日本女子大学 国際文化学部1年生が海外現地ルポ!
今年2023年から国際文化学部が新設された日本女子大学。新学部では1年生から約2週間の海外研修で他国の言語や文化を学ぶプログラムが必修となりました。
海外への渡航が制限された約3年半を経て迎えた海外短期研修。そこには大きな期待と不安があったことと思います。彼女たちの海外短期研修中のカメラロールや等身大の体験談から見えてくる、教育や文化、価値観の違い、そこから得た学びとは?
イギリス・オックスフォード編
理紗さん
「今まで私はコロナウイルスの影響で留学の機会を何度も逃してきました。そしてやっと実現した今回のSAP(海外短期研修)の中で、どんな困難に直面しても何事も前向きに、間違いを恐れずにチャレンジしてみるという姿勢が鍛えられました。そのきっかけとなった出来事をご紹介します」
まひさん
「寮の共同ルームで偶然出会った中国からの留学生たちと友達になったことが大きな出来事です。国家間では様々な問題を抱えているのは事実ですが、出会ってすぐ友達になることができ、嬉しかった気持ちを今でも忘れられません」
愛莉さん
「SAPを通して変わったことを一言で表すなら“初めてのことに挑戦する姿勢の前向きさ”であると感じます。私にとって今年の夏は、初めて“観光”ではなく“学ぶため”に海外で過ごした日々。実は出発前に、自分自身と2つだけ約束をしてから今回の研修に臨みました」
2023年11月27日掲載
アメリカ・ボストン編
みおさん
「アメリカ人のみんな違ってみんないいという雰囲気が私は大好きです。ボストン大学の学生は生き生きとしていました。勉強熱心で、カフェテリアでもパソコンを広げて勉強の話をしています。それも嫌々ではなく自分の選考に楽しさを感じていることが伝わってくるんです。今回のボストンの研修で、私の今後の学びにさらに火が付きました」
M.Nさん
「現地でコーディネーターを担当してくださったアメリカの方から言われた、”Study abroad changes lives, and changing lives changes the world.”という言葉がとても印象に残っています。私は、この言葉を何事も自分で経験することが自分の可能性を広げることにつながり、その可能性に満ちた人間は、世界を変えられるほど価値があるという意味だと解釈しました」
2023年11月28日掲載
オーストラリア・シドニー編
ACALIさん
「現地で生活する中で特に印象に残っているのは、オーストラリア人の生活スタイルです。多くの店舗が17時に閉まります。平日の昼間でものんびりと公園で過ごしている人を多く見かけました。日本ではあまりない光景です。個人の時間を大切にして生活をするオージーらしさが垣間見たことで、私の価値観は以前と変わりました」
2023年11月29日掲載
フランス編
A.Kさん
「授業に参加する、という言葉そのものの解釈が日本と海外とでは違うような気がします。日本では、基本黒板・教科書・ノートと向き合う授業が多いですが、フランスは、頭だけでなく、手を動かしながら、より自分の頭の中のことを形にする、ということを大切にしていると感じました。どちらもメリットとデメリットがあると思いますが、個人的に海外のクリエイティブな授業スタイルは、より自分で考える場面が多く勉強になりました」
2023年11月30日掲載
ベトナム編
フォーさん
「私の中で活きる体験があったのは現地の日本語を学ぶ大学生と交流して、お互いの国のことを話合い、理解を深められたことです。一緒にショッピングモールに行ってベトナムの生活について商品を見ながら説明を聞いたり、観光客ではなく現地の人が日常的に食べるようなご飯を食べることができて、とても貴重な体験でした」
エリザベスさん
「私は、普段英語の授業の際に、『間違ったら恥ずかしい』と思い込んでしまい、つい、自分から発信できずに縮こまってしまっていました。しかし、今回ベトナム人学生たちと日本語で会話をした経験を通して、その考えが変わったと感じています。間違うことを気にして消極的になってしまうことは、とてももったいないことなのだと気がついたんです」
2023年12月1日掲載
台湾編
あやのさん
「飲食店で注文するとき『中国語が分からないから英語でいいや』ではなく、翻訳アプリを使ってでも自分の口から中国語で喋ってみたんです。すると、意外と店員さんとコミュニケーションをとることができ、語学力の向上に繋がりました。海外短期研修をきっかけに、言葉が分からないからと言って遮断してしまうのではなく、翻訳アプリを活用しながらでもコミュニケーションをとっていこうと考えを変えることができました」
希(のぞみ)さん
「現地のスーパーで『今度沖縄に行くから、おすすめのカップラーメンを教えてほしい』と台湾の方に話しかけられました。このとき私達は中国語がまだほとんど話せず、相手も日本語は話せないようだったので、互いに完璧ではない英語で会話。この体験から、私が今まで外国人に話しかけたくてもできなかったのは、言語の壁ではなく恐怖心なのだと気づいたんです」
2023年12月2日掲載
韓国編
N.Y.さん
「今回の研修で韓国食文化の講義を受け、食生活に対する意識が高まりました。今まではなんとなく食べたいものを食べていました。しかし食べ物は私たちの体を作っています。韓国の、食に対する意識の高さとその思想に触れたことで、もっと真剣に食生活について考えるようになりました」
2023年12月3日掲載
7カ国の海外短期研修に寄せて
鉄は熱いうちに打て、と言います。人が変わるときもまた、何かに熱中したり、熱い想いに震えたり、がむしゃらに一生懸命生きているとき。彼女たちにとって、今回の海外短期研修は、そんな、またとない熱くなる機会だったのかもしれません。
語学が目的から手段に変わること、どう話すかではなく何を話すか、伝えるべき“何か”は自分の中にあるのかー。
そして伝わったときの喜び、世界と視点が一気に広がるグルーヴ感、その感覚で顧みる日本と自分はどう見えるのかー。
思いっきり外に飛び立ち、深く自己の内に潜る。それをぐるぐる繰り返す。
彼女たちのそんな熱い夏を、ほんの少しだけ一緒に味わったような気持ちになり、改めて“旅”が持つ可能性を感じたのでした。
TABIZINE10周年を迎えるこの時期に、海外への渡航制限が緩和されていることを本当にうれしく感じています。
そしてこれからも人生に、旅心を。
TABIZINE統括編集長 山口彩