英語ネイティブの観光客をおもてなしする時、「むむ、この単語は英語でどういうんだっけ?」と悩んでしまうことはありませんか。特に神社仏閣を案内する時に使える英単語を5つピックアップしました。
三門:triple gates
禅寺に見られる巨大な門を「三門」と呼びます。悟りに至る3つの境地「空・無相・無作」を門にたとえており、「3つあるから三門」という訳ではありません。
英語では
と表現するとよいでしょう。tripleには「3つ組の」という意味があるからです。これをthree gatesとすると文字通り「3つの門」という意味になり、事実と食い違ってしまいます。例文 | 「東へちょっと行くと南禅寺の三門がある」 |
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鳥居:tori-i gate
伏見稲荷神社のおびただしい数の鳥居、明治神宮の慎ましくも荘厳な鳥居――外国人観光客にも大人気の鳥居は、英語でもtri-iと表現します。
ただ、tri-iだけでは何のことやらわかりません。神社への入口、つまりは神域への入口であることを示すために、gateをつけて
としましょう。例文 | 「伏見稲荷神社の参道は、千本以上の真っ赤な鳥居から成る」 |
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苔むした:moss-covered
情緒あふれる苔むした石垣、庭、木々などは
と表現しましょう。「〇〇が苔に覆われている」という場合は となります。苔以外にも、ivy-covered「蔦に覆われた」、water-covered「水に浸かった」、snow-covered「雪まみれの」などと応用することができます。
例文 | 「苔むした屋根の、ひなびた寺」 |
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建立する:establish
「東大寺を建てたのは誰だ?」「聖武天皇でしょ」「ブー、正解は大工さん!」という引っかけクイズがありますが、英語でもbuild「建てる」という単語を使うと混乱の元。「建立する」と厳密にいうなら
を使いましょう。「(寺院仏閣を)建てる」の他にも、「(幕府を)開く」、「(制度を)制定する」、「(権威を)確立する」といった意味があり、歴史を語る上でとても使える英単語です。
例文 | 「大文字山のふもとに建つのは、足利義正が建立した銀閣寺」 |
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五穀豊穣:bountiful harvest
農作物の豊作を祈る文化は西洋にもあり(アメリカとカナダで行われるサンクス・ギビングなど)、
、もしくは や と表現されます。それが日本語の五穀豊穣にぴたりと重なるため、five grains~と直訳する必要はありません。その他のご利益として、「家内安全」はsafety of the(my) family、「無病息災」はgood healthなどと表せます。
例文 | 「その神社の式年祭は、五穀豊穣を祈る儀式だ」 |
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日本独特の文化を説明する時には、どうしてもsanmonやgokoku-hojoなどとローマ字で言い表したくなってしまうもの。それを受け取り手に通じやすい言葉に変換すれば、意味がきちんと伝わります。
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