「世界一の美食の街」サン・セバスチャンで実食ルポ!お一人さまもウエルカムな「ミシュラン掲載バスク料理店」

Posted by: 鳴海汐

掲載日: Jul 28th, 2019

旅中に、正直一度は食したい「コース料理」。今回は、”世界一の美食の街”と称されるスペイン北部の街「サン・セバスチャン」を訪れた筆者が出会った、本当に美味しかったレストランをご紹介。お一人さまでも行きやすい人気店、そのお味は?

Bodegón Alejandro
スペイン北部の街「サン・セバスチャン」は”世界一の美食の街”と呼ばれます。それは、ミシュランの3つ星を持つレストランがスペイン全体に7軒あるうち、3軒がサン・セバスチャンの街にあったから。2019年は、スペイン全体に3つ星が11軒、うち2軒がサン・セバスチャンとなったものの、そんな街であれば、星がないレストランでも美味しいだろうと人気店を訪れました。

「Bodegón Alejandro (ボデゴン・アレハンドロ)」を選んだ理由

Bodegón Alejandro
今回訪れた「Bodegon Alejandro(ボデゴン・アレハンドロ)」は、星はついていませんが、ミシュランプレートと言って「ミシュランの基準を満たした料理」を出すレベルの高いお店です。もともとは、ミシュランの星を6つ持つ(2013年当時)スターシェフ、マルティン・ベラサテギ氏が1986年に1つ星を手に入れたお店。その後変動があり、2019年はミシュランプレートを掲げています。

筆者はトリップアドバイザーが好きなので、価格が高すぎず、とにかく評判がよい、気軽そうなレストランをランキング順に見ていって選びました。1人で食事をしても、写真を撮っても大丈夫そうなお店というわけです。

お店へ到着

レストランは、旧市街のバル有名店がひしめく通りにあります。

Bodegón Alejandro
地下へと降りていくのですが、壁の装飾が素朴でチャーミング。気分が上がります。

Bodegón Alejandro
笑顔で迎えられて席に着くと、午後13時オープンで時間通りに入ったのに、既に何組も着席しています。メニューの見せ方が、さきほどの壁の装飾と同じようなかわいらしさ。イチオシらしい、€52のテイスティングメニューをオーダーしました。

Bodegón Alejandro
カジュアルな、郷土料理のお店といった趣で、お客さんは日本ならファミレスに行くような感覚の服装の人が多いです。

Bodegón Alejandro
テーブルには町の地図が描かれているので、食事が来る前もガランとした感じになりません。飲み物は白ワインと炭酸水をチョイス。前菜用のスプーンが個性的です。

テイスティングメニュー前半

Bodegón Alejandro
アミューズが、スイカのガスパチョ。どういうことかというと、トマトを一部減らしてその分スイカを加えているというもの。ほんのりスイカが香り、ニンニク感はなく爽やかな仕上がりです。塩が効いた、ポテトチップスレベルに超極薄のラスクを割り入れるよう勧められます。

Bodegón Alejandro
前菜もやってきました。右側が、マッシュルームのコクがしっかりしたセロリ入りのスープ。下の方にはザラザラした舌触りの茶碗蒸しのようなものがあって、それを掘り返して一緒にいただきます。

奥の白いものはムースで、その下には少しスパイシーなピリピリソースが加わった、タカアシガニの身とかにみそが合わさったものが隠れています。

左手前は、マリネしたカタクチイワシのラザニア。イワシは2段で酢が控えめ。間にパプリカなどを使ったラタトゥイユが挟まれています。オリーブ風味に漬けたチェリートマトと、オリーブクリームを合わせて。

パンは外カリカリで中がしっとりふわふわですし、どれも日本人好みの味に仕上がっています。

Bodegón Alejandro
次に出てきたのは、温泉卵のエメンタルチーズの風味のコンソメ。上には細かく裂いたマッシュルームが乗り、塩と唐辛子が少しだけかかっています。温泉卵を取り囲む、熱々のマッシュドポテトは塩気が強めですが、卵を割って合わせると絶好の塩加減に!

すでにほぼ満腹。このまま帰っても割と満足な状態です。

テイスティングメニュー後半

Bodegón Alejandro

魚料理がやってきました。割とレアな状態に仕上げた、ツナのグリルです。漬け込んだピキーリョという赤ピーマンや、飴色になるまで炒めたネギが添えられています。ツナのソースが抜群に合っていて、聞けばトマトから抽出した水分を使ったものでした。

美味しいと、お腹に収まってしまいますね。

Bodegón Alejandro
次は、肉料理。ナイフ、フォークに加えて、ヘラのようなものが出てきました。先史時代の祖先たちのように、これで肉を切ってみては?という楽しい提案です。

Bodegón Alejandro
料理は、熟成させたイベリコ豚の腰の部分。臭みがまったくなく、いい香りがします。柔らかくて上品な味わいのため、ヘラでワイルドにカットしても心は現代人のまま。こちらの料理は全般的に塩がややしっかりめですね。ねっとりしたマッシュポテトも絶品。

Bodegón Alejandro
コースの中で、とんでもなく美味しかったのがこれ。キャラメリゼしたフレンチトーストです。中はなめらかな舌ざわりのフレンチトーストに、厚めのキャラメリゼの層が加わると、フレンチトーストとクレームブリュレのいいとこ取りというか、まったく新たなデザートになってしまうのです。それに夢中になっていると、おだやかなコーヒー味のアイスクリームがさらに溶けていることに気づきます。合わせて食べるとまた素敵。

Bodegón Alejandro
続くデザートは、マスカルポーネのまろやかなクリームと、リコリスクッキー、いちご。合わせるとケーキのようです。上に載せたタイム風味のアイスがクセになります。ミントが爽やかさを添えて。

Bodegón Alejandro
「サプライズ!」と言って、テーブルにポンッ!と置かれたのがこれ。

(中身を知りたくない人は飛ばしてください)

Bodegón Alejandro
中には、小さなマドレーヌのような超プチケーキと、レモン風味のメレンゲ、ココアクッキーが。とんでもなくお腹がいっぱいなのに、絶妙な歯ざわりについつい食べ進んでしまいました。

お会計は、コースが€52、白ワインのグラスが€3.5、炭酸水が€3.5で合計€59でした。

予約方法

レストランは、前日の夕方に英語ページもある公式ホームページから予約しました。当日だとオンラインで予約できず、電話予約のみと表示されることもあるようです。

ホームページには英語ページもあります。Bookingページにあるカレンダーの日付を選び、「Number of people」で人数を選択すると、「Time」に予約できる時間帯が表示されるので、そこから選択します。

キャンセルも簡単にオンライン上でできるので、早めに予約することをお薦めします。

Restaurante Bodegón Alejandro
住所:C/ Fermín Calbetón, nº 4 – 20003 Donostia
電話: +34 943 427 158
営業時間: 13:00 – 15:30、20:00 – 22:30.
営業日: 4月24日から11月3日の間は毎日営業
休業日: 1月1日、1月21日~2月7日、12月25日
HP: http://www.bodegonalejandro.com/en/home/

[ All photos by Shio Narumi ]

(参考)
MICHELIN VIAMICHELIN2019
Donostia San Sebastian
Facefoodmag
ケ・アプロヴェーチェ

PROFILE

鳴海汐

Shio Narumi ライター

イタリアはフィレンツェとタオルミーナの料理留学、イギリスはウエストン・スーパー・メアとケンブリッジの花留学を経て、現在はロンドンと神奈川を行ったり来たり。飛行時間の大幅短縮が実現するよう、心から科学の進歩を願う水瓶座。

イタリアはフィレンツェとタオルミーナの料理留学、イギリスはウエストン・スーパー・メアとケンブリッジの花留学を経て、現在はロンドンと神奈川を行ったり来たり。飛行時間の大幅短縮が実現するよう、心から科学の進歩を願う水瓶座。

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