3,000m級の険しい山々が連なるアルピニスト憧れの「穂高岳」(長野県松本市・岐阜県高山市)
「穂高岳」は、長野・岐阜県境にあり、北アルプス南部の中心をなす山です。「穂高連峰」とも呼ばれており、主峰の奥穂高岳(標高3,190m)のほか、北穂高岳(標高3,106m)、涸沢岳(標高3,110m)などからなります。
飛騨山脈中でも最高峰である穂高岳。山体は角閃(かくせん)ひん岩や閃雲(せんうん)花崗岩などで、険峻な山容が特徴的です。そんな穂高岳には、圧倒的なスケールで立ちはだかる大キレットやジャンダルムなどがあり、体力や登山技術が必要な登山ルートがほとんど。
奥穂高岳から涸沢岳を越えて槍ヶ岳へ向うコースは飛騨山脈の代表的な縦走路で、北穂高岳の北方には難所の大キレットがあります。また、北穂高岳の西側の滝谷(たきたに)は垂直に近い岩壁も! ここはロッククライミングの聖地として知られています。
しかし、この困難な登山ルートこそが「穂高岳」の最大の魅力。目指す山頂にたどり着いたときの感動はひとしおです。
「穂高岳」の魅力はほかにもあります。その険しい岩の峰々を四季折々の自然が彩るのです。残雪の白と芽吹いた緑のコントラストがまぶしい春、高山植物の花々が咲き乱れる夏、紅葉と雲海が楽しめる秋、雪と氷の世界が一面に広がる冬。いつ訪れても、素晴らしい景色が迎えてくれます。
とはいえ、困難なルートが多いため、上級者向けの山といえます。初心者の場合は、「新穂高ロープウェイ(※)」を使い、西穂高独標を目指す登山ルートがおすすめ。最後に難所が待ち受けていますが、天候の良い日に注意して歩けば、初心者でも挑戦できます。
登山を終えたら、岐阜県高山市にある「新穂高温泉」へ寄り、温泉に浸かって疲れを癒すのも良さそうです。さまざまなスタイルの温泉宿が点在しており、予算や好みに合わせて選択できますよ。
※ゴンドラを支えるロープ(支索)の交換工事を2024年5月7日(火)から実施しています。詳しいスケジュールはこちらをご覧ください。
住所:長野県松本市・岐阜県高山市
電話:0578-82-2150(穂高岳山荘事務所)
交通アクセス:松本電鉄上高地線「新島々駅」から路線バスで約1時間半「上高地」下車
公式HP:https://www.kamikochi.or.jp/learn/spots/1289/
“岩と雪の殿堂”と呼ばれる、ロッククライマーの道場「剱岳」(富山県中新川郡立山町・上市町)
「剱岳」は富山県東部、立山連峰の中央部に位置する、標高2,999mの山です。山体は飛騨変成岩類の閃緑(せんりょく)岩、斑糲(はんれい)岩からなり、それを輝緑(きりょく)岩が貫いています。そのため、剣のように鋭く尖った岩峰が形成されました。立山の白っぽさに対して、黒っぽく見えるのも特徴です。
そんな剱岳は、「岩と雪の殿堂」と呼ばれるほど険しく、頂上付近の岩峰はギザギザで刀が立ち並んでいるように見えます。チンネ、八ツ峰、源治郎尾根、剱尾根などが代表的な岩場で、夏には多くのロッククライマーの道場に。
剱岳の登山ルートのなかでも難易度が高いといわれているのが「早月尾根ルート」。急登が続くほか、鎖やロープのついたザレ場などがある上級者向けのルートです。また鎖やハシゴなどが連続する「別山尾根ルート」も上級者向けといえます。
残念ながら剱岳にはラクに登れるルートはなく、登山初心者には少し厳しいかもしれません。まずは低山で岩場を登る技術をある程度、身につけてから登ることをおすすめします。
そして剱岳の見どころは、真夏でも溶けずに残る万年雪。これは立山・剱岳にある3つの規模の大きな万年雪で、氷体が長い時間をかけて、ゆっくりと流れており、日本初の現存する「氷河」であることがわかっています。
登山が難しい場合は、上市町にある「馬場島展望休憩施設ピーターハウス」を訪れるのも良いでしょう。季節の移ろいを感じられる主に2つの部屋からなり、下の部屋からは谷を、上の部屋からは剱岳の頂を眺めることができますよ。
住所:富山県中新川郡立山町・上市町
電話:076-444-3398(富山県 生活環境文化部自然保護課 )
交通アクセス:富山地方鉄道「上市駅」からタクシーで50分
公式サイト:https://www.pref.toyama.jp/1709/turugidaketozan_winter.html
アルパインクライミングのメッカ! 日本屈指の規模の大岩壁がある「谷川岳」(群馬県利根郡・新潟県南魚沼郡)
群馬・新潟の県境にある「谷川岳」は、標高1,977mの山です。頂上はトマの耳とオキの耳の2峰に分かれているのが特徴で、北に一ノ倉岳、茂倉岳、西に万太郎山、仙ノ倉岳などの谷川連峰が続きます。
これらの山々は、主に第三紀層の緑色凝灰岩とそれを貫く花崗(かこう)岩、石英閃緑(せんりょく)岩、蛇紋(じゃもん)岩からなり、積雪と豪雨、強風などの侵食によって、複雑で険しい地形を形成しています。特に東斜面の一ノ倉沢、マチガ沢などは大岩壁です。さらに、天候も激変しやすく、多くの遭難者が出ています。
そのため、「危険地区」とされるマチガ沢、一ノ倉沢、幽ノ沢、南面の岩場に立ち入る際は、登山届(または登山計画書)の提出が義務付けられています。危険地帯以外の、天神尾根や西黒尾根といった一般の登山道のコースは、10日前までの郵送による届け出は不要。当日に登山カードに記入すればOKです。登山届について詳しくはこちらをご覧ください。
このように上級者向けのイメージが強い谷川岳ですが、谷川岳ロープウェイを利用して登る「谷川岳山頂登山コース」「一ノ倉沢トレッキングコース」は整備されており、比較的ラクに登ることができます。
「谷川岳山頂登山コース」は谷川岳ロープウェイで10分ほどで天神平に到着。そこからリフトで天神峠へ向かい、天神峠から約3時間、尾根づたいを歩けば山頂にたどり着きます。
一方の「一ノ倉沢トレッキングコース」は、谷川岳ロープウェイの土合口駅を中心とした周遊コースです。ブナ林に囲まれた歩きやすい道で、森林浴やトレッキングをしながら、谷川岳の一番の見どころである一ノ倉沢を十分に楽しめるのが魅力。そそり立つ尾根や迫力満点な岩場に圧倒されますよ。
さらに一ノ倉沢道路には、電気ガイドバスが運行。自然解説ガイドが同乗し、谷川岳の歴史や特徴、植生について案内してくれます。
住所:群馬県利根郡・新潟県南魚沼郡
電話:0278-72-3688
交通アクセス:JR「上毛高原駅」から「谷川岳ロープウェイバス」行きバスで50分、「谷川岳ロープウェイバス」下車
公式HP:https://tanigawa-ic.com/index.html
[参考]
穂高岳山荘
新穂高温泉
JAPAN ALPS KAMIKOCHI Official website
とやま観光ナビ|富山県観光公式サイト
TOYAMA NET|富山市の観光公式サイト
上市町
みなかみ町観光協会
群馬県
谷川岳インフォメーションセンター
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