【食べて、飲んで、旅をして3】花やしき、大衆居酒屋、露天風呂・・・都内1泊で非日常を味わう旅

Posted by: 大泉りか

掲載日: Dec 8th, 2020

海外旅行と飲酒が趣味で、ナイトスポットから子連れ旅まで、さまざまな旅を経験してきた作家・大泉りかが、旅の思い出を気ままに綴ります。今回は、東京・浅草から両国への旅です。

スカイツリー

都内の露天風呂付きホテルで1泊

7月のGo To トラベルキャンペーン開始当初、除外されてしまった都民に向けて、都内の宿泊施設が実施していた『都民限定プラン』や、Go Toトラベル解禁後、都民の都内旅行に1泊5,000円の補助を上乗せされる“都民割”のおかげで、週末に都内でホテルステイを楽しむ人が増えているという話を聞きます。せっかくのこの機会、試してみてもいいのではないか・・・ということで、都内でのホテルステイに挑戦してみることにしました。

普段はなかなか泊まることのできないラグジュアリーなホテルで、ゆっくり優雅な時間を過ごすのも魅力的ですが、春先の自粛期間、ずっと家にいたせいか、外に出たい気分。というわけで、今回は、普段はあまり足を向ける機会のない東京の東側にホテルを取り、昼は下町を観光し、夜は地元の大衆居酒屋で終電を気にすることなくお酒を飲む、という計画を立てることにしました。

けれど、せっかくホテルに泊まるのならば、足を延ばしてゆっくりお風呂に浸かりたい。できれば露天風呂があれば最高。このふたつの条件でもって選んだのが、両国。昼間は浅草を観光し、夜は両国での居酒屋で飲んだくれ、そのまま「アパホテル&リゾート 両国駅タワー」に泊まるというプランです。「アパホテル&リゾート 両国駅タワー」は素泊まり朝食抜きでダブルルーム2名で4,600円(税込)。安すぎる!

浅草花やしきで童心に返る

浅草ホッピー通り

まずは浅草からスタート。午前中は別の予定があったので、現地に到着したのは昼下がりでしたが、浅草寺境内の西側にある「浅草ホッピー通り」は明るい時間から始めている客でなかなかの賑わいでした。このご時世でも、外のテーブルなら感染対策もバッチリ。せっかくだから、一杯くらい……という気持ちを振り切って、まず向かった先は「浅草花やしき」(入場料:大人1,000円、小人&シニア500円、幼児無料)。
浅草花やしき

入ってすぐのステージで、ちょうど「花やしき一座」が「ハナハナ盆ダンス!ソーシャルthisダンス」の公演中でした。今年の夏~秋は盆踊りもお祭りもなく、さみしい思いをしていましたが、まさかここでお祭り気分を味わえるとは。ディスタンスを保ちつつ、観客たちも多く参加して盛り上がっていました。
浅草花やしき
東京育ちながら、実は「花やしき」に来たのは初めて。園内の独特の雰囲気に圧倒されました。
浅草花やしき
睡蓮鉢の中にも何かいる・・・あらゆるところに気になるオブジェが隠れているので、歩いているだけでも楽しい。ローラーコースターやメリーゴーランド、ビックリハウスなど、昭和を感じさせるクラシックなアトラクションが多く、子どもの頃に還ったようなノスタルジックな気分を味わえました。が、割と混雑していたので、深追いせずに、次の目的地へと移動します。

フルーツたっぷりの食前酒から大衆居酒屋へ

RANTISBOHYA 果処屋(かどや)
「花やしき」から歩いて10分ほど、言問橋の東交差点の一角にある「RANTISBOHYA 果処屋(かどや)」は、絞りたての生フルーツを使ったサワーやカクテルを楽しめるお蕎麦屋さんです。
RANTISBOHYA 果処屋(かどや)
以前は青果店だった特色を生かし、新鮮フルーツを使用した生絞りジュースを、サワーやウォッカで割って飲ませてくれます。キウイ+パイナップルの「キュイップル」、焼き芋とリンゴの「イモップル」と、どれも魅力的!お酒を飲みながら、ビタミンを補給できるなんて最高です!
RANTISBOHYA 果処屋(かどや)
店先のテーブル席に座り、メロンサワー(500円)をオーダー。さっぱりしていてくどくないので、ごくごくと飲めてしまいます。通常、生フルーツを使ったお酒というと、オシャレなバーなどで供される印象ですが、ジョッキサイズで出てくるこの豪快さがよいですね~!
スカイツリー
交差点からはスカイツリーがこんなに近くに見えます。ちょうど夕暮れ始めた時間帯だったので、ライトアップがきれいでした。食前酒を堪能したので両国へと移動します。

ニュー鳥正

たまたま目について居酒屋「ニュー鳥正」へ。店内は賑わっていて、いい雰囲気です。
ニュー鳥正
刺身の盛り合わせや焼き鳥といったザ・大衆酒場的なつまみで日本酒をいただきました。なんせ今夜は近くにホテルが取ってあるのです。いくら酔っ払っても大丈夫という安心感から、お酒がついつい進んでしまいます。
ニュー鳥正
焼き鳥はタレの味がしっかりしていて、おいしいです。炭火で焼いているのが焦げ目も香ばしい。

ホテルは和のイメージがあちこちに

アパホテル&リゾート 両国駅タワー

すっかりいい具合に酔ったところで、ホテルへ。「アパホテル&リゾート 両国駅タワー」はJR両国駅から徒歩3分程度、国技館の裏手側にあります。2020年8月にオープンしたばかりということで、館内はピッカピカ!最上階にはプール(遊泳別料金、プールサイド無料)もあり、さすがは“アーバンリゾートホテル”をうたっているだけあります。
アパホテル&リゾート 両国駅タワー
神輿や力士モチーフのイラストといった、和テイストの飾りがあちこちにあって、“お江戸観光に来た”という気分が高まります。部屋は残念ながらかなり狭めでしたが、ダブルルーム2名で4,600円というお値段を考えたら文句はありません。地下の大浴場は十分な広さで、露天風呂にもゆったり浸かり、日ごろの疲れが癒やされました。

お江戸・両国を堪能

両国

翌日はブランチのお店を探しつつ、街中を散策。あちこちに力士像が立っていて、めでたい気持ちに。

両国国技館

ちょうど大相撲の開催日だったらしく、国技館の前には色とりどりののぼり旗があがり、櫓からは小気味いい太鼓の音が鳴り響いていました。ちなみに国技館の奥に見える建物が、昨晩宿泊した「アパホテル&リゾート 両国駅タワー」です。

そば処 大関庵
せっかくならブランチも江戸を感じられるものを・・・ということで、両国西口駅から1分、国技館通りにあるレトロな雰囲気の「そば処 大関庵」で天せいろそば(1,050円)をいただきました。出てきてびっくりしたのはそのボリューム。大盛りどころか、軽く二人前はありそうです。天ぷらは人参、かぼちゃ、玉ねぎのかき揚げ、しし唐に海老。出汁は甘辛くて、これぞ東京の蕎麦つゆ!といった味。付け合わせに蒲鉾が添えてあるのがうれしい。
JR両国駅

両国駅に飾られている歴代の力士たちの大型パネルに見送られて総武線に乗車。30分足らずで自宅のある東中野へと到着。移動時間も含めて、ちょうど24時間くらいのショートトリップでしたが、充分に非日常を味わうことができました。日帰りできる距離でも、あえて泊まりにしたことで時間と体力に余裕をもって楽しむことができたし、これまであまり意識したことのなかった「両国」という街が、なんだか身近に感じられるようになりました。

[All photos by Rika Oizumi]

PROFILE

大泉りか

rika_oizumi 官能小説家/ライター

官能小説家/ライター。1977年生まれ。ライトノベルや官能小説を執筆するほか、性愛や女性の生き方などをテーマにしたコラムを多く手掛ける。

官能小説家/ライター。1977年生まれ。ライトノベルや官能小説を執筆するほか、性愛や女性の生き方などをテーマにしたコラムを多く手掛ける。

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