モーツァルト生誕の地として知られるオーストリアのザルツブルク。探検家アレクサンダー・フォン・フンボルトが「世界で最も美しい街」と称賛した優雅な街をご紹介しましょう。
世界遺産の音楽の都・ザルツブルク
アルプスの山々をバックにした美しい旧市街は「ザルツブルク市街の歴史地区」として世界遺産に登録されています。「ザルツブルク」は「塩の城塞」の意味で、その名の通り、近郊で塩が採掘されこの街からヨーロッパ中に塩が輸出されました。
モーツァルト生誕の地であり、世界的に名高いザルツブルク音楽祭の開催地であることから、「音楽の都」としてその名をとどろかせています。
さらには映画「サウンド・オブ・ミュージック」の舞台でもあることも忘れてはなりません。
山々を望む落ち着いた街並みは歩いているだけで心癒されます。
それではザルツブルクの魅力を紐解いてみましょう。
ホーエンザルツブルク城塞
1077年に大司教ゲプハルト・フォン・ヘルフェンシュタイン1世によって建てられた、歴代のザルツブルク大司教の居城。その後増改築が繰り返され、壮大で複雑な造りの城塞となっています。現存する中世の城のなかではもっとも保存状態がいいものの一つで、博物館、拷問部屋、礼拝堂など見ごたえ十分。
ミラベル宮殿
1606年にヴォルフ・ディートリッヒ大司教が愛人と子どもたちのために建てた美しい宮殿。現在は市長公邸として利用されており、2階の「大理石の間」が一般に公開されています。
映画「サウンド・オブ・ミュージック」で、「ドレミの歌」の場面の舞台になった庭園も有名です。映画のファンなら歌って踊り出したくなってしまうこと必至!? 「サウンド・オブ・ミュージック」ファンならずとも、ホーエンザルツブルク城塞を望む庭園からの景色は必見です。
モーツァルトの生家
黄色が目を引く建物は、天才作曲家・モーツァルトが生まれた家。モーツァルトのバイオリンやピアノ、楽譜などの展示があり、モーツァルトの半生が凝縮されたクラシックファンにはたまらないスポットです。
キュートな看板ストリート
ショップが立ち並ぶ旧市街のゲトライデガッセ通りに華を添えるのは、ユニークで繊細な鉄細工の看板の数々。かわいらしくエレガントな看板の一つひとつがまるで芸術作品のよう。中世の世界に飛び込んだ気分になれる、歩くだけで楽しいエリアです。
レジデンツ
16世紀に大司教、ヴォルフ・ディートリッヒがバチカンをモデルに建設を始めた邸宅。天井の装飾や豪華なシャンデリアには目を見張ります。内部は博物館として公開されていて、中世絵画をはじめとするヨーロッパの美術品が展示されています。
ザルツブルク大聖堂
1655年に完成した初期バロック様式とロマネスク様式が混在した大聖堂で、ヨーロッパ有数の歴史を誇ります。ヨーロッパ最大のパイプオルガンを所蔵していることでも有名で、一万人を収容できる規模は圧巻。
白亜の建物に施された優美で幻想的な装飾に思わず引き込まれてしまいます。モーツァルトが洗礼を受け、のちにオルガン奏者を務めた天才作曲家ゆかりの地でもあります。
ザルツブルク音楽祭
毎年夏、7~8月にかけて開催される音楽と演劇のフェスティバル。とりわけ、ここでのウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏は高い評価を受けています。音楽ファンなら一生に一度は訪れてみたい夢の祭典です。
こじんまりとしたスペースに歴史と芸術の香りが凝縮されているかのような街、ザルツブルク。あなたもその優雅な空気を感じに出かけてみませんか。
[オーストリア政府観光局公式HP]
[TRAVEL EUROPE]
[All photos by Shutterstock.com]
Haruna ライター
和歌山出身、上智大学外国語学部英語学科卒。2度の会社員経験を経て、現在はフリーランスのライター・コラムニスト・広報として活動中。旅をこよなく愛し、アジア・ヨーロッパを中心に渡航歴は約60ヵ国。特に「旧市街」や「歴史地区」とよばれる古い街並みに目がない。半年間のアジア横断旅行と2年半のドイツ在住経験あり。現在はドイツ人夫とともに瀬戸内の島在住。
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