眼がルビーのように輝く!高知県でしか釣ることができない幻の淡水魚「アカメ」
「アカメ」はスズキ目アカメ科に属する日本固有の海水魚で、「マルカ」「ミノウオ」とも呼ばれています。静岡県浜名湖から鹿児島県志布志にかけての太平洋沿岸域、種子島に生息。体は長楕円形で側扁で、口は大きく、下顎は上顎よりも突出しているのが特徴です。
背ビレは2基、尾ビレの後縁が丸いほか、側線に並ぶウロコは60枚以上あります。成魚の体色は銀灰色、眼はルビー色に輝き、全長は1m、体重30kgを超えます。
幼魚は暗い褐色で不規則な黒い横線があり、四国の四万十川や宮崎県の大淀川などの大きな川に入り、河口を遡上します。しかし、回遊生態や産卵場所などは、まだはっきりとわかっていません。
また、四国水族館など地方の水族館に行かないと、アカメにはお目にかかれません。さらにアカメは警戒心が強いため、釣りづらい魚だそうです。2023年現在は、高知県のみで釣ることができます。釣りの対象として熱心にアカメを追い求め、高知県を訪れるファンも多いとか。
アカメは、淡水魚特有の臭みがありますが、下処理をしっかり施せば食べられるそうです。外見が似ているスズキよりもおいしいとの話もありますよ。
20年以上生きる個体も!琵琶湖淀川水系の固有種「ビワコオオナマズ」
「ビワコオオナマズ」は、ナマズ科に属し、琵琶湖淀川水系に生息する固有種です。名前の通り巨大で、成魚の体長は1mを超します。大阪府内では、淀川で生息記録があるそうです。
ビワコオオナマズは、下アゴが著しく突出していて、長く平べったい頭が特徴的。尾ビレの上葉が下葉よりも長く、背部が黒色で金属のような光沢を帯びており、腹部は白く、暗色の斑紋が出る個体もいます。成長は早く、4〜5年で60〜80cmになり、中には20年以上生きる個体も!
また、幼魚はナマズと同じく6本のヒゲがあり、成長するにしたがって4本に減るのもユニークな点です。
ビワコオオナマズは、ゲンゴロウブナ、ニゴロブナ、ビワマス、コアユなどの小型から中型の魚を食べていると考えられており、5月中旬から8月の産卵期を迎えると、産卵のため接岸します。しかし、ふ化した小魚がどのように成長するかは、あまり知られていません。
さらに、ビワコオオナマズは釣るのが難しいようで、なかなか釣れないとか。だからこそ、一度は釣ってみたいと思うのかもしれませんね。
琵琶湖博物館の水族展示室では、水槽の底で静かに過ごすビワコオオナマズを見ることができますよ。
ちなみに、ビワコオオナマズは、ムニエルや天ぷらとして味わうこともできるそうです。意外とおいしいとのことなので、機会があったら食べてみたいですね。
頑丈なアゴを持つ!“湿原の王者”と呼ばれる絶滅危惧種「イトウ」
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“湿原の王者”と呼ばれている「イトウ」は、サケ科イトウ属の日本最大の淡水魚です。安定して生息している河川は北海道のわずか6水系と、絶滅危惧種の中でも、最も絶滅の危険度が高いとされる「CR」に指定されています。
成魚では体長1mを超え、体重は最大で45kgに達することも! しかし、イトウはほかのサケ科魚類に比べ、体長のわりに体高が低く、スリムな外見です。また、口が大きく頭部背面が扁平で、斑紋が個体によって異なります。寿命が15~20年以上と長いのも特徴です。
イトウはサケと同じように、一時期海に出て生活をします。さらに、春のわずかな期間だけ産卵のために川を上り、産卵後、川を下る生活を送っていると考えられています。しかし、海に何度出るのか、はたまた海でどのくらいの期間を過ごすのかはわかっていません。一生ダム湖で暮らし、一度も海に出ない個体もいるそうです。
また、イトウは頑丈なアゴと鋭い歯を持ち、魚類はもちろん、カエルやヘビ、ネズミなどを捕食することもあるとか。
そんなイトウは、釣り人にとって憧れの存在だそうです。食べることもでき、身が締まっていて洗練された味だといいます。白神山地を源流とする赤石川の清流水ではイトウを養殖しており、通販も行っているので、気になる方は注文するのもいいかもしれませんね。
[参考]
おおさか環農水研
滋賀県琵琶湖環境科学研究センター
猿払イトウ保全協議会
青森県・鰺ヶ沢町観光ポータルサイト
[Photos by Shutterstock.com]