「越前ガニ」ロスを埋めるグルメを探して

福井の名物といえば、やはり越前ガニ。実は筆者、今回越前ガニの解禁を心待ちにし、一番乗りでいただくつもりで福井入りしたんです。それがまさかの強風のため漁が見合わせに……。11月6日の解禁初日に出漁できなかったのはなんと43年ぶりだそうで、一体どれだけ運が悪いんだと嘆きました。

しかし嘆いてばかりもいられません。越前ガニに代わる心躍る福井グルメを探して、SNSを徘徊。そして見つけたんです！

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米と魚 たて涌(@tatewaki_kometosakana)がシェアした投稿

ジャーン！ 幻の食材「ガサエビ」を使った、「がさえび御膳 2,500円」。お店は福井駅近くの「米と魚 たて涌」さん。立地がいいのもナイス。

ガサエビってなに？ と早速ググったところ、正式には、主に「クロザコエビ」と「トゲザコエビ」といい、「越前エビ」「ガスエビ」「ドロエビ」などとも呼ばれるそう。限られた地域でしか水揚げされず、鮮度が落ちやすいので産地でしか流通しないのだとか。

これは気になる！ 甘エビより甘くて美味、との言葉にワクワク期待も高まり、越前ガニロスの傷心もすっかり元気になってしまいました。

特製の土鍋で炊き上げた米と魚が自慢の「米と魚 たて涌」

たて涌は、福井駅から徒歩10分くらい。福井西武の8階にあるのでわかりやすく、レンタカー利用のときも福井西武の駐車場が使えるのがうれしい（西武福井店で2,000円以上のお買い物で2時間無料）ですね。

のれんをくぐると、土鍋が並ぶ厨房が目をひきます。この土鍋、たて涌特製の土鍋なのだそう。この特製土鍋で炊き上げたお米は、きっとめちゃめちゃおいしいんだろうなあ。

何となく越前ガニの赤を思い出し、蟹のイメージで赤なのでしょうかと聞いてみましたが、そういうことではないようです。

我々の目的はもちろん「がさえび御膳」だったのですが、うなぎにのどぐろ、黒毛和牛……メニューを見ているとどれもおいしそうで食べてみたい。せっかく4人で来ているので、1人ずつ別のメニューを頼んでシェアすることにしました。

50席ある店内には、掘りごたつタイプの窓際席もあり、ゆったりと食事を楽しむことができます。

最高の贅沢を堪能できる土鍋飯！締めのだし茶漬けがまた美味

さあ、御膳が続々と運ばれてきました！ 今回筆者らが選んだのは……

こちらの4品です！ うーん壮観！ 土鍋の蓋を開けるときのワクワク感もたまりません。ホワッと湯気が立ち、お米や香ばしく焼き上げられた素材の香りで食欲が刺激されます。ちなみに真っ白な白米が「がさえび御膳」。ここに別添えのがさえび塩麹漬けをのせて食べるんです。

• 三河一色産　櫃まぶし御膳　3,300円
• 日本海産ののどぐろまぶし御膳　3,850円
• 黒毛和牛ロース肉まぶし御膳　3,300円
• がさえび御膳　2,500円

櫃まぶし御膳、のどぐろまぶし御膳、黒毛和牛ロース肉まぶし御膳の3品には、だし巻き玉子とまぐろ節土瓶出汁、自家製漬物、薬味がついています。がさえび御膳は、生卵、お味噌汁、自家製漬物、薬味つき。

ひつまぶしのように、そのままで・薬味で・出汁茶漬けでと色々楽しめるのがいいですね。

黒毛和牛ロース肉まぶし御膳

見よ！ この罪深き黒毛和牛の肉汁たっぷりの輝きを！ いただく前に、ため息が出て眺めてしまうほど。舌の上でとろけるようにやわらかいお肉は、薬味のわさびとともにいただくのもまた格別。

三河一色産　櫃まぶし御膳

三河一色産のうなぎを使用した櫃まぶしは、身はふっくらジューシー、こんがりした焦げ目が香ばしい。本物のうなぎの贅沢な風味を心ゆくまで堪能できます。

日本海産ののどぐろまぶし御膳

高級魚のどぐろは、白身のトロと言われるほどたっぷりと旨みがその身に詰まっています。脂ののりがよいのにしつこくなく、炙った皮がまた旨みを引き立てる。レモンで味変するのもまたよし！

だし茶漬けがこれまた最高にうまいんです！ まぐろ節の土瓶出汁は、体の隅々まで染み渡るような滋味深い味わい。タレのしみたご飯ともよく合います。

人生初の「がさえび御膳」に身悶えする

そして今回のお目当てだった人生初の「がさえび御膳」もいっちゃいますよ。白米にがさえび塩麹漬けを全部のせて……

まずは一口、卵はまだ崩さず、がさえびだけいただいてみると、そのぷりっぷりの食感ととろける甘みに、もううっとり。越前漁港から直送されたがさえびが使われているとのことですが、確かに甘エビより甘い！ どうしてもっと早くがさえびの存在を知らなかったのか……これまでの人生が悔やまれるほど止まらなくなるおいしさ。

そしてまた、白米がうまい。ああ、日本人でよかった……やはり白米だけで食べるとそのおいしさが際立ちます。

では、卵をくずしてからめていきましょう。ああ！

ああ！！ この卵とがさえびの海に溺れてそのままたゆたいたい。とろりとしたがさえびの上に、さらにとろ〜り卵が流れ出て、もうおいしくないはずがないビジュアルを惜しげもなくさらしてくれています。

がさえびは卵とも相性バッチリでした！

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越前せいこがに丼　4,950円

そしてたて涌では現在、越前せいこがに丼も楽しめます。セイコガニを味わえるのは、わずか2カ月ほど。年内の12月いっぱいで漁期が終了してしまいます。この時期だけのお楽しみも、お見逃しなく。

※価格はすべて税込です。
 

 
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kanoa

kanoa ライター

自由とときめきを愛するライター。2児の母。都会のマンション暮らしを満喫しつつも、いつか田舎に移住し、縁側のある古民家に住みたいと憧れている。旅先で「ここでしか買えないお土産グルメ」を探すのが好き。特にパン屋を見つけると買わずにはいられない。