
トンネルを抜けると温泉街へ
「界 草津」の魅力は、なんといってもその広大な敷地ゆえ、緑に囲まれながら過ごせるところ。草津温泉といえば湯畑や温泉街に代表されるにぎやかなイメージがありますが、ここ界 草津では、喧騒を離れた静けさの中でゆったりと滞在を楽しむことができます。

さらに、敷地内の緑豊かな森とトンネルを抜けると、温泉街への近道。このトンネルはちょっとしたワクワク感も味わえる、写真映えスポット。もちろん宿泊者しか通ることができず、チェックイン後にしか利用できないトンネルです。
西の河原公園
トンネルを抜けて敷地外へ出ると、右手に西の河原公園(露天風呂もあり)、左手に進むと温泉街です。ここから湯畑へ行くもよし、熱乃湯で湯もみショーを観るもよし、はたまた外湯めぐりをするもよしです。
界 草津の楽しみ方
人気の外湯をめぐる
温泉宿に来たら、おこもりステイでひたすらのんびりと過ごすというのもひとつですが、草津温泉には魅力的な外湯がいくつかあるので、ぜひめぐってみてください。
界 草津まちめぐりセット
そのときに活用したいのが、界 草津で販売されている「界 草津まちめぐりセット」(税込3,500円)。人気の日帰り温泉施設「大滝乃湯」「御座之湯」「西の河原露天風呂」に1回ずつ入湯できる手形(チケット)やタオル引換券、カフェ月の貌のドリンク引換券(上限800円)、スタッフのおすすめが書かれたマップ「草津めぐりのすすめ。」、界 草津の風呂敷バッグが付いています。
草津三湯の利用料金の合計とドリンク代を合わせて3,700円なので、プラス200円とタオルなど諸々付いてきてお得です。
西の河原露天風呂

外湯はそれぞれに甲乙つけがたいよさがあるので、ぜひすべて楽しんでみてほしい! 「西の河原露天風呂」は、日中は混んでいることが多いため、人が少なく景色が楽しめる早朝の入浴が狙い目です。
開放的なロケーションで、スケールの大きな露天風呂がひとつだけあり、公園内には足湯も点在しています。
西の河原公園 下流の足湯。平日の朝8時40分ごろに行くと貸し切り状態でした
大滝乃湯

施設が充実している「大滝乃湯」は、車で訪れる人が次から次へとやってくる人気ぶり。美人の湯と名高い煮川源泉で、広い内湯、湯滝のある露天風呂、サウナがあります。そして、古くから草津に伝わる「合わせ湯」が楽しめるのが最大の魅力です。
大滝乃湯「合わせ湯」とは?
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源泉を加水せず自然冷却した湯が浴槽を順にめぐるため、一番湯から順に熱めとなっています。全部で4つの浴槽があり、ぬる湯から入って、体を慣らすのがよいでしょう。
御座之湯

湯畑の目の前にある「御座之湯」の建物は、江戸から明治時代の冬住居を再現したもの。杉板を重ねた「とんとん葺き」の屋根と漆喰の壁が、当時の趣を感じさせてくれます。ここでは、湯畑源泉と万代源泉の2種類を一度に楽しめるのが魅力です。
毎年草津温泉を訪れるほど草津のお湯が好きな筆者ですが、長野へぶどう狩りに行った帰りに寄るため、滞在時間は短め。それゆえ毎回おこもりステイになりがちです。特に「大滝乃湯」は、その人気ぶりを知っていたものの、宿で夕食をとると営業時間に間に合わず(最終入館は20時)、朝はゆっくりと寝たいのでサッと入ることができる宿の大浴場を利用する……といった感じで、なかなか足を運べずにいました。
西の河原露天風呂と御座之湯も20時もしくは21時には営業が終わるので、夕食時間を考慮すると夜ではなく昼間に訪れるのがベスト。さらに草津温泉は強酸性の泉質のため、湯あたりを避けるためにも無理な長湯は禁物です。なので、ゆとりをもって外湯を楽しむには、2泊3日の旅行がよいでしょう。
今回初めて草津三湯をめぐった筆者ですが、宿の大浴場とはまた違うよさがたくさんあることに気づきました。草津ならではの入浴文化を体験できたり、昔の湯屋を思わせるレトロな雰囲気の中で湯治気分を味わえたりと、ちょっとタイムスリップしたような感覚にも陥りました。
草津温泉は泉質もすばらしく、温泉としてとても満足度が高いのですが、体験してみて思うのは、草津三湯に入らないのはもったいない! ということです。せっかく草津を訪れるなら絶対入ってほしい。声を大にして言いたいです。
群馬の染織文化を体験してみる
「界」では、地域の特徴的な魅力が体感できる、伝統工芸、芸能、食などにフォーカスしたおもてなし「ご当地楽」が用意されています。
まるで富岡製糸場を思わせるご当地楽棟が素敵。木製の座繰り機が配されています
界 草津では、江戸時代から続く伝統的な技法である、上州座繰りを実際に無料で体験できます。群馬県といえば、明治時代に創業した日本初の本格的な器械製糸工場であり世界文化遺産にも登録された「富岡製糸場」があることでも知られています。

木製の座繰り機を使って繭から糸を引き、できた糸でタッセル作りを楽しみます。座繰り機で繭から糸を引く作業は、途中から楽しくなり、気が付けば夢中になっていました。所要時間30分程度で気軽に体験できるので、ぜひ参加してみては。
温泉街を散策
画像素材:PIXTA
湯畑を眺めたり、足湯に浸かってみたり、温泉街の散策に出るのもおすすめです。熱乃湯で行われている「湯もみと踊り」ショーも楽しんでみたいところ。

特に夜の湯畑はライトアップされていて、よい雰囲気なのでぜひ訪れてみてほしいです。
湯畑にある足湯。温泉街の散策に行くときには、足を拭くタオルを持参することを忘れずに
細い路地を入ってみると、遅くまで営業している飲食店も

西の河原公園は日中のさわやかな雰囲気とはうって変わり、赤のライトアップがインパクト大。奥にある「草津穴守稲荷神社」の赤い鳥居もライトアップされています。
草津穴守稲荷神社
界 草津でのんびり過ごす
宿から出ずにお部屋でゴロゴロ、大浴場で温泉を楽しんだり、ご当地楽を体験してみたり、ラウンジでお茶を飲みながら読書したりと、のんびり過ごすのも温泉旅行の醍醐味です。
ラウンジや大浴場は、宿泊のお部屋とは別棟にあります。露天風呂を含む大浴場の営業時間は朝5時~10時、14時30分~25時。特に明るい時間帯の温泉は、ご褒美感があって最高。内湯の大きな窓から緑が眺められ、開放的な雰囲気が味わえます。
万代鉱温泉(あつ湯、ぬる湯、露天風呂)と西の河原温泉(ぬる湯)の2種類が楽しめる
ラウンジには、草津や群馬の文化や自然に関する本も用意されている
湯上がりには、隣にある暖炉ラウンジでほっとひと息つくことができます。冬季には薪をくべた暖炉の火を眺めながら、ゆったりとした時間に身をゆだねるのもこの上なく贅沢な時間です。

コーヒーやハーブティー、麦茶、梅のシロップなどのドリンクに加え、アイスキャンディも用意されています。梅のシロップは、湯上がりの身体に染みわたるおいしさ。滞在中、何度飲んだかわかりません。
夜寝る前に飲んでもOKなデカフェやハーブティーが用意されているのもうれしいです。
階段を上った窓際の席には、コンセントもあるので、ちょっとしたPC作業やスマホの充電もしながら過ごせます
大きな窓から草津の山あいを望む客室
客室露天風呂付き和室
客室からは草津の山並みが一望でき、ぼうっと外を眺めているだけで癒やされます。一瞬、「ここはどこだったっけ?」と感じるほど自然豊かで静かです。
© 界 草津
テキスタイルデザイナー須藤玲子さんが手がけた、壁面の布のアートがとても素敵。草津の山並みと湯けむりを描いた織物はまるで絵画のよう。白い点々とした模様は、なんと糸なんです。近寄ってみると、絹糸が織りなす繊細な手触りや立体感を感じることができます。
3名または4名で泊まれる和室のほか、客室露天風呂付き(定員2名)のお部屋、愛犬と泊まれる愛犬ルーム(定員3名)もあります。
最初の2品で心をわしづかみにされた夕食
界 草津では、客室と同じ建物1階にある食事処で楽しめる「上州豊伝(ほうでん)会席」と、一般利用もできる蕎麦割烹 SAI(さい)での「地粉生粉打ち(じごなきこうち)蕎麦会席」の2種類を楽しめます。2泊3日なら両方味わいたいところ。
【夕食】上州豊伝会席

夕食は、先付けの花豆味噌とイノシシのリエットからスタート。ミニサイズの湯もみ板が添えられ、草津温泉の情緒たっぷりです。添えられたおせんべいにリエットをのせていただきます。

続いて出てきたのは煮物椀。鱧と蓮根を蒸したものに、すだちと梅肉でさわやかに。鱧のうまみとほのかな甘み、そして蓮根のシャキシャキとした食感も楽しめます。
出汁のやさしい旨みは身体中にじんわりと広がり、最後の一滴まで残さず飲み干しました。最初の2品で早くも心をわしづかみにされた夕食です。

宝楽盛りでは、群馬県の「上毛かるた」をモチーフにした箱に料理が詰まっているという粋な演出も。刺身や天ぷら、上州常夜鍋をいただいたあと、鍋のシメには水沢うどんを味わい、最後の甘味で夕食は終了です。
朝食は和食と洋食から選ぶことができます。2泊3日なら和食と洋食の両方を楽しめるのがいいですね。
和朝食
和朝食では、群馬県の郷土料理「こしね汁」も楽しめます。こしね汁は、特産品である「こんにゃく(こ)」「しいたけ(し)」「ねぎ(ね)」の頭文字をとった名前です。
洋朝食
蕎麦割烹 SAIは、温泉街に続くトンネルを出てすぐの場所にあり、ランチ利用もできます。旅のスタイルに合わせて、食べたいものを選んでみては。
写真左:天ぷらざる蕎麦 2,970円(税込)/写真右:鴨出汁つけ蕎麦 2,530円(税込)
客室や大浴場にあるアメニティ
客室にも界オリジナルのスキンケアがそろっています
大浴場にはタオルやヘアブラシ、界オリジナルのスキンケア(シャンプー、コンディショナー、ボディソープ、クレンジング、洗顔料、化粧水、乳液、ボディローション、ハンドソープ)がそろっているので、部屋から手ぶらで行ってOK。

お部屋には界オリジナル風呂敷に歯みがきセット、ヘアブラシ、ヘアゴム、コットン、綿棒が入っています。界のアメニティの詳細はこちらからも確認できますよ。

館内着は作務衣と羽織、足袋靴下がお部屋に用意されていますが、フロントでお願いすれば浴衣を借りることもできます。
「界 草津」へのアクセス
界 草津までは都内から車で約3時間強で行くことができます。公共交通機関を利用する場合は、最寄り駅の長野原草津口で下車し、バスに乗り換え20分ほどで草津温泉バスターミナルに到着します。
バスターミナルから界 草津までは歩くと約23分ですが、途中坂道もあり歩くのはおすすめしません。筆者は歩いたのですが、バスターミナルからタクシーに乗ればよかったと途中で後悔しました。
草津温泉ではタクシーは少なく、予約もできないため、タイミングによっては待つことになりますが……。運がよければ、タクシー乗り場にタクシーが停まっていてすぐ乗れる可能性もあります。界 草津からの帰りも、フロントでタクシーを呼んでもらうことはできますが、場合によっては1時間近く待ち時間が発生する場合もあるそう。
チェックインとチェックアウトの時間に合わせて、路線バスの運行もあります。この時間に合わせてスケジュールを組むのもひとつです。また、温泉街への近道となるトンネルは、チェックインの際には利用できませんが、チェックアウト時には使うことができます。
温泉街のにぎやかさと静けさの両方を楽しめる

「界 草津」は、草津温泉ならではの温泉街のにぎわいと、自然に包まれた穏やかな時間の両方を楽しめる貴重なお宿です。
朝、目を覚ますと、大きな窓の向こうには山あいの景色が広がり、鳥のさえずりが聞こえてきます。澄んだ朝の空気の中で温泉に身をゆだねるひとときは、まさに至福。喧騒から離れ、何気ない時間さえもご褒美のように感じられる、特別な滞在が待っています。
今回宿泊した「界 草津」は、全国にある星野リゾートの温泉旅館ブランド。その土地の伝統文化や工芸を体験する「ご当地楽」や地域の文化に触れる土室「ご当地部屋」など、その地の温泉文化が楽しめるのが特徴です。今年は、界 草津のほか、界 宮島、界 松本、界 蔵王の4施設がオープンする予定となっています。
住所:群馬県吾妻郡草津町大字草津字白根464-690
電話番号:050-3134-8092(界予約センター9:30~18:00)
宿泊料金:1泊46,000円〜(2名1室利用時あたり、サービス料、税込、夕朝食付き)
公式サイト:https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/kaikusatsu/
©︎ Aya Yamaguchi & Chika
