【実は日本が世界一】最高額は500万円!鳥取の松葉がに「五輝星」のギネス記録

Posted by: 坂本正敬

掲載日: Oct 12th, 2022

日本にいながら、意外と知らない日本の「世界一」。いつも何気なく目にしているものから、知られざる自然の世界、そして努力や技術の賜物まで、日本には世界に誇れる「世界No.1」がたくさんあるんです。そんな「実は日本が世界一」、今回は、そろそろ漁解禁も近いカニの世界一を紹介します。

松葉がに(かにすき)
©鳥取県
 


 

世界一高額で競り落とされた「松葉がに」

松葉がに
松葉がに ©鳥取県

カニといえば、ケガニ・ズワイガニ・ベニズワイガニなど、食用のカニが日本近海でもたくさん捕れますよね。

例えば、『広辞苑』(岩波書店)にも掲載される「越前がに」といえば、福井県の越前一帯で水揚げされるズワイガニの呼び名で、漁獲が解禁される秋冬には、越前がにを食べるためにわざわざ北陸へ足を運ぶ人までいます。

鳥取県で水揚げされる「松葉がに」も有名ですよね。ズワイガニなので、カニの種類は越前がにと一緒なのですが、生育環境などが異なるため、異なる名前で売り出されています。

この松葉がにが今回のテーマ。2019年(令和元年)に鳥取港で競り落とされた松葉がにが、最も高額で競り落とされたカニとして、ギネス世界記録にも掲載されているとご存じでしたか?

その額は、なんと1匹500万円でした。すさまじいですよね。

1匹200万円の松葉がにが世界記録に認定

特選とっとり松葉がに 『五輝星(いつきぼし)』
特選とっとり松葉がに 『五輝星(いつきぼし)』 ©鳥取県
※1匹500万円のかにではありません

この松葉がに、『広辞苑』で調べると、

<ズワイガニの別称>(『広辞苑』より引用)

と書かれています。山陰地方ではズワイガニの雄を松葉がにと呼び、全国にも知られるようになりました。

2015年(平成27年)から鳥取県が、同じ松葉がにの中でも、甲羅の幅・重さ・鮮やかな色合いなど5つの基準をクリアした松葉がにを、「特選とっとり松葉がに『五輝星(いつきぼし)』」と認定するようになり、さらなるブランド化が進みました。

その『五輝星』の松葉がにが、2018年(平成30年)、鳥取港での初競りにおいて200万円で落札され、ギネス世界記録に認定されるという驚きの出来事があったのですね。

世界一と認定された内容は「The most expensive crab sold at auction(最も高い値段で競り落とされたカニ)」でした。

1年後に500万円で世界記録を更新

その1年後の2019年(令和元年)には、なんと『五輝星』が今度は1匹500万円で落札され、ギネス世界記録を更新します。

落札者はどちらも、鳥取市の仲買業者でした。500万円の松葉がにについては、東京のかっぽう料理店からの依頼を受けての落札。かっぽう料理店も、店の客からの注文を受けて、鳥取市の仲買業者に依頼したようです。

一方の200万円の「松葉がに」については、鳥取市の水族館で展示されていました。残念ながら2000年(令和2年)に死亡しています。

2022年10月現在、世界記録は破られていません。世界一高いカニは鳥取にいる、そんな思いで今年の冬は鳥取に出かけて、松葉がにを口にしてみると、また違った味わいが楽しめるかもしれませんね。

[参考]
鳥取県産「世界一高価なカニ(1枚200万円)」ギネス世界記録認定 – 鳥取県
Most expensive crab sold at auction: world record set by Kanemasa Hamashita Shoten – Guinness World Records
Most expensive crab sold at auction – Guinness World Records
世界最高額500万円のカニはどこへ行った – 産経新聞
越前がにとは? 越前がにの特徴 – 越前町観光連盟 
ギネスに認定された200万円のズワイガニ死ぬ 老衰か – 朝日新聞

PROFILE

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

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