どこを見ても絶景!箱根・芦ノ湖
伊豆箱根バスに乗って、箱根湯本駅から約35分、小田原駅から約50分で到着する神奈川県の箱根・芦ノ湖。2019年以降は新型コロナウイルスや台風の影響もあって観光客数は減少していましたが、2023年の年間観光客数は1,900万人を超え、日帰り宿泊ともに回復しています。
歴史と自然にあふれた箱根・芦ノ湖周辺には見どころスポットがたくさんありますが、今回は日帰りで、新しい観光船「箱根遊船 SORAKAZE」、「箱根関所」、「箱根十国峠」を巡ったので、湖と峠からの景色と一緒にスイーツも紹介します!
芦ノ湖を周遊する緑の公園「SORAKAZE」
南北に7km、周囲20kmある芦ノ湖で、2024年2月23日「富士山の日」に就航した新しい観光船「箱根遊船 SORAKAZE」。3つの港「箱根関所跡港」「元箱根港」「箱根園港」を結んで、移動も兼ねて湖の上からの絶景を望めます!
各港へ行く片道タイプの「定期航路」と、3つの港を一周して戻ってくるクルージングタイプの「周遊航路(40〜45分コース)」と航路があります。出発港によって片道料金と所要時間などが異なり、1日フリーチケットもあるので、各港で降りて現地&船上の観光を満喫できます。
実は、2つの胴体で支える「双胴遊覧船」(写真)が日本で初めて就航したのは芦ノ湖であり、「SORAKAZE」は40年前に造られた船を改装して誕生しています。私も海育ちなので、船が現役で走り続けていることに嬉しくなりました。
今回は「箱根関所跡港」から「周遊コース」で出発。箱根・芦ノ湖は、アニメ『弱虫ペダル』や『風が強く吹いている』の聖地巡礼の地でもありますが、港には、日本各地の温泉をモチーフにした地域活性化プロジェクト「温泉むすめ」のパネルがあったので記念にパチリと撮影。
1階~4階まで船上のパノラマ絶景
ピカピカの「SORAKAZE」。家族連れにも喜んでもらえるようにと「湖に浮かぶ緑の公園」がコンセプト。観光高速船や鉄道デザインを手掛け、MBS「情熱大陸」にも出演された川西康之さんが日本文化や地域性を取り入れてデザインされています。
それでは乗船! 4階建ての船内は各階で雰囲気も違い、中央に階段があって移動しやすい造りに。双胴船の揺れにくい特徴を生かし、大きな窓のある船内からも景色を楽しめ、エンジン音も振動もなく、子どもも歩けるくらい安定しています!
1階はバリアフリーで車いすやベビーカースペースがあり、物販・多目的トイレも設置。キッズスペースでは靴を脱いで窓越しに操舵室も見ることができます!
2階は、窓辺のカウンター席、赤富士をイメージしたソファ席、ゆりかごのようなハンギングチェアなど色んな席があります。
空と湖が一面に広がる畳の小上がりスペース。富士山型のクッションも可愛らしい。
テーブルも富士山の形で、窓の外もいい眺め!
天井の照明の周りでは富士山の形をした鏡が湖を反射してキラキラ輝いています! この鏡、自宅にほしいです!
特に、空と湖の間に広がる花畑の風景には大感激!
3階の天然芝が敷かれた「KAZEデッキ」には、富士山型のデッキも設置しています。まさに湖に浮かぶ公園です!
ブランコ風ベンチもあって、絵本に出てくるファンタジーな雰囲気に。
船尾には本物の蔦を這わせています。ベンチに座ると縁側のようにリラックスできます。
4階「SORAデッキ」は赤富士を思わせるオブジェがあって、360度をぐるりと見渡せる最高の景色が待っています!
勢いのある航走波。「これぞ旅!」な景色。
遠くには同じく芦ノ湖を遊覧する海賊船も見えて、まるで映画のワンシーンのような体験も!
ビューポイント1
箱根関所を左手にした眺め。どこを見てもいい景色ですが、ビューポイントもお伝えします!
箱根関所跡港を出発して約6分、写真では小さいですが、左上の山頂には駒ヶ岳、目の前には平和の鳥居、右側には元箱根というパノラマ絶景!
ビューポイント2
元箱根港周辺には、元箱根から箱根町へと続く杉並木の遊歩道があり、箱根神社、箱根芦ノ湖成川美術館があり観光客で賑わっています。
元箱根港から出発して約4分、平和の鳥居を至近距離で、しかも船上から拝めるという船上ならではの貴重な体験!
ビューポイント3
元箱根港を出発して約6分、快晴だったら正面には富士山もお目見えします! 残念ながらこの日は曇りで隠れていました。
そんな時は、4階のデッキにある富士山オブジェで疑似富士山を体験! 記念撮影もバッチリで、終始感動しっぱなし!
お土産&スイーツ
1階の売店では、オリジナル飲食メニューやお土産を販売しています。
(上)船内限定「箱根遊船オリジナルクラフトビール」(税込1,000円)や、富士山マークのサイダーやコーラ、富士山ブレンドのコーヒーやカフェラテなどドリンクも(税込200円〜)。
人気のお土産は、船内限定の箱根遊船オリジナル「縁起物キャンディー」(税込650円)。
船内限定パッケージの「フジヤマクッキー ミニ」(税込850円)は、赤い水引が可愛らしくてプラストップカップなので持ち帰りも安全。
「フジヤマクッキー」(税込570円)は、ショコラ・ホワイトチョコ・抹茶・バニラのラインナップで単品販売していました。
(左)「富士山水引ストラップ」(右)「富士山水引マグネット」(各税込880円)の綺麗な和小物は御利益もありそう。
四季折々の富士山を描いた「富士山馬油保湿バーム」(税込1,650円)。富士山デザインのお菓子やお茶なども充実し、見た目も縁起のよいものばかり!
おやつには、富士山型のチョコレートをトッピングした「ちょこっと富士山ジェラート(豆腐・抹茶・プレミアムバニラ・チョコレート・いちごミルク)」(各税込650円)を。抹茶とバニラが人気のようです。
私はなかなか見かけない味が気になったので、「豆腐」をいただきました。なめらかで、豆腐特有の風味はなく濃厚なミルクジェラートのようなリッチな味わいでした!
こちらは、溶けないアイスで話題のくずキャンディ「富士山くずキャンディ(抹茶・ラムネ)」(各税込680円)。最初はカチッと冷凍状態でしたが、10分ほどしたらちょうどよい食べ頃に。小豆と抹茶にほっこりして、シャリシャリとプルプル食感という新感覚を楽しみました!
くずキャンディをソーダにトプンッと入れた「富士山くずキャンディソーダ」(税込800円)という斬新なドリンクも!
夏にはもってこいのひんやりスイーツ揃い! 海と違い、湖なので外に居ても潮風でベタベタすることもありません!
「箱根関所」の絶景ビュー
箱根関所跡港のすぐ近くにある、江戸時代の関所を再現した「箱根関所」からの景色も素敵なのでちょっと立ち寄ってみました。江戸に入る武器類と江戸から出ていく女性を監視していたそう。
主な絶景ポイントは、「大番所・上番休息所」の裏手にある芦ノ湖側と、高台にある「遠見番所」「展望広場」。
江戸時代、芦ノ湖は船で通行することが禁止されていたそうです。船が入出航する度、ギャラリーは撮影に夢中になっていました。
江戸時代の踏み石を残した69段の長い石段を上って「遠見番所」へ。湖の対岸までドーンッと見渡せ、心地よい風も吹いて疲れも一気に吹き飛びました! 少しきついですが、上って損なしのスポット!
「江戸口御門」から出た、お休み処付近も緑いっぱいで癒されました。
ケーブルカーで行く「箱根十国峠」
箱根関所跡港からバスで山道を登ること約25分、絶景の名所「箱根十国峠」に到着。標高666m地点にある「森の駅 箱根十国峠」内の「十国峠 山頂駅」から十国峠ケーブルカーに乗って、左上にちょこんと見える山頂展望デッキを目指します!
昭和31(1956)年に開業し、山麓駅と山頂駅を結ぶ十国峠ケーブルカー。9時〜17時まで15分間隔で運行し、全長316m、標高差101m、山頂へ3分で到着します(大人/往復730円、片道370円)。
運転席には黒電話もあるレトロなケーブルカーで、どこか懐かしい気持ちになります。
標高767mの山頂駅からは、眼下に駿河湾と山々が連なる絶景を。
まるで天国!十国峠
2016年に国の登録記念物になった「十国峠」。その名前は、昔の国名で「伊豆・駿河・遠江・甲斐・信濃・相模・武蔵・上総・下総・安房」の十の国が見渡せることに由来しています。富士山、南アルプス、駿河湾、初島、相模湾、湘南海岸、三浦半島、さらに房総半島まで望めます!
「伊豆はこちら」というように矢印で場所を指しています。地図上では感じられないこの雄大さ! 落っこちないように要注意!
この日はあいにく雲が厚く富士山はまたしても隠れていたのですが、快晴だと写真のような景色と出会えます。
山頂展望デッキ「PANORAMA TERRACE 1059」には、デッキ、ベンチ、ハンモックタイプのデッキなど設置して、至る所がビューポイント! 見上げると遮るものがなく空に吸い込まれそう!
ハンモック付きのデッキからは真鶴半島がきれいに見えて、このまま寝転がったら寝落ちしそうなほど心地よかったです……。
撮影スポットには「セルフ撮影サービス」も設置し、無料で自分と景色を一緒に撮影できます。QRコードをスマホで読み込み、スマホを持ったまま指定の場所でスタンバイ。いつも通りシャッターをきると、プロの構図で撮影して写真はダウンロードもOK。ソロ活にうれしいサービス!
絶景映えスイーツ
地産地消の食材を使ったスイーツやドリンクがそろう「TENGOKU CAFE(テンゴク カフェ)」は休憩にぴったり。まっしろで雲のようなカフェです(営業時間:9時30分〜16時)。
店内にも座席がありますが、テイクアウトしてテラス席や展望デッキのベンチでもいただけます。
メニューは券売機で購入するスタイル(現金のみ)。
空をイメージする「TENGOKU DRINK」(税込500円)は、ラムネジュレと炭酸をあわせた「空」と、桃ジュレに静岡県産みかんジュースを合わせた「夕暮れ」の2種類。
富士山の湧水から生まれた「クラフトビール(3種)」(各税込800円)はカップに注いでご提供。お酒に強ければ飲み比べもいいですね。
他にも、小柳津製茶「天空抹茶」を使った「TENGOKUラテ」や「お抹茶」、フジヤマコーヒーを使ったカフェラテ、丹那牛乳のホットミルクと充実(税込200円〜)。
「1059モンブラン(静岡茶・マロン)」(各税込1,000円)、丹那牛乳や小柳津製茶「天空抹茶」を使ったソフトクリーム(各税込500円)と、全部制覇したいスイーツたち!
おやつやお土産にもなりそうな「1059ポップコーン」(税込550円)。
こちらは人気の「峠チュロス」(税込500円)。上手いこと漢字の「峠」を形作って意外とずしっと重い! しかし食べたら、外側はカリッカリで、中はフワフワモッチモチ! 温かくて、ほんのり甘いお砂糖が浸透して疲れも吹っ飛びました。
こちらは甘党さんに教えたい「TENGOKU抹茶パフェ」(税込800円)。ソフトクリームと同じ、天空抹茶のソフトクリームをこんもり盛って、餅・こし餡・抹茶を包み込んだクリーム大福「毬福」半カットをトッピングしています。
ほろ苦い抹茶ソフトと、とろ〜んとやわらかい大福に大感動! カップの中は抹茶のバームクーヘン、コーンフレーク、生クリームが重なって、食べ応えも幸せ度も100点の天国スイーツ。
ちなみに、カフェの隣には「テンゴク神社」も祀られています。「十国峠」は「天国峠」とも言われ、雲が開けてゆく様子「開雲」を「開運」の象徴とし、雲形の絵馬が取り囲んでいます。
絵馬(税込750円)はカフェの券売機で販売しています。願いも瞬時に届いてくれそうな天国に近い神社ですね。
手ぶらでOK!グランピングも
ちなみに、展望デッキから徒歩約5分の場所には「THE GLAMPING 箱根十国峠」があり、屋上展望デッキ付き、サウナ付き、トランポリン付き、ピザ窯付きなど7タイプの宿泊施設があります。宿泊客からは、朝日や夜景など刻々と変化する景色と非日常な焚火が特に印象的だったと好評。
富士山が見れなくても最高の思い出!
天候にもよりますが、現地スタッフさんによると3日に1日の確立で富士山が現れるそうで、空気が澄む秋から冬にかけてはそのも確立もアップするみたいです。
今回、箱根・芦ノ湖の絶景とスイーツを楽しんだと同時に、天と湖、山々の雄大な自然には必ず神様の存在があって、日本が見えない力に守られていることを改めて実感しました。
運航ルート:「箱根関所跡港~元箱根港~箱根園港~箱根関所跡港」各港で乗船下船可能
*2024年6月現在、「湖尻港」は営業休止中。
運航時間:9:20~16:30(1日11便、季節や気象により運航状況が変更になる場合あり)
乗船料(税込):往復、片道、フリー・セット券あり
・周遊航路(往復)大人1,800円、小人900円、愛犬300円(所要時間約40分)
・片道料金(大人420円〜、小人210円〜)詳しくはWEBサイトをご確認ください。
・1日フリーチケット(大人2,700円、小人1,350円)
・セット券(伊豆箱根バス1日乗車券+SORAKAZE1日乗船券):大人3,900円、小人1,950円
*変更の場合あり
箱根遊船
住所:神奈川県足柄下群箱根町元箱根45₋3
問合せ(元箱根営業所):0460-83-6351
公式サイト:https://www.hakone-yuransen.jp/sorakaze/
箱根十国峠
住所:静岡県田方郡函南町桑原1400-20
問い合わせ:https://www.jukkoku-cable.jp/contact/index.html
交通:「箱根関所跡」から伊豆箱根バスで約25分
十国峠登り口「JR熱海駅」から伊豆箱根バスで約40分
公式サイト:https://www.jukkoku-cable.jp/
[all photos by kurisencho]