【実は日本が世界一】深さ8,336m!最深地点で確認された魚「スネイルフィッシュ」

Posted by: 坂本正敬

掲載日: Jul 12th, 2023

日本にいながら、意外と知らない日本の「世界一」。いつも何気なく目にしているものから、知られざる自然の世界、そして努力や技術の賜物まで、日本には世界に誇れる「世界No.1」がたくさんあるんです。そんな「実は日本が世界一」、今回は、旅というよりも冒険に近い深海に関する世界一を紹介します。

深海のイメージ
 


 

深海8,336m地点で魚が確認される

海の深さ
日本の周辺には深海がいくつもあります。そのうちの1つに、伊豆・小笠原海溝があります。手元の地球儀で確認すると、本州の東北に沿って日本海溝があり、房総半島の沖合から伊豆諸島、小笠原諸島に沿って伊豆・小笠原海溝があります。

今回は、この伊豆・小笠原海溝で達成された世界一の話。ギネス世界記録にも登録されていて、記録名は「Deepest fish」と表記されています。一体、何の世界一だかご存じでしょうか?

そもそも、伊豆・小笠原海溝とは、平凡社の百科事典を読むと、水深4,500mあたりから階段状に急に落ち込み、最も深い部分は約9,000mにまで達するそうです。

第二次世界大戦前は、1万mを超える深さがあるともいわれていたみたいです。そんな海溝の中でも底に近い8,336m地点で達成された世界一の記録があります。


深海8,336m地点に生息する魚が、西オーストラリア大学や東京海洋大学によって組織された国際研究グループにより確認され、録画にも成功したのですね。

魚が生きられる極限ぎりぎりの深海

マリアナ海溝
映像で記録された魚は体長が30cmある「スネイルフィッシュ」という深海魚の仲間だそうです。素人の見た目からすると、乳白色のナマズといった感じ。ウーパールーパーに似ているような気もします。

ギネス世界記録によると、前回までの記録は、伊豆・小笠原海溝の南にあるマリアナ海溝の8,152m地点で確認された深海魚だったそう。2017年(平成29年)の記録です。

その記録を、日本の領海内にある伊豆・小笠原海溝で、日本の大学を含む研究グループが、2022年(令和4年)に打ち破ったのですね。

魚は、脊椎(せきつい)動物です。言い換えれば、骨格の支柱で体を支える生き物です。骨で体を支える以上、水深が深くなり、水圧が高まると、生存が困難になります。

<脊椎動物である魚類は、水圧の影響のため8200メートルから8400メートル程度より水深が深くなると生存が難しくなると考えられています>(NHKより引用)

この記録が打ち破られる日が来るとすれば、専門家の常識も覆るビッグニュースになるのかもしれません。世界の深海にはまだまだ、ロマンがたくさん残されているみたいですね。

[参考]
Deepest fish – Guinness World Records
小笠原海溝 水深8336mの魚とは ギネス世界記録 “最も深い”【動画】 – NHK
「最も深い場所」で泳いでいる魚を撮影 ギネス世界記録に認定(2023年4月5日) – ANNnewsCH

[All photos by Shutterstock.com]

PROFILE

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

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