それって誰のこと?人名がついたモノやコトの名前8選。その由来が面白すぎる!

Posted by: Yoko Nixon

掲載日: May 27th, 2019

英語には人名が入ったモノの名前が多く存在します。よくよく考えてみるとそれって誰のこと!?と思ってしまう名前もちらほら。また聞き慣れたモノの名前も、実は実際の人物からつけられたというケースが数多くあります。今回は意味と語源を知ると英語がもっと面白くなる、人の名前が入ったアイテムを紹介します。

Lazy Susan(レイジースーザン)

Lazy Susanを直訳すると「怠け者のスーザン」という意味になりますが、これは調味料などを置く小さなターンテーブルや、中国料理店になどにある回転テーブルのことを意味します。Lazy Susanの元になったのは18世紀にイギリスに存在した「Dumbwaiter((注文を間違える)馬鹿なウェイターの意)」と呼ばれる小さな回転テーブル。名前の起源は諸説ありますが、一説によるとこの回転テーブルが一般家庭に浸透した際に、自分で動かなくてもものが取れることからLazy、当時女性の名前として一般的だったSusanが合わせって生まれたということです。近年ではLazy Susan自体をあまり見かけなくなりましたが、モノの名前としてはかなりユニークですね。

Daisy Dukes (デイジーデュークス)

太ももが見えるハイカットな女性用デニムショートパンツは、英語でDaisy Dukesと呼ばれます。1970年代後半から80年代中ごろにかけて当時アメリカで放送されていたテレビ番組「The Dukes of Hazzard(邦題:爆発デューク!)」の登場人物「Daisy Duke」を演じた女優キャサリン・バックが短いショートパンツを履いていたことからその名前が浸透したそうです。その後1993年にラッパーDuiceのヒット曲、「Dazzey Duks」でDaisy Dukesというファッションならびに言葉そのものが、若い人の間でも再ブレイクしたそうです。

Mary Jane (メリージェーン)

メリージェーンとはかかとが低く、つま先が閉じられ、飾り止めのストラップがついた靴のことを意味します。1900年代初めにアメリカで生まれたコミック「Buster Brown」の中に出てくる登場人物、Mary Janeが履いていた靴からその名前が広まったと言われています。1950年頃までは幼少期の子供なら性別に関係なく、”Mary Jane”を履いていたそうです。

Bloody Mary (ブラッディメアリー)

ウォッカとトマトジュースを使ったクラシックカクテルの代表「ブラッディ・メアリー」。こちらは直訳すると「血まみれのメアリー」というなんとも恐ろしげ名前ですが、こちらのカクテルはもともとパリで有名だったバーテンダーがレシピを開発し、それが1930年頃アメリカはニューヨークの高級ラウンジバー「King Cole Bar」に伝わり、「Red Snapper」という名前で売り出されたのがカクテルの起源と言われています。その後他のバーが同じようなドリンクを売り出した際に16世紀のイギリスの女王メアリー1世がプロテスタントを大量虐殺したことにちなんで「ブラッディ・メアリー」という名前がついたという説があります。

Tomboy (トムボーイ)

主に若年の女の子で、人形遊びよりも外で運動したり、髪を短くしたりして男勝りな見た目や遊びを好む女の子のことをTomboyと呼びます。もともとは「うるさくて礼儀を知らない男の子」という意味で使われていたのが、1590年代には今の意味に変化したそうです。歴史上「女性とはこうあるべき」と考えられてきたイメージに反する意味合いを持つTomboyは、時代とともにその言葉の役割も変化していき、現代においてはTomboyという言葉自体が女性のあるべき姿、女性が自分自身を表現する姿を限定しているという声もあるそうです。

番外編:実際の人物から付けられたモノの名前

人名が入ったモノの名前はこれまでに紹介した以外にも数多く存在し、中には実在する人の名前からその名がついた例もあります。

コブサラダ (Cobb Salad)

固ゆで卵、ベーコン、チーズなど様々なトッピングをのせた食べ応えのある「コブサラダ」は、レシピの発案者であるハリウッドのレストランオーナー、ロバート・コブ氏からその名が付けられました。

ボイコット (Coycott)

不買、拒否、排斥運動などの総称として使われる言葉ボイコット。こちらは1880年頃のアイルランドで農民が結成した土地改革同盟から排斥された、農場を支配していたチャールズ・ボイコット大尉に由来しています。

シルエット (Silhouette)

今や影絵や切り絵などのアートのイメージが強いシルエットという言葉。この語源は18世紀のフランスの財務大臣エティエンヌ・ド・シルエットが倹約対策の一環として、肖像画は色を使わずに黒一色で塗りつぶしなさいと命じたことによるそうです。

物の名前の由来は元をたどると何かしらのストーリーにたどり着くのは日本語も英語も同じです。その意味や語源を知ることで、新しい言語をより印象的に覚えられそうですね。

[All Photos by shutterstock.com]

参考
[Smisonian: The Lazy Susan, the Classic Centerpiece of Chinese Restaurants, Is Neither Classic nor Chinese]
[Kotaku A Short History of Daisy Dukes
Independent The History of the Mary Jane shoe]
[Esquire: The Secret Origin of the Bloody Mary]
[The Atlantic: A Short History of the Tomboy]
[History.com: 10 Words You Did’nt Realize Were Named After People]

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PROFILE

Yoko Nixon

Yoko Nixon ライター

高校時代初めてアメリカのテキサス州に留学してから、縁あって大学もそのままテキサスへ。帰国後リーマントラベラーとして暇を見つけては世界各国を旅し、旅と写真の面白さにハマる。現在はアメリカのアーカンソー州在住。目先の目標はアメリカ全州を制覇することです!

高校時代初めてアメリカのテキサス州に留学してから、縁あって大学もそのままテキサスへ。帰国後リーマントラベラーとして暇を見つけては世界各国を旅し、旅と写真の面白さにハマる。現在はアメリカのアーカンソー州在住。目先の目標はアメリカ全州を制覇することです!

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