今回は都会のオアシス「ヤエチカ」へ
今回の舞台は、東京駅の八重洲口に広がる「八重洲地下街」です。「ヤエチカ」の愛称で親しまれ、おみやげや最新グルメといった観光客向けとは少々異なり、近隣で働く人々が気軽に通うようなお店が並んでいます。その数は約180店舗と大規模の商店街となっており、飲食店をはじめ、アパレルや日用雑貨などを扱うお店と、毎日の生活に密着しています。
近隣の人々が通う商店街ということは、便利&名店の宝庫。今回お邪魔した「ERICK SOUTH(エリックサウス)」は、「八重洲地下街」でも人気店舗のひとつ。場所は東京駅八重洲中央口から向かって一番奥、京橋・銀座方面へ向かう八重洲地下2番通り・24番出口近くに位置します。
珍しいメニューに気分がアガる!
カウンター席が並び、コンパクトな印象を受ける「ERICK SOUTH」。外観を見た限りでは、一人でふらりと立ち寄りやすく、駅の中によくあるカレー屋さんといった雰囲気。
しかし、メニューを広げた瞬間その考えは吹き飛びます。というのも、見たこともないような料理名ばかりが目に入り、「どれもこれも気になる!」とわくわくが止まらなくなるラインナップ。
どれを食べようかとかなり悩むこと間違いなしですが、今回は、パッと目に飛び込んできた「Erick MEALS(エリックミールス)」を選択。一体どんなカレーがやって来るのでしょうか……!?
異国の食文化を思いっ切り楽しもう!
そもそも南インドカレーは、野菜をたっぷりと使用し、油脂は少なめ。スパイスや素材のおいしさをいかしたヘルシーな味わいが特徴で、その中でも「ミールス」は、南インド料理の定食といった位置づけなのだとか。運ばれてきた料理を見れば、「なるほど」と納得するほど、プレートの中にさまざまな料理が盛られています。
ちなみに、この「エリックミールス」は、メニューの中から2種類のカレーが選べ、さらに、「本日の豆カレー」が1種類がつきます。今回は、「はちみつバターチキンカレー」(左)と、「マトンカレー」(右)をチョイス。
本日の豆カレーは、「小松菜のダール」(左)でした。となると、その横の2種類は何?という疑問が生まれますが、画像中央は「サンバル」といって、南インド料理には欠かせないトゥール豆と野菜を煮込んだ菜食カレー。この「サンバル」とは、おふくろの味的な存在なのだとか。
その隣は「ラッサム」といって、トマトベースで、黒胡椒が効いた辛めのスパイススープ。そのままはもちろん、ライスなどに合わせて食べてもOK。「ミールス」には、この「サンバル」と「ラッサム」が必ずつくので、いろいろな味を楽しみたい人にぴったりです。
また、インドカレーといえばナンのイメージがありますが、南インドの主食はお米なので、ナンはつきません。日本のお米を使用した「ターメリックライス」に、パラパラとしたお米「バスマティライス」、そこにパリパリ食感の香ばしいせんべいのような「パパド」が添えられます。聞き慣れない料理が並び、何がなんだかよくわからなくなってきますが、まだまだ続きますよ~。
副菜に目を移していきましょう。「スイーツまでついてる!」と思いきや、豆やスパイスなどをつぶし、黒胡椒がアクセントのおかず系ドーナツ「ワダ」に、その左には、見た目はポテトサラダのような「ウプマ」。そのまた左には「ワダ」や「ウプマ」などにつけて食べる白いソース「ココナッツチャトニー」と、珍しいものばかり。
中でもウプマは、食べてみると衝撃を受けるはず。筆者は、ポテトサラダと思い込んで食べてしまったため、じゃがいも感皆無の味わいに脳が混乱してしまったほど。なんとも表現しがたい料理なのですが、しいて言うなら「卯の花」のような食感。この新感覚が、食べる楽しさを倍増させます。
また、ワダの右横にあるのは、甘みのないヨーグルト。これもデザートではありません。なんと、シメとして、ごはんに合わせて食べるのだとか!
さらに、卓上には3種類の味変アイテム「薬味」があり、これも日本では食べたことがない味のものばかり。大根の辛い漬物「ウールガイ」(左)ときなこのような「ひよこ豆のふりかけ」(右)、上は「辛味」。辛いもの好きな筆者でも、思わず「ワオ!」と声が出てしまったレべルの辛さです。
「食べる」という楽しみを再発見
カレーの香りが食欲を激しく刺激し、「早く食べたい!」の気持ちでいっぱいになりますが、食べる前にすこ~しだけ注意が必要です。「ミールス」は、食べ方も実にユニーク。まずは、小皿のカレーを外に出し、プレートにスペースを確保することから始まります。
次に、ごはんを平にして、カレーやサンバル、ラッサムなどを1種類ずつかけていただきます。ちなみに、「パパド」はそのまま食べてもよし、細かくして、ライスにトッピングするもよし。そのあとは、いろいろ混ぜて自由に食べながら、自分の好きな組み合わせを見つけます。
最後にヨーグルトを少し残しておくのがポイント。ウールガイ(大根の漬物)と混ぜながら、ライスにかけてお茶漬けのように食べます。これがシメになるのです!
選べるカレー2種、本日の豆カレー、サンバル、ラッサム、ターメリックライス、バスマティライス、パパド、ヨーグルト、ワダ、ウプマ
価格:1,485円(税込)
狙い目の時間帯:16:00頃が比較的ゆっくりできます
※店頭で冷凍商品も販売しているので、自宅でもエリックサウスの味が楽しめます
東京駅という場所で、異国の食文化を気軽に楽しめたことに衝撃を受けましたが、やはり一番はカレーのおいしさ。濃厚な「はちみつバターチキンカレー」に、コクのある「マトンカレー」、豆の風味をたっぷりと感じる「小松菜のダール」と、スパイスのパンチ力と素材の旨みが絡み合い、カレー好きにとってたまらないお店なのは間違いありません。
食べ方の楽しさや、想像もできない食感、そして味わいへの驚きが、旅先での食事するときのワクワク感と同じで、「食べることの楽しさ」をあらためて感じることができました。奥が深すぎる南インドカレーに出会い、再訪を心に誓ったのでした。
住所:東京都中央区八重洲2-1 八重洲地下街中4号
電話番号:03-3527-9584
営業時間:11:00~22:00(L.O.21:30)、土日祝11:00~21:30(L.O.21:00)
定休日:なし
公式サイト:https://enso.ne.jp/erick-south/yaesu/
[All Photos by koume]