悠久の歴史、優美な自然に抱かれる豊後高田市
大分県の北部に位置する豊後高田市。春は約2,200万本の菜の花、夏には約160万本のひまわりが咲き誇る「長崎鼻」、中世の田園風景を色濃く残す「田染荘(たしぶのそう)」など、多くの自然豊かな景勝地を抱えています。
海岸線を走る国道213号は、人気のドライブルート。縁結びの神様「粟嶋社」などロマンティックなスポットが多くあることから、約20キロが「恋叶(こいかな)ロード」と名付けられ、「恋叶トンネル」など“恋”にちなんだ名所も点在。なんだか素敵な縁を引き寄せてくれそうな場所ですね。
刻一刻と移り変わる、究極の自然美
海が東に位置する大分県内で唯一、海に落ちる夕陽を望めるのが「真玉海岸」。周防灘に臨む、海岸から500m沖まで広がる遠浅の干潟で、潮が引くと波風によって生み出された大小の砂漣(されん)が姿を現します。
太陽が水平線近くへ降りてくると、砂漣に残った海水に陽が反射し、コントラストが強い縞模様が浮かび上がります。オレンジ色から茜色へ、紫から濃紺へと移ろう風景は、もう言葉を失うほどの美しさ。刹那の美を前にすれば心がすっと穏やかになることでしょう。
この幻想的な夕暮れを見られるのは日の入と干潮が重なり、さらに天候に恵まれた日のみ。月にわずか4日ほどだとか。まさに奇跡の絶景といえますね。
・真玉海岸「干潟の夕陽」見ごろ日カレンダー
https://www.showanomachi.com/topics/detail/43
住所:大分県豊後高田市臼野
ポップな色彩に包まれる人道トンネル
心に響く夕陽を堪能した後は、ぜひ“映え”で話題の「恋叶トンネル」へ。ここは国道と並行する人道トンネル。壁面に60以上のアートが描かれていて、作品の前に立てばフォトジェニックな写真が撮れるというスポットです。デザインは全国公募され、県内の小中高生が中心に制作したそう。
アート作品は「恋叶」「楽園」「芸術」などのテーマに分かれていて、どれもポップで色彩豊か
地元の小学生が手がけた「真玉海岸の夕陽」。筆を使わずに、主に手の平で描いたとか
「しあわせ・キラキラ」をモチーフしたという中学生による一昨。月に座り、ハートの前に立つポーズをイメージ
トンネルは全長421m。真っ直ぐに伸びるアーチ型の道はこれだけでアトラクションのよう。移り変わるアートを鑑賞しながらのウォーキングもおすすめです。
住所:大分県豊後高田市中真玉
恋愛成就祈願の聖地としても知られる、祈りの社
恋叶ロードを訪れたなら、この地のシンボル的存在「粟嶋社」にも立ち寄ってみてはいかがでしょうか。1625年(寛永2年)、和歌山県の加多淡島神社から勧請により創建された社で、ご祭神は日本神話に登場する大国主命と、一寸法師のモデルといわれる少彦名命。社があるのは海に突き出た岩窟の上。鳥居をくぐり、広大な海を眺めながら階段を下りていきます。
目の前はすぐ海という全国的にも珍しい立地にある社。青い空と海に朱色の柱が鮮やかに映え、思わず写真に収めたくなるほどの美しい佇まい。恋愛成就祈願の聖地として知られており、訪れた日も多くの女性が参拝する姿が見られました。
住所:大分県豊後高田市臼野
幻想的な刹那の夕陽、由緒正しき海辺の社。自然と歴史が美しく響き合うこの地を訪れて、あなたの願いを叶えてみてはいかがでしょうか。
[Photos by Nao]