インドやネパールなど南アジアを旅行した人なら必ず一度は食べたはずの本場カレー。現地の人は毎日3食といった勢いで食べていますが、味は似ていても日本のカレーとはスタイルが全く違います。どうしてこれほどまでに違っているのでしょうか?
そこで今回は農林水産省の情報を参考に、日本のカレーとインドのカレーが大きく異なる理由をまとめたいと思います。
1:インドからイギリスに渡り、とろみがつけられた
インドで食べられているカレーが日本に届くまでには、長い時間が掛かりました。
そもそもインドはイギリスの植民地でしたが、18世紀の植民地時代にベンガル地方の総督だったイギリス人によって本国にカレーが紹介されます。ベンガル地方とはインドの東部、ビクトリア記念堂など植民地時代の建物が残る大都市コルカタのある地方。
その後、19世紀になるとイギリスで初めてカレー粉が開発され、さらにカレーに小麦粉が投入され“とろみ”が生まれます。日本のカレーとインドのカレーの最大の違いである“とろみ”は、日本に入ってくる前のイギリスで生まれたのですね。
2:明治維新後に日本に伝わり、明治から大正を経て今のカレーに
明治維新後、ヨーロッパの文化が大量に日本に輸入されます。そのうちの1つが、カレーだと言われています。
明治時代の書物「西洋料理指南」にもカレーが紹介されているそうですが、明治時代のカレーは具材にカエルや長ネギが使われているとかで、今のカレーにはまだ遠い感があります。
大正時代に入ると、安いカレー粉が一般人にも広まり始めます。同時期に日本では観賞用に過ぎなかったタマネギ、ジャガイモ、さらには西洋系が輸入されたニンジンが北海道で盛んに作られるようになり、市場に流通し始め、カレーの具材として利用されるようになります。
この時点で今私たちが知る、とろみのあるタマネギやジャガイモ、ニンジンのカレーが完成するのですね。
昭和に入ると、ご当地でいろいろな具材が試されるようになります。北海道ではタコ入りのカレー、福島ではホッキ貝のカレー、熊本では馬肉のカレーなどが今でも有名だといいますが、基本の完成は大正時代だと言えそうです。
以上、インドのカレーと日本のカレーが違う理由をまとめましたが、いかがでしたか? 友人や恋人の家では「ええ!?」という具材が使われているかもしれません。何かの折に聞いてみると面白いかもしれませんね。
[カレーはどこから来たの? – 農林水産省]
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