まだ間に合う!?絶叫マシンで有名なカナダ最大の遊園地に現れる大人気クリスマスイベントを現地ルポ

Posted by: 坂本正敬

掲載日: Dec 20th, 2019

カナダ最大の遊園地カナダズ・ワンダーランド(Canada’s Wonderland)に冬季限定でお目見えするウインターフェスタ(Winterfest)は、日本人の知らない大人気のイベント。今から飛行機チケットを予約して、弾丸でカナダのオンタリオ州に旅立ってみては?

ディズニーランドより楽しい!? 日本人も驚くクリスマスイベント

全国にはクリスマスシーズンになるといろいろ趣向を凝らした場所がお目見えします。その中で横綱的な存在と言えば、やはり日本の場合、東京ディズニーリゾートではないでしょうか。

もちろん、東京ディズニーランドと東京ディズニーシーは人を引き付けてやまない場所ですが、その「ディズニーランド」より「楽しい!」と、一緒に取材で同行した日本人の若い女性ジャーナリストが目を輝かせるスポットが、カナダのトロントにありました。

トロント郊外の遊園地カナダズ・ワンダーランド(Canada’s Wonderland)で開催されるウインターフェスタ(Winterfest)で、トロントのダウンタウンからミッドタウン、ノーストロントを越え、高速道路に乗って車で1時間ほど北上した場所にあります。

帰国後にあらためて調べてみると、やはり人気のイベントらしく、

「The park is absolutely beautiful during the Winterfest.(この遊園地は本当に、ウィンターフェスタの期間になると美しい)」

といった賞賛の声がたくさん見られました。一体、何が人気なのでしょうか。

ロマンティックなライトアップの美しさ

ウインターフェスタ(Winterfest)の魅力は、先ほど紹介したコメントにあったように、まずライトアップの美しさにあると言えます。

入場ゲートをくぐると、正面にはシンボルのワンダー・マウンテン(Wonder Mountain。東京ディズニーシーのプロメテウス火山のような擬岩の山)が見えてきます。

その山に向かってインターナショナル・ストリート(International Street)が真っすぐ伸びており、幅100m近くありそうな道のど真ん中に、スケートリンクが用意されています。

スケートリンクの周りは街路樹が植樹され、電飾が施されて、数えきれないほどの電球がきらめいています。園内の飲食店も奇麗にライトアップされているため、暗くなるほどに、そのきらめきは来場者をロマンティックな気持ちにさせてくれるのですね。

ロマンティックな空間にプラスされるアトラクションが楽しい

ただ、単にライトアップの美しさだけでは、カナダズ・ワンダーランド(Canada’s Wonderland)の楽しさは説明できません。

そもそも同地は、絶叫系の乗り物で有名な巨大遊園地。カナダ全土で2番目に巨大なジェットコースターがあるだとか、カナダ全土で最大の高さと速度を誇るジェットコースターがあるだとか、日本で言う富士急ハイランドのような存在です。

一方で、隣接した敷地で開催されるウィンターフェスタ(Winterfest)は、絶叫系の乗り物とは無縁の空間。まさにクリスマスムード一色といったロマンティックな世界が広がっています。

それでも、「生まれは遊園地である」という自らの出自を忘れていないのか、小さなバイキング(海賊船型の大型ブランコ)や、メリーゴーラウンド、おもちゃのような観覧車、回転ブランコのように各種のゴンドラが勢いよく回る遊具が敷地内に点在しています。

これらのミニアトラクションが、ロマンティックな空間にちょっとしたスパイスとスリリングをプラスしてくれるため、余計に楽しいのですね。

しかも、超人気テーマパークとは違って、わずかな待ち時間でアトラクションに乗車可能です。もちろん、追加料金も不要の乗り放題。絶叫マシンが大の苦手で、幾度となく誘いを断ってきた筆者でも、この場所のミニアトラクションは、現地の子どもと一緒になって大いに楽しめました。

「全部が、ちょうどいい」

といった声も現地では聞こえました。まさに敷地全体の広さ、点在するアトラクションの規模、集まっている人の数、「甘さ」と「スパイス」の加減、全部がちょうど良く、来場者を楽しませてくれるのですね。

一風変わったダンスフロアも盛り上がれる

楽しさは、アトラクションだけではありません。園内では至る所で、ゲリラ的にパフォーマーたちがミニコンサートやショーを開催してくれます。

ミニシアターでは劇が催されますし、射的のようなコーナーもあれば、一風変わった「ダンスフロア」もあります。一風変わったとは、受付でヘッドホンを借り、聞こえてくるダンスミュージックに合わせて踊るというユニークなスタイルを意味します。

はたから見ていると何も音楽が聞こえてこないため、苦笑いが出てきそうになりますが、楽しそうに踊る人たちの笑顔を信じて飛び込めば、一気に周りの世界がご機嫌なダンスフロアに早変わりします。

「何をしているの?」と斜に構えて見ていた本人が、気が付けば恥ずかしげもなく踊りまくっているのですね。日本でも騒音が問題になるようなイベント会場では、まねしたいユニークなプログラムです。

カナダ人に見習いたい冬の楽しみ方

時間的な都合でチャレンジできませんでしたが、来園者が口にしているホットチョコレートもおいしそうでした。「スターバックス」のグランデサイズよりも1周り大きい紙コップを手に、ホットチョコレートのスタンドに人々が列を作っています。

最初にお金を払ってカップを手に入れれば、後は園内のどこでも飲み放題といったシステム。マイナス15℃くらいの屋外で口にする飲み物としては、これくらい温かくて強烈に甘い飲み物がいいのかもしれませんね。

園内にはお土産屋も当然あり、全国チェーンの飲食店も一部にあります。ATM(現金自動預払機)も、ロッカーコーナーも、ベビーカーのレンタルコーナーなども、抜かりなく用意されています。

日本の北国に暮らす人たちも、カナダ人のように「冬の寒さもなんのその」と外に遊びに出かける文化が育てば、素敵ですよね。なにしろトロントは札幌と同じくらいの緯度。間氷期には氷河の下にあった土地です。

入場料に関しては、入り口ゲートで当日券を購入すると大人1人35カナダドル。インターネットで事前に購入すると大人1人が24.99カナダドルに割り引かれます(いずれも2019年の場合)。

来年のクリスマスシーズンは、ぜひトロントに出かけてみてはいかがでしょうか。楽しい思い出とともに、冬の楽しみ方をカナダ人に学んで帰ってこられます。そんな年末の旅も、素敵ですよ。

カナダズ・ワンダーランド(Canada’s Wonderland)
住所:1 Canada’s Wonderland Drive, Vaughan, ON L6A 1S6, Canada
電話:+1 905-832-7000
開演時間:17:00〜22:00、または15:00〜21:00
休園日:平日(詳細はホームページを要確認)
HP:https://www.canadaswonderland.com/

PROFILE

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

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