メキシコのサボテン
メキシコといえば、どういったイメージがありますか?特に食と言われたら、タコスやナチョスやサルサを思い浮かべる人が多いと思います。実はそのタコスなどの料理に、知らないうちに日本人がびっくりする食材が使われていて、気付かずに食べているかもしれないとしたら、どうでしょう。
その驚きの食材とは、サボテンです。南北アメリカの乾燥した土地に生えるサボテンは、やはりその土地の人たちに食べられていて、例えばメキシコでは畑で栽培された茎(葉)の部分をサイコロ状にカットして焼き、ステーキやタコスの付け合わせにしています。
筆者は現地を旅行している時、確か串刺しにしてバーベキューで食べている現地の人を見た覚えもあります。サボテンの実の部分は甘みがあるため、スイーツにもされているそう。アイスクリームの材料にされるケースもあるそうですね。
びっくりと言えばびっくりですが、思えばメキシコの国旗にはサボテンが描かれています。メキシコ人にとってサボテンは、とても親しみのある植物なのかもしれませんね。
アフリカのバオバブの木
同じ植物でいえば、アフリカ諸国のバオバブの木も、日本人にとってはユニークな食材に思えるかもしれません。そもそも日本にはバオバブの木が自生しないため、食材うんぬんの前に、植物自体が珍しい存在です。
乾いた広大な大地に太い幹が突き立ち、てっぺん近くにこんもりと葉が茂っている姿は、「生で見てみたい」という旅人の心をかき立てます。
しかし現地の人たちにとって、バオバブの木は単に鑑賞するだけでなく、食用として親しまれている様子。木の葉っぱや芽をアフリカの人たちはサラダにして食べたり、すりつぶしてソースにしたりしているみたいですね。
もちろん実や種も栄養価が高く、さまざまな活用がされているのだとか。食べるだけでなく、さまざまな材料として重宝されているとも聞きます。
地元の人たちの暮らしに根付いた大切な植物だという理解をもって、あらためて写真を眺めると、また見え方が深まるような気がします。
ブラジルのピラニア
ブラジルといえば、ジャングルやアマゾン川を思い浮かべる人も少なくないと思います。アマゾン川の濁った水にさまざまな淡水魚が住んでいる様子も思い浮かびます。その中には、ちょっと怖いピラニアも含まれています。
本来、ピラニアは臆病な魚みたいですが、肉食の淡水魚という点では、日本でも圧倒的な知名度を誇る魚です。筆者も子どもと近所の水族館に行っては、ピラニアの鋭い歯を見て、肝を冷やしています。
しかし、このピラニア、ブラジルでは(といっても具体的にはアマゾン川流域に暮らす人たちの間では)人間が食べられるどころか、人間がピラニアを食べているそうです。
調べると、ピラニアはとても「bony(骨っぽい)」魚で、その割に肉が少ないため、切り身や三枚おろし、フライパンで焼くなどの調理方法は向いていないそう。しかし、刺身も含めて、たんぱく源として、さまざまな調理法で食べられているとわかります。
アマゾン川にはピラルクーなどさまざまな食用の淡水魚が生息しているため、特に好んで食べられているわけではないみたいですが、数ある食材のひとつとして、現地では口にされる機会もあるみたいですね。
アメリカやスウェーデンのザリガニ
ザリガニといえば、赤くて大きなアメリカザリガニが思い浮かぶと思います。日本の固有種のザリガニは、もっと小さく、黒っぽいですよね。子どものころにザリガニ釣りやザリガニ探しを楽しんだ人であれば、すぐに違いがわかるはず。
つかまえたザリガニは、子どものころ、どうしていましたか?恐らく水槽に水を張って、観賞用に家で飼ったと思いますが、あのアメリカザリガニを食べる国々が世界にはあります。例えば、アメリカ南東部やスウェーデンなど北欧の国々ですね。
その証拠に、スウェーデンの家具量販店IKEAでは、夏になると「ザリガニパーティー」が開かれるとご存じでしたか?その時期は、IKEAのレストランでザリガニが食べ放題になります。
ザリガニは意外に世界では人気の食材らしく、エビやカニと並ぶ甲殻類として、さまざまな場所で食べられているらしいです。
「気持ち悪い」と思う日本人は多いかもしれません。しかし、どうしてザリガニは気持ち悪いのに、カニやエビは気持ち悪く感じないのか。単に慣れの問題なのかもしれませんね。
もちろん、筆者も食べた経験があります。ザリガニは体の大きさの割にとても身が小さく、1匹では到底満足できませんが、味はカニとエビの中間くらいで、意外においしかった思い出があります。
タイのタガメ
最後はタイの食材から。タイといえば、虫を食べる食文化が知られています。
バンコクのように大都会であっても、タガメとバッタを食べます。タガメはどうやら日本でも昔は食べたみたいですね。
しかし、現代人の感覚からすると、ちょっと見た目がゴキ〇リに似ているため、想像するだけで生理的に受け付けない人も多いのではないでしょうか。
タイのマーケットを取材した時に聞いた覚えがありますが、タガメはオスのほうがおいしいみたいです。値段も随分と違うそう。調理方法は塩水に浸してからゆでるか、油でカラッと揚げるか、どちらかだといいます。食べない人には、どうでもいい情報かもしれませんね。
以上、世界で食べられている意外な食材をまとめました。もちろん逆に、日本人が当たり前に食べる食材を海外の人が生理的に受け付けられないと拒否するケースもあります。小さいころから何を食べて育ったか、「食育」は人間の形成にとても大きな影響を与えるのですね。
[All photos by Shutterstock.com]
Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター
翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(
https://hokuroku.media/ )創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。
リニューアルした「スヌーピーミュージアム」&「ピーナッツ カフェ」何が変
May 5th, 2024 | kurisencho
世界中で愛されているキャラクター・スヌーピー。2024年の2月には、東京・南町田グランベリーパークにある「スヌーピーミュージアム」と隣接する「ピーナッツ カフェ」がリニューアルして、1日楽しめるスポットになっています。ミュージアムの新展示、ミュージアム限定新作グッズの人気・おすすめランキング、カフェまでまとめて紹介します!
【東京から日帰りで行ける!おすすめ観光スポットまとめ】温泉も絶景もパワー
May 5th, 2024 | TABIZINE編集部
開放感あふれる自然の絶景や元気をもらえるパワースポット、リラックスできる温泉、舌もおなかも満足のグルメ、思い切り体を動かすアクティビティなど、東京から日帰りで行ける関東近郊のおすすめスポットを紹介します。
【東京から約90分の千葉旅】手のひら食パンが人気の「本郷ベーカリー木更津
May 4th, 2024 | kurisencho
自然の中で焼きたてパンを満喫できる千葉県木更津市にある「本郷ベーカリー木更津FACTORY(ファクトリー)」。東京のパン屋さん「本郷ベーカリー」で人気の“手のひら食パン”の工場直売店で、ロケ弁として好評のお弁当も販売しています。東京駅から高速バスで山の木更津のパン屋さんへ行ってきました!
【淡路島のしらす丼】道の駅あわじでは2種類の生しらす丼が楽しめる!島内6
May 4th, 2024 | TABIZINE編集部
2024年4月24日(水)から11月末まで、淡路島全島の飲食・宿泊施設61店舗で、生しらす丼が販売されています。2024年で14年目を迎える淡路島の生しらす事業。毎年50万食を超える生しらすを提供しています。今年もたくさんの人に淡路島の生しらすの魅力を伝えようと、全島を挙げて盛り上げていくとのこと。新鮮な淡路島のしらす丼に注目です!
【今買うべき映え土産】虎の形が可愛い!三重県のベビーカステラ「虎虎焼」
May 4th, 2024 | 西門香央里
旅やお出かけに必須の「お土産」。全国各地には人気のお土産がたくさんありますよね。お店に行くと何を買おうか迷ってしまって時間が経過してしまうことも。ここではお土産にぜひ買ってほしい映える商品をピックアップして紹介します。今回は三重県の「虎虎焼(ことらやき)」です。
【人気の可愛いクッキー缶】おしゃれでおいしいおすすめ13選!東京限定やお
May 4th, 2024 | TABIZINE編集部
焼き菓子で比較的日持ちするうえに、缶に入っていると高級感もあるから手土産にぴったりのクッキー缶(サブレ缶)が人気です。最近は、クッキー自体の色や形も可愛いもの、パッケージがおしゃれなものがたくさん登場しています。東京の店舗限定販売のものや、お取り寄せ可能なものもありますよ。今回は、これまで掲載したクッキー缶・サブレ缶のおすすめ13選を紹介します。
【池袋駅に漂う甘い香りの正体】ミニクロワッサン「MIGNON<ミニヨン>
May 3rd, 2024 | miri
駅中を移動していると、どこからか甘い香りがする……という経験はありませんか? JR池袋駅の南改札にも甘い香りのスポットがあります。その正体は、外パリパリ、中もちもちのミニクロワッサン! 現在、さまざまなパン屋さんで販売していたり、専門店が続々オープンしていたりと注目されていますが、ご紹介するのは博多に本店を構えるミニクロワッサン専門店「MIGNON(ミニヨン)」です。今回は朝にしか買えないお得な3種セットを実食ルポでご紹介します。
【GW入場無料グルメイベント8選】肉フェスも!ご当地アイスも!台湾グルメ
May 3rd, 2024 | Mayumi.W
【2024年5月3日更新】ゴールデンウィーク真っ只中! 今回は、おすすめの東京都内や関東のグルメフェスを集めてみました。どのイベントも入場無料! 今年のGWはおいしいものをたくさん食べてグルメ三昧してみませんか? 毎年人気の肉フェスはもちろん、台湾グルメや激辛祭り、ご当地アイスが楽しめるアイスクリーム万博などなど、ワクワクするイベントがいっぱいです!
【秋田ご当地パン】2つの味が一緒になった「アベックトースト」は温めて回転
May 3rd, 2024 | kurisencho
全国津々浦々で出会えるその土地ならではの「ご当地パン」。今回は秋田県の大定番、たけや製パンから発売している「アベックトースト」を紹介します! 食パンに仲よく塗られた2つの味を楽しめて、新作の味も続々と登場していてと、ついつい買ってしまう魅惑のパンです!
【瀬戸内海の島をつなぐ映えルート「しまなみ海道」絶景グルメ7選】「今治・
May 2nd, 2024 | Miki D'Angelo Yamashita
”瀬戸内しまなみ海道”とは、瀬戸内海に浮かぶ美しい島々を結ぶ、広島県尾道市から愛媛県今治市まで全長約70kmの海の道。日本で初めて海峡を横断できる自転車道「サイクリングロード」が設けられ、歴史と文化にあふれる島々を自転車で走り、心地よい海風を感じながら絶景を楽しむことができます。今回は、しまなみ街道の魅力を発信中の「今治・しまなみ自転車大使」道端カレンさんに、絶景グルメスポット・ベスト7を選んでいただきました。