【実はソレ奈良が発祥!】日本の国技といわれる「相撲」や割りばしなど!各スポットの観光情報も紹介

Posted by: あやみ

掲載日: Aug 25th, 2025

日本各地にはさまざまなはじまりの場所、つまりは発祥の地が点在しています。それらは私たちが普段よく目にするものだけでなく、その地域ならではのユニークなものまでがあり、人によってはその始まりの地を、聖地として訪れる人もいるのだとか。そんな都道府県各地のはじまりを紹介する本連載、今回は奈良の発祥をご紹介します。

奈良 アイキャッチ

ウワナベ古墳とコナベ古墳

奈良県が発祥!観光におすすめのスポットも

相撲(日本書記)

相撲

※画像はイメージです。

日本最古の相撲は奈良県桜井市で始まったとされます。奈良時代に成立した日本の歴史書『日本書紀』の中に、初めて相撲をとった話が登場するのです。

垂仁天皇の時代に、大臣の一人が「当麻に当麻蹴速(たいまのけはや)という、ものすごく強いものがいるようです。命がけで力比べしたいものだ、といっています」といいました。すると、別の大臣が「出雲の国に野見宿禰(のみのすくね)というすごい力持ちがおります」といったそうです。

そこで、天皇の前(現・天覧試合)で、当麻蹴速と野見宿禰に力比べをさせることに。当時の相撲は、現在と異なり、蹴っても良く、お互いに足の蹴り合いになり、最終的に野見宿禰が勝利したそうです。これが相撲の始まりといわれています。

相撲発祥の地とされる相撲神社の境内には、勝った宿禰を祀る祠をはじめ、土俵、野見宿禰の墓といわれる塚などが残っています。相撲ファン涎垂のスポットです。

割りばし

割りばし

※画像はイメージです。

下市町は、日本における「割りばし」発祥の地として知られています。その始まりは南北朝時代。後醍醐天皇が吉野に滞在中した際、下市の里人が献上した、吉野杉の美しい木目と芳香を持つ杉箸を愛用されたことに由来するとされます。

その後、江戸時代・寛政年間に割りばしの製法が改良され、安政年間には「利休箸」を経て、下市の割りばしは一躍名声を得ました。さらに、酒樽製造の端材を活用することで生まれたこの割りばしは、明治期以降、近畿から全国に販路を拡大。

戦前には海外へも輸出し、復興期には、桧製の割りばしも加えられ、吉野箸の産業は高度経済成長期に飛躍を遂げました。

吉野杉で作られる割りばしを購入したいのなら「下市町商工会・札の辻ステーション」がおすすめです。一本一本丹念に加工された割りばしは、杉ならではの香り、なめらかな手触り、口当たりのやさしさが魅力。ぜひその上質さを体感してみてください。

下市町商工会・札の辻ステーション
奈良県吉野郡下市町下市125
公式HP:https://r.goope.jp/shimosho/

大和ハウス

ダイワハウス

大和ハウス東京本社ビル

大和ハウス工業の創業者・石橋信夫氏は、奈良県出身です。1955年、大和ハウス工業株式会社の創業とともに、大阪で「パイプハウス」発売し、1959年にはプレハブ住宅の原点となる「ミゼットハウス」を開発。同年、関連企業の大和工商(現・大和リース)と大和梱包(現・っf大和物流)を設立し、株式を店頭公開しました。

1961年には大阪・東京両市場へ上場し、その後も軸組式プレハブ住宅商品「ダイワハウスA型」などを展開。1976年より流通店舗事業に参入し、以降はリゾートホテル、ホームセンター、物流施設など多様な事業を拡大しました。加えて、2000年代以降は再開発・環境事業・M&Aを通じたグループ強化、海外展開にも積極的に取り組んでいます。

奈良市には「石橋信夫記念館」があり、「出会い」「偲び」「感謝」「羽曳野の庭」の4つの間を巡って、同氏の思想や哲学に触れることができます。見学は完全予約制です。

石橋信夫記念館
奈良県奈良市左京6-6-2 大和ハウス工業 総合技術研究所内
公式HP:https://www.daiwahouse.co.jp/innovation/museum/index.html

竜田揚げ

竜田揚げ

竜田揚げ

「竜田揚げ」の名前は、奈良県を流れる紅葉の名所・竜田川に由来するといわれます。揚げた後の赤褐色の色合いと白い片栗粉の斑点が、川面を流れる紅葉を連想させることから名付けられたという情緒ある説が有力なのです。ただし、発祥の時期や正確な成立背景は不明。

竜田揚げとは、醤油やみりんで下味をつけ、片栗粉をまぶして揚げる料理のことです。生駒市では、2014年から「たつた揚げプロジェクト」がスタートし、市内の飲食店や旅館などが「本場の味」を提供する店として認定されています。

また斑鳩町でも「竜田揚げ上げ↑プロジェクト」を立ち上げ、加盟店がマップ作りやイベント出店などで協力。地元の老舗店では、竜田川沿いの風景をイメージした「竜田揚げ」を提供しています。

竜田揚げを気軽に味わいたいのなら2025年3月にオープンした「庭カフェ」へ。竜田揚げはもちろん、大和肉鶏のコロッケや好きな具材をのせられるピザ、奈良県内の厳選した日本酒などを楽しめます。

庭カフェ
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺2-9-12
公式HP:https://niwa-cafe.com/

葛餅

九頭餅

葛餅

葛餅の発祥は奈良県と伝わります。その名は、吉野地方に暮らす山の民・国栖人(くずびと)が、葛の根から葛粉を作り売っていたことに由来。

葛粉は、葛の根のデンプンを真冬の地下水で繰り返し精製し、2~3か月かけて乾燥させる自然食品で、添加物を一切含みません。なかでも、厳冬期に冷水へ何度もさらす「吉野晒」製法は江戸時代から続く伝統で、吉野の寒さと清らかな水が質の高い葛粉を生みました。

江戸初期には、京の漢方医・黒川道安が吉野産の葛根から作った葛粉を朝廷に献上し、その風味が称賛されます。同時期に老舗の森野家も葛粉づくりを始め、こうして「吉野本葛」の名声が高まり、葛粉を使った餅=葛餅は吉野の名物として広く知られるようになりました。

本格的な葛料理や葛菓子を味わいたいのなら、1870年創業の「吉野本葛 天極堂 奈良本店」へ。葛饅頭や葛餅なども購入可能です。気になる方はぜひ立ち寄ってみてくださいね。

吉野本葛 天極堂 奈良本店
奈良県奈良市押上町1-6
公式HP:https://www.kudzu.co.jp/shop.htm#1

鹿せんべい

鹿せんべい

鹿せんべいを食べる鹿

鹿せんべいの歴史は古く、江戸時代前期からすでに存在していたといわれています。1791年に出版された『大和名所図会』には、春日の茶屋にたくさんの鹿が集まり、人々が鹿せんべいらしきものを鹿に与えている様子が描かれているのです。

鹿せんべいの原料は小麦粉と米ぬかのみ。鹿の健康を考えて砂糖などは一切使用されていません。奈良公園を訪れた際には、ぜひ鹿せんべいを購入して、鹿にあげてくださいね。鹿せんべいの売り上げの一部は、鹿保護の費用に充てられています。

奈良公園
奈良県奈良市
公式HP:https://www3.pref.nara.jp/park/

奈良県には由緒正しい日本の始まりが息づく!

奈良県は、日本文化の源流を物語る発祥地の宝庫です。桜井市は『日本書紀』に記された天覧相撲の舞台で、相撲神社が今も残っています。下市町は南北朝時代に献上された杉箸を起源とする割りばし発祥の地。竜田揚げは竜田川の紅葉を思わせる色合いにちなみ、奈良公園の鹿せんべいは江戸時代から存在するといわれています。

[All photos by PIXTA]

travelist

PROFILE

あやみ

Ayami ライター

フリーライター。劇団員、OL、WEB編集ライターを経て、フリーランスになる。辛い食べ物、東南アジアが大好き。旅するように生きるのが人生の目標。

フリーライター。劇団員、OL、WEB編集ライターを経て、フリーランスになる。辛い食べ物、東南アジアが大好き。旅するように生きるのが人生の目標。

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