り。風が吹くとキャビンも揺れるため、停止した観覧車のキャビン内は、独特の怖さがありました。

降り方が分からない

キャビン内には高度情報なども表示される

カナダの観覧車はスピードが速く、何周もすると紹介しました。あまりの速さに、最初の1周を終えてキャビンがスタート地点に戻ってきたときは、「もう終わっちゃう」と感じたほどでした。しかし、2周目が始まり、3周目、4周目となると、軽いパニックに陥ります。

 

5周目が始まりかけたとき、さすがに筆者は同乗者と窓をたたき、声を上げ、手を振って地上スタッフに振り向いてもらいました。今にも観覧車は5周目に入りかけていましたが、ぎりぎりのところでスタッフが気づき、扉を開けてくれました。

一体、どうやって降りるべきだったのでしょうか。聞いてみると、観覧車は時間で乗車が許されているため、決まった時間が来れば勝手に止まって、キャビンの扉が開き、降りられるシステムになっていたのだとか。

時間よりも早く降りたくなったら、「非常呼び出しボタンを押してくれ」と言われました。ボタンを押せば外と会話ができるようになって、降りたいと伝えれば、キャビンが下に戻ったときに、ドアを開けてくれるのですね。

 

以上、日本人がカナダの観覧車で感じたカルチャーショックでしたが、いかがでしたか? この手の仕組みを最初から分かっていれば、もっとキャビンからモントリオールの美しい景色が楽しめたかもしれません。特にLa Grande ROUE DE MONTREALは、セントローレンス川やモントリオールの高層ビル街、旧市街、サンテレーヌ島のパビリオンなどを一望できるロケーションに自立しています。

ベイエリアのシンボル的な存在で、冬になると周囲ではアイススケートなども楽しめます。カフェなども隣接していますから、ぜひともカルチャーショックと絶景を満喫しに、La Grande ROUE DE MONTREALに訪れてみてくださいね。

[All photos by Masayoshi Sakamoto(坂本正敬)]

PROFILE

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

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