【物価が安くて食事がおいしいリゾートはスリランカ!】2024年のイチオシホテル5選〜ジェフリー・バワの美学に浸る〜

Posted by: Miki D'Angelo Yamashita

掲載日: Feb 13th, 2024

ハンバーガーとコーヒーだけで3000円、とハワイなど人気のリゾート地はもはや気軽に訪れる場所ではなくなり、海外旅行を楽しむことも難しくなってしまいました。比較的リーズナブルだった東南アジアのホテルでも1泊5万円超えが増えている今、2024年のリゾート・ディスティネーションとしてイチオシなのがスリランカです。直行便で約10時間、物価が安く、女性ソロ旅でも比較的安全、食事もおいしく、見どころやアクティビティも満載です。

旅好きなら一生に一度は泊まってみたいバワ建築のホテル

バラエティに富んだアクティビティも見どころも満載のスリランカ

シギリヤロック(シーギリヤロック)スリランカ
シギリヤロック

豊かな自然、歴史あるエキゾチックな街並み、シギリヤロック(シーギリヤロック)などの世界遺産、キャンディ王宮やゴールの旧市街と要塞 、野生動物のサファリ、バードウォッチングにホエールウォッチング……バラエティに富んだ観光地スリランカ。


 
Nuwara Eliya ヌワラエリア スリランカ 紅茶畑
ヌワラエリア

キャンディやヌワラエリアの高原エリアで紅茶畑を訪ね、インド洋に面したビーチでのんびりする。海風も穏やかなので、マリンスポーツにも最適ですし、アーユルヴェーダなどウェルネス体験も人気です。

スリランカ 首都コロンボ
首都コロンボ

ベストシーズンは、晴天率が高く、気候も安定している11月下旬〜3月です。経済破綻や政情不安などの問題は、現在、落ち着きをとりもどし、活気あふれる首都コロンボ。1泊5000円ぐらいの民宿や中級クラスでも十分居心地がよく、おしゃれなホテルが多数あります。

ジェフリー・バワ建築のホテルでトロピカルな非日常を満喫

なかでも、旅好きなら一生に一度は泊まってみたいのが、ジェフリー・バワ建築のホテル。スリランカでは高級ですが、世界的な基準からはかなりリーズナブル。為替レートにもよりますが、一泊20,000円台でバワの美学が詰まった5つ星ホテルに泊まれます。


ジェフリー・バワ(写真上)は、スリランカ人の母親とイギリス人の父親のコロンボの裕福な家庭に生まれました。英国で学び、弁護士となってスリランカ(当時はセイロン)にもどってきたあと、2年ほど、世界を放浪。30代後半にまた英国にもどり建築学を学びます。理由は、スリランカに自分の理想郷を作りたいとの思いからでした。

はじめに購入した土地は、スリランカ南部のベントゥータ。作り上げた理想郷は「ルヌガンガ」と呼ばれ、現在はホテルとして利用され宿泊が可能となっています。2003年にバワが亡くなった際には、敷地内の小高い丘に埋葬されました。

バワの建築は、スリランカ独自の文化や美しい海や山など大自然を一体化させ、自然に建築に解けこませるデザインが特徴です。

木や岩などを取り除かずに、建物内に自然のまま残し、内部と外界に境界がない設計になっています。客室だけでなく、ロビーやレストラン、庭などあらゆる場所が自然と融合。その空間に置かれたオブジェやアートも自然の一部です。

プールと海がつながっているように見えるインフィニティプールを生み出したのも、実はジェフリー・バワ。多くのバワ建築のホテルには、インフィニティプールが備えられています。

そんなジェフリー・バワのホテルの魅力を巡るスリランカの旅。数ある中から選んだ、おすすめステイ5選をご紹介します。

【スリランカおすすめホテル1】
ジャングルに溶け込む雄大な眺め「ヘリタンス・カンダラマ」



ジャングルの中に建てられ、世界遺産シギリヤロックをカンダラマ湖越しに眺められるという絶好のロケーション。大きな岩にホテルが吸い込まれるかのような作りのエントランスが印象的です。ゲストルームの窓を開ければ椰子の木が生い茂り、森に生きる野生動物たちの声が聞こえてきます。

窓の外のジャングルを眺めながらバスタブに浸かるといったスケール感が楽しめる、バワならではの「自然との融合」が体感できます。バワ建築の中でももっとも人気があるホテルです。

Heritance Kandalama
P.O Box 11, Heritance Kandalama, Sygiriya 21100 Sri Lanka
https://www.heritancehotels.com
1泊 25,000円~

【スリランカおすすめホテル2】
360度バワの美意識が詰まった空間「クラブ・ヴィラ」


バワが友人たちを招く別宅としてデザイン。エントランスからリビング、ゲストルームや庭まで、どこを見渡してもバワ流の美に満ちています。現在は日本の企業が買い取り、隈研吾氏がリノベーションしたブティックホテル。

友人宅に招かれたようなスタッフのフレンドリーなおもてなしで、和みの時間が流れます。ゲストルームは、天蓋ベッド付きのコロニアル風。パステル調の色合いに揺れるレースが異国情緒たっぷりです。

庭の外れには、なんと線路が通っており、コロンボ・ゴール間を電車が走っています。その線路を渡ると、木々の影から広がるのは、どこまでも碧いインド洋。庭にはプールもありますが、誰もいないビーチでのんびり過ごせるのも魅力です。

イタリアにも住んでいたためか、どのバワホテルのレストランもイタリア料理が充実。スリランカならではのカレーがメインですが、バワが好きだったというラザニアをチョイスして、バワに思いを馳せてみてはいかがですか。

Club Villa
138/15, Galle Road, Bentota, Sri Lanka
https://www.clubvillabentota.com
1泊 25,000円~

【スリランカおすすめホテル3】
バワのこだわりが詰まった理想郷「ルヌガンガ」


バワ建築に興味のある人には外せない、最もバワらしい美学が詰まったバワの別荘がホテルになっています。熱帯雨林が生い茂るスリランカの湖畔の土地に、周囲の自然に溶け込むように設えられた館と庭。

イギリス留学の際に見たカントリーハウスとイギリス庭園、長期滞在をしたイタリアのヴィラとイタリア庭園に、日本のテイストも取り入れられています。東洋、西洋、アンティーク、モダンとさまざまな様式を見事に融合させたアート空間です。

ルヌガンガ・ガーデンは、ガイド付きのツアーが毎日2回行われ、ガイドさんが1時間ほどかけて案内してくれます。広い敷地には、東洋を思わせるハスの花の咲く池や水田があり、森のなかには、イタリア彫刻や遺跡のオブジェ、スリランカの現代アートがときおり顔を出し、無国籍な不思議ワールド。バワが好んだ景色を眺めながらランチを食べていたテーブルがそのままの位置に残されており、今もバワの眺めていた風景を満喫することができます。

館には、「ザ・ハウス」と呼ばれるメイン・コテージ、部屋の側面がガラスで覆われ、日中は自然光が差し込み、明るく開放感のあるグラス・ルーム、ギャラリーとして利用していたギャラリー・ルーム、メインハウス(ザ・ハウス)から徒歩6~7分のシナモンヒルズ棟などがあり、それぞれまったく違う個性的なインテリア。ちなみに、グラス・ルームをリクエストするゲストが多いそうです。

食事は、枝ぶりもアーティスティックな大木の間から見える静かな湖畔を眼前に、趣あるレストランで。バワに食事を作っていたスタッフが、今も同じレシピで料理を作っており、バワが生涯をかけて作り上げたこの理想郷の一番眺めのよい場所で食事を楽しむことができます。

Lunuganga
Dedduwa Lake Bentota Sri Lanka
https://geoffreybawa.com/lunuganga
1泊 35,000円~

【スリランカおすすめホテル4】
バワ建築完成系、水をテーマにした最後の作品「ザ・ブルーウォーター」


バワ最後のホテル、ジェフリー・バワ建築の完成系です。もともとココナッツ畑だった場所に建てたホテルで、敷地全体に多くの椰子の木がリゾート気分を盛り上げます。椰子の配置が設計図面にも取り入れられ、木々が育ったそのままの位置にホテルのデザインの一部として作り込まれています。

ブルーウォーターの名前の通り、ロビーや廊下の脇にも水面が広がり、水面に映る椰子の木が迫力満点。エントランスから水平線まで続くインフィニティプールは雄大です。スリランカで古来から伝わるアロマオイル、ハーブ、スパイスを利用したスパもあり、アーユルヴェーダを取り入れた施術も受けられます。

The Blue Water Hotel and Spa
Thalpitiya , Wadduwa, Sri Lanka
https://www.bluewatersrilanka.com
1泊 21,000円~

【スリランカおすすめホテル5】
1組のみ満喫できるバワ美意識の真髄「ナンバーイレブン(No.11)」


コロンボにあるジェフリー・バワの自邸兼仕事場で、1日一組のみ宿泊ができます。高級住宅地、バガタレ・ロード33通り11番地に由来し、「ナンバー11(イレブン)」と呼ばれています。

インテリアのほぼすべてが生前のまま残され、リビングや寝室には、旅で買い集めた収集品、アート作品やアンティーク、ホテルで使うため自身がデザインした椅子やテーブルなどの試作品が当時のまま保存されています。

朝食は、バワが使っていたままのテーブルとイスのあるダイニングで。広いリビングと寝室は、バワが愛着を持って創り上げた空間。バワが実際に使っていたソファに座って、数々の装飾品を眺めれば、バワを身近に感じることができるでしょう。宿泊者でなくても、毎日、見学ツアーが開催されています。

 

Geoffrey Bawa’s Home Number 11
No: 11,33rd Lane Off Bagatelle Road Colombo Sri Lanka
http://www.geoffreybawa.com/gallery-number-11
1泊 21,000円~

 

まだある個性的なバワホテル

ほかにも、おすすめのバワホテルがスリランカのビーチ沿いを中心に点在します。どのホテルも個性的で魅力満点。また、コロンボには、バワの事務所だったところがおしゃれなカフェになっていますので、ぜひ、チェックしてみてください。

[Geffery Bawa Trust]
[Photo by Miki D’Angelo Yamashita & shutterstock.com]
 


 

PROFILE

Miki D'Angelo Yamashita

Miki D'Angelo Yamashita ジャーナリスト

コロンビア大学、パリ政治学院修士。新聞社勤務、記者、週刊誌、書籍編集者歴任。外交、国際政治、舞台芸術、食、旅、映画、アートなどを担当。旅ガイド本多数編集。親の転勤が多く、国内外の各地で育つ。世界の島巡り好き。

コロンビア大学、パリ政治学院修士。新聞社勤務、記者、週刊誌、書籍編集者歴任。外交、国際政治、舞台芸術、食、旅、映画、アートなどを担当。旅ガイド本多数編集。親の転勤が多く、国内外の各地で育つ。世界の島巡り好き。

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